茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1145回「動きを、つくる方法」

脳科学者・茂木健一郎さんの1月16日の連続ツイート。 本日は、このところ考えていたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1145回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、このところ考えていたこと。

2014-01-16 08:31:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

うつ(1)昨日、駒場東邦高校にお邪魔して、生徒たちと話した。昨年は内田樹さん(@levinassien )がいらしたそうだ。それで、日本の大学の現状や、英語について話していて、ふと気づいて「ぼく、内田さんと真逆のことを話しているよね」と言ったら、生徒たちが「はい」と(笑)

2014-01-16 08:32:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

うつ(2)日頃から尊敬申し上げる師匠、内田樹さん(@levinassien )と私は、大学における言語政策とか、日本の教育のあり方についての見解は、表面上、異なるように見えるが、根底のスピリットではつながっているように思う。そのことを、一度じっくりお話したいなと昨日思った。

2014-01-16 08:34:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

うつ(3)それはそうと、日本の教育に欠けているものとして、批判的思考(critical thinking)の話をして、生徒に、「原発反対の立場から論じてみて」といい、その後、「原発賛成の立場から論じてみて」と言ったら、彼はどちらも説得力のある説をその場で出した。駒東、頭いい。

2014-01-16 08:36:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

うつ(4)そこで、私は彼に言った。「原発の問題については、世論が半々に割れて、なかなか身動きがとれないよね」先日訪れた沖縄もそうだった。マスコミ報道とは異なり、実際に話を聞いてみると、辺野古への移転は、賛成も反対も同じくらいいて、お互いに声を上げにくい状況が現地にはあった。

2014-01-16 08:38:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

うつ(5)ここで、問題が普遍化される。原発の問題にしても、辺野古の問題にしても、賛成、反対が拮抗し、どちらの側に立った言論、政策決定をとっても波風が立つ。そのような時、陥りやすいのは「思考停止」や「判断の先延ばし」であり、そうすること自体にリスクが生じてしまう。

2014-01-16 08:39:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

うつ(6)「このように、世論が割れた時、政治家は、どちらの意志決定をしても反対側からは批判されることになるけれども、そのような時に有効な考え方、戦略は何だと思う?」と彼に話を向けた。そしたら、彼は、「うーん」と考え込んでしまった。そうだよね、難しいよね。

2014-01-16 08:41:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

うつ(7)個人の人生でも、半々の状況というのはあって、そのような時、私たちは動きがとれなくなってしまう。たとえば、人生の進路で悩んでいて、こっちが半分、あっちが半分。そうなると、動けなくなってしまう。そのような状況で、いかにして動きをつくるか。これは大切な問題だ。

2014-01-16 08:43:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

うつ(8)駒場東邦の生徒たちとの話の中で、日本の大学の現状と、今世界で起こっている文明の胎動の話をしたら、彼らは動揺したけれども、最後に、「でも、やっぱり現実的な選択としては、日本の大学に行くと思う」と言って、ぼくは、それはそれでいいと思うよ、と言った。

2014-01-16 08:44:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

うつ(9)ちょっとした工夫から始めればいい。例えば、高校の春休みはアメリカの大学はやっているから、カリフォルニアに行って、授業に潜って見てくるとか。たかが日本の大学、されど日本の大学という拮抗から動きをつくるためには、足の裏の米粒のような小さな違和感、ポイントから始めるしかない。

2014-01-16 08:46:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1145回「動きを、つくる方法」でした。

2014-01-16 08:46:21