OGAWA Kandaiさんgrossherzigkeit の「非常に小野田さんという人は誤解されておりますね。」

先日死んだ“最後の日本兵”こと小野田寛郎氏に関する暴露本がネットで無料公開されてることが話題だが、 http://junpay.sakura.ne.jp/index.php?option=com_content&view=category&id=49&Itemid=77 … めちゃくちゃに面白く、当方もいっぺんで読んでしまった。
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OGAWA Kandai @grossherzigkeit

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先日死んだ“最後の日本兵”こと小野田寛郎氏に関する暴露本がネットで無料公開されてることが話題だが、 http://t.co/3910Es3o8j めちゃくちゃに面白く、当方もいっぺんで読んでしまった。非常に小野田さんという人は誤解されておりますね。

2014-01-21 13:25:34
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

この「小野田暴露本」は確かに著者の一定の悪意に基いて書かれたもので、小野田さんを相当な狂気の人として描写する点などどこまで信じていいかも分らんが、一番面白かったのは著者がかき集めた帰国直後の小野田の、“捏造”のしようのないマスコミインタビューや短文の執筆記事に現れたその“思想”。

2014-01-21 13:27:52
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

要するに小野田さんって典型的な「戦前型右翼」だったのね。彼は「なぜ戦後30年も潜伏してたのか」という周囲のあらゆる質問に対し、かなり明確に「大東亜共栄圏建設を建設するため」と答えてる。で、これはとってつけた回等じゃなくって、多分ガチなんだ。

2014-01-21 13:30:28
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

小野田さんは中学卒業後、貿易会社に就職して、中国で働いてた外国語ペラペラの人で、そこから石原莞爾にけっこうな影響を受けていたりする、かなり真面目な大アジア主義者だったそうな。

2014-01-21 13:33:59
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

また暴露本で書かれていた小野田さんの思想の中で一番驚いたのが、彼は「昭和天皇の戦争責任」というものを非常に重く見ていた人で、少なくとも帰国直後、その退位論を真剣に周囲に訴えていた人だったということである。

2014-01-21 13:37:12
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

暴露本の著者は、この小野田さんの「昭和天皇退位論」は、昭和50年代にもなった周囲の日本人に相当な困惑をもたらし、それが彼が帰国早々にブラジルへ移住していった原因だとしているが、それは恐らく正しいだろうねと当方も感じた。

2014-01-21 13:39:55
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

これは当方なりの感想、解釈だけど、つまり小野田さんというのは真剣に「アジアの解放」のためにWW2を戦っていた大アジア主義者で、天皇とか国体とかは、どうでもいいとまでは言わないけど、彼の中においてそこまで優先順位の高い問題ではなかったように感じる。

2014-01-21 13:42:46
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

この姿勢が当方に、小野田さんを昭和20年を境に消えてしまった「ガチの戦前右翼」と認識させる。たとえば北一輝は中国革命に首突っ込んだ大陸浪人のアジア主義者だったが、昭和天皇のことは「クラゲばっかりいじっている奴」などといって、どこか冷笑的に見ていたという有名なエピソードがある。

2014-01-21 13:46:34
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

まあこの北の姿勢は少々行き過ぎだが、戦前の右翼の人の書いたものなどを読んでいると、戦前は「天皇」というものが実際的な政治上のパワーも持ったゆえに、彼らは天皇に対し、むしろ戦後よりもある程度「冷めた、冷静な」態度でその「利用価値」を計算しようとしてた。

2014-01-21 13:48:58
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

その意味で、国民に親しまれている、ゴシップ報道であってさえ国民に関心を持たれている、少なくともマイナスの感情を持たれていない、実際に特定政治勢力による皇族襲撃、暗殺計画などもほぼ起きない、誰に強制されてもないのに、という点で、戦後はむしろ戦前より尊皇心篤い社会かもしれんのだ。

2014-01-21 13:52:10
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

また「大アジア主義」こそが、戦後の右翼思想の中からすっぽりと脱落してしまった、「戦前右翼」を特徴付ける一大思想である。実際、軍備を廃して日本がアジアに乗り込んでいく実際的手段も失われたし、今やご存知の通り、「中韓と敵対すること」は逆に「右派の資格」にさえなりつつある。

2014-01-21 13:55:06
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

その前提から見てこの「小野田暴露本」は当方に、小野田さんという人を「意外に天皇というものを冷めた目で見ていた大アジア主義者」という、まさしくフィリピンで隔離保護されていた「ガラパゴス戦前右翼」のように思わせた。そう、彼はつまり「最後の日本兵」ではなく「最後の戦前右翼」だったのだ。

2014-01-21 13:57:23
OGAWA Kandai @grossherzigkeit

小野田さんは「戦後の体制」に順応していくうち、割とすんなり「戦後右翼」の作法も身につけたようで、晩年は『正論』みたいな雑誌の定番ライターでさえあったから、当方もかなり「経歴はともかくステロタイプな保守思想の人」としか感じていなかったんだが、この暴露本は面白い視点を提示してくれた。

2014-01-21 14:00:42