ヴァンパイアの話をしよう。 ヴァンパイア :ザ マスカレード、そう、ヴァンパイアを取り扱ったTRPGとして、世界で最も有名な、ワールドオブダークネスシリーズの一作目の話だ。 #久々の布教活動 1
2014-01-17 13:39:52ヴァンパイア :ザ マスカレード(以下VTM)は何をするのか? そのものずばり、ヴァンパイア(彼らは自信を血族と呼ぶことを好む)のキャラクターを作成し、そのキャラクターとして、何らかの出来事に挑むのだ。 2
2014-01-17 13:41:42それはTRPGなのか? そうとも言えるし、そうでないとも言える。正確にはストーリーテリングゲーム。 役割演技を楽しむのではなく、集まったメンバーで物語を語ることを楽しむのが主軸だ。このあたりの微妙な差異に心くすぐられた人は、このゲームに強い適性があるはずだ。 3
2014-01-17 13:43:46物語? どう違うの? 端的に例をあげよう。多くのTRPGではキャラクターのロストを良しとしない(天羅等、一部の例外はある。あれも物語志向の一端だ)。 しかし、ワールドオブダークネス(以下WOD)では違う。死は世界の一部の出来事だとして扱われる。 4
2014-01-17 13:47:22死を下すことを怖れるな。 けれど、しかし、物語から誰かを排斥する為に振るうのは厳禁だ。そんなことをする奴はストーリーテラーではない。 その死が物語を大いに盛り上げるのなら、より詩的に素晴らしいものを紡ぐなら、遠慮するな、そういうことだ。 5
2014-01-17 13:49:10ヴァンパイアを扱った作品、他にも知ってるよ? オーケイ、シスター。ではVTMの特徴をあげて説明しよう。6
2014-01-17 13:50:16──VTMは、古式ゆかしい暗黒の怪物を演じるゲームではない! 古城に住まい、城下の民を食い荒らす、青白い肌の貴族然としたそれ。 そんなプレイが出来ない、とは言わないが、推奨はされない。 7
2014-01-17 13:51:40出来ない、とは言わないのだ。ただ、そういったことがしたいのなら、ダークエイジ(未訳)というサプリを使うことをお勧めする。もしくは、ぎりぎりのラインだが、ヴィクトリアンエイジヴァンパイア(アトリエサード刊)でも可能かもしれない。 8
2014-01-17 13:53:21──VTM、そしてWODは現代によく似た世界だ! 私が気に入っている表現として、WODは「あらゆることが少しずつ悪い方向へ向かってしまった世界」という言い回しがある。これはWODの特徴をうまく捉えたものだ。 9
2014-01-17 13:55:29そしてこの世界観を、ゴシックパンクと呼ぶ。 そう、サイバーパンク、スチームパンク、テックパンク。それらと同じパンクだ。 ゴシック文学の持つ重厚で息苦しいあの美しさ、ゴシックホラーの怪物達、そういった雰囲気に押しつぶされそうな世界、それがWODだ。 10
2014-01-17 13:57:17そう、そしてパンク。 プレイヤーよ、パンキッシュであれ! ゴシックパンクとはジャンルであり、ファッションであり、アトモスフィアだ。 その重圧あふるる世界で、押しつぶされる側を遊ぶのもたまにはいいだろう。 けれど、しかし、パンクたるもの抗わねばならない!! 11
2014-01-17 13:59:30パンクファッションも、パンクミュージックも、ゴシックパンクも! 全ては叛逆の精神だ。 氏族の長老は君を手駒として使い潰すことを望む。世界は(とある理由によって)どうしようもなく滅びる運命にある。 そんな中で、失ってしまった人間としての生の残り香に、必死にしがみつく。 12
2014-01-17 14:01:31だが、英雄になることは難しい。 パンクとかそういうものだ。わかるね? 残り一人のレプリカントとは誰だったのか、おっと、これは俗説だ。話を戻そう。 14
2014-01-17 14:03:06VTMでは、古城に住む古風なヴァンパイアを遊ぶことは滅多にない。 洋館に住まうヴァンパイアは、場合によってはできるかもしれないがね。 基本的には、VTMは現代社会なのだ。 14
2014-01-17 14:05:33では現代社会のどこに、ヴァンパイアがいるのか? 顔をあげて、そう、視界の向こう、高層ビル。そこにオフィスを構えているのは、ヴァンパイアかもしれない。きっとヴェントルー(氏族名)だな。貿易会社ならトレアドールの可能性もある。 15
2014-01-17 14:06:49では視線を動かして、そう、小さな教会があるね。クリスマスには子供達が楽しげに賛美歌を歌っている、そう、そこだ。 その地下には隠し部屋があるかもしれない。神父様は、もしや血族殿のグール(血族ではない、血族の従者と思えばいい)ではないかな? 16
2014-01-17 14:09:04おっと、図書館に目をつけたか。 日光が当たらない、夜間は誰もいない。図書館は現代における古城ともいえる場所のひとつだ。 その一室が祭祀所ではないと、君には断言できるのだろうか。 17
2014-01-17 14:10:29よろしい、そうだ、その場所が、ゴシックパンクを体現する場所だ!! 中世を思わせる尖塔をあしらった(だがそれはハリボテかもしれない! 構うものか!)ライヴハウス!! そしてナイトクラブ!! そういった場所こそ、若輩、幼童の狩場だ。 18
2014-01-17 14:12:27血族がモータル(一般人)を狩れば、警察が嗅ぎつけてくる。(古城なんかに住んでいたらレオポルト会が来るぞ! 問題外だ!) ではどうして、血族はそれを逃れているのか? 20
2014-01-17 14:15:39簡単なことだ。 血族は、社会を裏側から支配しているのだ。(おっと、メイジ諸君は黙っていて貰おうか。これはVTMのお話だ。テクノクラシーも黙れ。喰われたいのか!) 権力によって、陰謀によって、血族の長老達は自分たちの領地を守っている。 21
2014-01-17 14:18:07陰謀とか難しくてわからないよ? 気にしなくていい。君は陰謀を巡らせることができる世代では、おそらくないはずだ。よし、それでは次の話だ。 22
2014-01-17 14:19:40──世代とは 始祖カインから数えて、君達が主に遊ぶことになるのは13世代目の血族だ。 勿論、より若い血族を作ることも出来るが、最初は13世代で遊ぶことをお勧めする。暗黒の世界で翻弄されながら、抗う。それは13世代の為の史劇だ。 23
2014-01-17 14:21:28