日本人の美徳「お互いさま」「おかげさま」意識と社会保障制度・税制との関係

_h_japanさんの考察をまとめました。
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h @_h_japan

メモ:日本人における「お互いさま」と「おかげさまで」の意識の違いとは何か。また、それらと「隣人愛≒施し(チャリティー)」との違いは何か。それらの違いが、歴史的には、社会保障制度や税制とどう関係するか。比較歴史社会学的な問いだけど、謎だらけ。

2014-01-21 02:17:20
h @_h_japan

「おかげさま」は「与えられる」(受動)。「お互いさま」は「与え合う」(中動「お互いに~する」→日本語「れる・られる」http://t.co/UtT0OSWo0j)。「施し」は「与える」(能動)。宗教的には、日本では「おかげさま」(受動)が、キリスト教圏では「施し」(能動)が強い?

2014-01-21 03:02:58
h @_h_japan

キリスト教圏では、能動的な「施し」(カリタス)の寄付文化が、ルターによって世俗化され、ドイツ・北欧で「政府による再分配」(社会保障制度)になっていった。では日本では、受動的な「おかげさま」の何らかの文化があったのだろうか? それが世俗化されて日本独特の社会保障制度になる可能性は?

2014-01-21 03:10:51
h @_h_japan

竹取物語は、「神(最後に月の国と判明)から子と金を与えられて、里親として保育する」というお話。「(人間界の外部から)与えられる」(受動的な「おかげさま」)ベースの保育。「おかげさま」ベースの社会保障の発想といえないか。

2014-01-21 03:19:17
h @_h_japan

税制でいえば、「おかげさま」的な「人間界の外部から与えられる財」は、「相続税」(死者から徴収される税)が相当するのではないか。逆に、「施し」的な「人間界の内部で与える財」は、「消費税・所得税」(生者から徴収される税)が相当するのではないか。

2014-01-21 03:26:55
h @_h_japan

キリスト圏諸国は、「施し」的な「消費税・所得税」を増税することで、(社会保険料で足りない分の)社会保障財源を確保してきたと思われるが、日本でもそれと同じ方法が安定的に支持されるのだろうか。むしろ「おかげさま」的な「相続税(とセットの贈与税)」で社会保障財源を補うほうが合うかも…。

2014-01-21 03:31:38
h @_h_japan

…といった話の妥当性を、誰かが何らかの方法で検討してくれたらうれしいのだけれども、誰もやらないだろうなあ。。

2014-01-21 03:37:01
倉沢 繭樹 @mayuqix

@_h_japan 「もったいない」精神は、何か社会保障の思想に影響しているでしょうか?

2014-01-21 03:35:42
h @_h_japan

@mayuqix 国際的に評価されたらしい日本独特の「もったいない」精神も、何か関係しているかもしれませんね。そういうのを検討した研究があればいいのですが、なさそうな気がします…。

2014-01-21 03:39:14
h @_h_japan

キリスト教圏では「施し」としての寄付行為(またはボランティア行為)だが、日本では「おかげさま(への感謝)」としての寄付行為なのかもしれない。それらが世俗化されれば、施しベースの再分配と、おかげさまベースの再分配になるだろう。

2014-01-21 04:15:05
h @_h_japan

そのあたりから、「日本で安定的に支持されやすい社会保障システム」を構想できないものだろうか…。

2014-01-21 04:19:51
h @_h_japan

キリスト教では一神教が徹底され、「神との交換行為」が否定されて、交換を超えた「施し」が普及。同様に日本でも、一神教が生まれれば、「神との交換行為」が否定されて、交換を超えた寄付・ボランティア行為が生まれるだろう。ただしそれは、受動的な「おかげさまへの感謝」として意味づけられる。

2014-01-21 04:34:22
h @_h_japan

あくまで、キリスト教の基礎文化が能動的で、日本の基礎文化が受動的ならば、という仮定のもとでの話だけど…。その仮定を言語論的に言えたら面白そうだなあ。

2014-01-21 04:42:04
h @_h_japan

この考え方では、「お互いさま」という中動相的な交換行為は、西洋の「施し」や日本の「おかげさま」に分化していない原初的な状態として位置づけられる。これは言語論的にも興味深い。なぜなら、能動相と受動相は、歴史的に、中動相から分化したかもしれないからだ。

2014-01-21 04:54:05
h @_h_japan

東日本大震災の直後での、信者一人当たりの寄付金額を、日本国内の宗教法人ごとで比較したらどうなるだろう。第一位の宗教法人は一神教的な性質が強かったり、「おかげさま」的な性質が強かったりしないだろうか…。メモ。

2014-01-21 05:06:51
h @_h_japan

メモ:「おかげさま」といえば、こういう社会現象があったのだった。>「お蔭参り」 http://t.co/yhYFYQErHk

2014-01-21 10:43:19
倉沢 繭樹 @mayuqix

@_h_japan 河合隼雄は、日本神話の神々に役割不明の「無為の神」がいることに注目し、「中空構造」概念を提唱し、一神教的「統合構造」と対比しました。対立を融和する「無為性」が受動性につながっていると考えると興味深いと思います。

2014-01-21 05:17:57
h @_h_japan

@mayuqix なるほど、「八百万の神々」に無為性が宿っていて、その無為性が「対立を避ける受動性」(≒和の精神)につながっている、と考えることもできるかもしれませんね。「無為の神々」という視点は興味深いです。ありがとうございます。

2014-01-21 10:51:42