前原外相に対する中国の逆切れの有効利用法、についての国際関係論と安全保障論の学徒・fj197099さんのつぶやき

11月中旬のAPEC首脳会談までつづくと思われる「機会の窓」をどのように適切に利用し高い成果を得るか。
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fj197099 @fj197099

16~17世紀の英国外交官H・ウォットン卿が「大使とは嘘をつくために外国に派遣される誠実な人間である」と述べた有名な話があるが、ともかく外交には狡猾さが必要である。前原外相は15日の記者会見で拙速な日中首脳会談を焦る必要はないと斎木アジア大洋州局長に指示した事を明らかにした。

2010-10-21 23:33:52
fj197099 @fj197099

これが中国の胡正躍次官補には御気に召さなかったらしい。21日の記者会見で「連日、中国を攻撃するコメントを出し、外交当局者が口にすべきでない極端な言葉を用いている」と前原外相を批判、月末の日中首脳会談に否定的な見解を示したという(http://bit.ly/b3mpgo)。

2010-10-21 23:36:05
fj197099 @fj197099

しかしこういう中国の逆切れに内心ほくそ笑むべきは実は日本国民である。月末のASEAN、来月のAPECと首脳会談を控え、外交的に守勢に回っているのは今や中国だからだ。そもそも事は尖閣の領有権に絡む対立。小手先の宥和で乗り越えられる障害ではない。首脳会談は焦って行う必要はないのだ。

2010-10-21 23:39:43
fj197099 @fj197099

国益の根本的な対立を小手先の宥和ムードで誤魔化すほど外交上の危機を招く行為はない。それは見えない所で日々国益が毀損されてゆくことを実は意味しているからだ。日本にとって焦って首脳会談をする必要はないという前原外相の判断は正しいと思う。せいぜい中国を焦らせてやればよいのだ。

2010-10-21 23:41:39
fj197099 @fj197099

相手が逆切れすればするほど、中国の政治体制や外交姿勢の異常さ、異様さが国際社会にアピールされることになる。我々はそれを満足顔に眺めておればそれでよい。日米関係さえしっかりしておれば、中国は米国とは今関係改善せねばならぬ状況にあるから、いずれ中国の方から膝を屈してくるのである。

2010-10-21 23:44:05
fj197099 @fj197099

会議は踊る、されど進まず。それでよいのだ。時に時間を稼いで相手を焦らすことも立派な外交の一戦術だ。踊ったが進まなかったという「ウィーン会議」の立役者こそ世紀の外交官であるメッテルニッヒだったではないか。包囲網を築き、有利な立場で交渉を再開する。そのための時間稼ぎがあってもいい。

2010-10-21 23:48:21
fj197099 @fj197099

中国問題を巡り、月末のASEAN首脳会議が大変注目される。中国はあれほど前原外相を攻撃したくせに、結局29日に首脳会談も外相会談でさえも行うつもりがあるようだ(http://bit.ly/93C0Ta)。11月にはAPECもあり今は一番日本が対中強硬路線を打ち出しやすい時なのだ。

2010-10-22 20:06:05
fj197099 @fj197099

しかも28日の非公式夕食会では尖閣の話を正規の議題として取り扱うことになったと言う(http://bit.ly/9Lfww3)。中国としても周辺諸国の懸念の払拭に努めねばならなくなったと言うことであろう。つまりは外交上の守勢に立っているのは今は中国だ。日本が遠慮することはない。

2010-10-22 20:10:57
fj197099 @fj197099

こういう時こそ衝突ビデオ公開をと思うのだが、政府は結局事なかれ姿勢で11月のAPECの後まで公開を先送りするようだ。正直言えば余り賢明な判断とは思えない。その後は大きな国際会議がなくなって中国の強硬姿勢が再び強まる可能性が高いからだ。結局、公開するタイミングを逸してしまうだろう。

2010-10-22 20:12:56
fj197099 @fj197099

それはともかく、中国が最近「核心的利益」なる表現を余り使わなくなった事には注目すべきである。東シナ海でこの言葉を使用するのは避けているようだし、東京新聞によれば南シナ海でもこれまでの発言を否定しているという(http://bit.ly/ax3vcG)。地方紙故の不確かさはあるが。

2010-10-22 20:15:42
fj197099 @fj197099

中国は今、外交的孤立や国内デモが政府批判に飛び火しかねない国内圧力等でそれなりに追い詰められた状態にある。五中全で習近平氏に権力移譲が進行中という大事な時期なのだ。今、日本が強硬策を採れば、中国は譲歩をせざるを得ない。外交上の攻勢に出る貴重なチャンスなのである。

2010-10-22 20:22:22
fj197099 @fj197099

このチャンスが何時まで続くか?余り続かないと思う。短く見れば11月中旬のAPEC首脳会談までであろう。長く見れば来年早くと言われるゲーツ米国防長官の訪中まで続くかもしれない。だがその後は中国は再び強硬姿勢に転じるものと思われる。次はASEAN諸国も分断されるかもしれない。

2010-10-22 20:25:08
fj197099 @fj197099

外交はこういう「機会の窓」を適切に利用することで高い成果を挙げられる。自制とやり過ぎは共に度を越えれば国益にとってマイナスになる。時には「打落水狗=水に落ちた犬を叩く」(魯迅)非情さも必要だ。日本政府には船長釈放での「失敗」を何とかこのタイミングで挽回して欲しいものである。

2010-10-22 20:31:41