【三題噺 #話咲 】風、ビー玉、時計

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なな @ki7_2n

どなたか、久々に三題噺しませんか。 お題、ひとつめ。風 #話咲

2014-01-13 23:10:13
御調 @triarbor

@ki7_2n これは久しぶり。では「ビー玉」。 #話咲

2014-01-13 23:12:04
バールのようなshin\ ٩( 'ω' )و / @cascade_process

運動会でラムネをもらった。 とてもとても暑い日で、僕は一気に飲み干した。 ビンの中には透明なビー玉が閉じこもっていた。 夏の太陽で輝くそれは、まるで宝石だった。 #話咲 

2014-01-14 00:09:42
バールのようなshin\ ٩( 'ω' )و / @cascade_process

「どうやって入ったの?出たくない?」 僕はこっそり校舎の裏でビンを割った。 夕方の風が吹き抜けていった。 散らばったビンの破片、手のひらの上のビー玉。 僕はなんだか少し寂しくなった。 #話咲 

2014-01-14 00:11:06
バールのようなshin\ ٩( 'ω' )و / @cascade_process

窓から教室を覗くと、時計は5時を少し過ぎていた。 「帰らなくちゃ」 帰り道、ポケットの中のビー玉は何も言わなかった。 おわり #話咲 

2014-01-14 00:12:16
安眠戦士 @anminsenshi

人魚の涙は真珠になるの。それは知ってる。じゃあ、誰にも涙を見せたことのない人の涙は、ビー玉になるの知ってる?それは嘘。いいえ本当。いいえ、嘘。(1/4) #話咲

2014-01-14 07:29:34
安眠戦士 @anminsenshi

硬くキラキラした透明な珠の中に、誰にも言えない見せられない、想いを閉じ込めたビー玉は、人知れず転がり出すの。誰にも知られぬビー玉は、1つ2つと集まって、コロコロコロコロ集まって、時を閉じ込めた振り子時計の、振り子の箱の中に溜まってゆくの。(2/4) #話咲

2014-01-14 07:30:24
安眠戦士 @anminsenshi

だから振り子は振れなくて、時が止まってしまうのね。そう。いくつもの想いの詰まったビー玉が、入りきれないほど集まると、振り子時計ははち切れて、無数のビー玉を撒き散らす。(3/4) #話咲

2014-01-14 07:31:05
安眠戦士 @anminsenshi

弾き出されてぶつかって、砕けた知られぬ涙達は、一陣の風に吹き飛ばされて、キラキラ儚く輝きながら、霧のように消えてゆくの。(4/4) #話咲

2014-01-14 07:31:33
なな @ki7_2n

1.たまたま広場の横を歩いた。真ん中に、大きな日時計があった。 しかし空は曇り。お日様はどこにもいない。 諦めて家に帰ろうとしたその時、分厚い雲の隙間から顔を出した太陽が時計に命を与えた。 時計に反射する光がとても美しくて、時間を見るよりも時計そのものの姿を楽しんだ。 #話咲

2014-01-14 18:11:02
なな @ki7_2n

2.ふと思い出したように、風を閉じ込めたような青く繊細なビー玉をポケットから取り出し、太陽に透かした。 その時、太陽は慌ててこっそり隠れてしまった。まるでビー玉の美しさに怯えるように。 ビー玉は、太陽の光なしでもキラキラと自慢げに輝いていた。 #話咲

2014-01-14 18:11:50
御調 @triarbor

#話咲 照り返すアスファルトの眩しさに思わず顔を上げると、坂の上からビー玉が転がってくるのが見えた。登る僕とは対照的だけど、引き返すこともできずに下へ下へと加速する様は互いによく似ているのかもしれない。我ながら酷い喩えだ、と軽く笑って歩を進めようとしたとき、風が吹き上げてきた。

2014-01-14 20:20:25
御調 @triarbor

#話咲 風を受けたビー玉は加速を止め、ほんの一瞬、静止した。 またそろそろと転がり始めたビー玉を、ふっと横道から出てきた少年が拾い上げ、宝物のようにしっかりと握って走り去った。下降する自分を止めたほんの一瞬の抵抗で、彼は宝物に変わったのだ。『一緒にするなよ』と笑われた気がした。

2014-01-14 20:30:38
御調 @triarbor

#話咲 誰もいなくなった坂道で、ふと腕時計を見ると案外時間に余裕があって、焦燥感に押し潰されそうだった数分前の自分がバカらしく思えた。為す術もなく転がり落ちていたと思えた自分も、もしかすると宝物に変われるかもしれない。また吹き上げてきた風に、しばらく身体を預けてみよう。(終)

2014-01-14 20:37:06
らいら(らいられん) @Lailaren

お題:風、ビー玉、時計 #話咲 夕暮れの空を夕陽を浴びたシャボン玉が飛ばされていく。ビー玉の様に七色に光りながら転がる。見上げる先には公園の時計。もう6時だよ、早くお帰り、と鐘の音。振り向くと女の子の影が小さく夕日の中に駆けて行った。後ろをシャボン玉がころころと追いかけていった。

2014-06-25 21:09:12