舞鶴漣日記まとめ11
ガラガラとけたたましくストレッチャーを押しながら、比叡ちゃんと霧島が執務室の扉を蹴破る。直したばっかなのに。「生まれましたよ!!!!!!」誰から何が!!!!! #舞鶴漣日記
2014-01-08 11:50:54「勢いでつい。失礼しました司令」比叡ちゃんがマスクを外しながら謝罪する。ストレッチャーの上には穏やかに眠る加賀(縫合済)が。「次はそちらの加賀さんをお借りしてもいいですか」こっちも?「大急ぎ、という訳ではありませんが鮮度が落ちてしまうと別の危険があります」…鮮度? #舞鶴漣日記
2014-01-08 12:01:24はい、と霧島がポラロイド写真を取り出す。「加賀さんの機関部の、脳にあたる部分。頭を開けるとは言いましたが正確には頚椎あたりを開けました。この辺りのパーツの移植を行います」…近代化改修で話が済むって訳じゃないのか。「やってることはほとんど同じですけどね」 #舞鶴漣日記
2014-01-08 12:04:00近代化改修はもうちょっと手早く全部吸収出来ますし、と前置きをして「加賀さんの場合、近代化改修だと少し大味すぎるといいますか、もう少しデリケートな処置が求められます」 #舞鶴漣日記
2014-01-08 12:06:01デリケートな処置には到底見えないんだがな、どこがデリケートなんだ。聞くと比叡ちゃんはううん、と悩んでから「終わったらお話しますね!!」と加賀(生)をストレッチャーに乗せてまた駆け抜けていく。正規空母片手で担ぐとかさすがシンフォギア奏者。 #舞鶴漣日記
2014-01-09 00:59:28改二になってから頻発に聴こえるファンファーレを置き去りに、再び工廠へ駆け抜ける比叡ちゃんと霧島。それを蹴破られた扉から見送ると、赤城さんが小走りで追いかけようとしていた。行くのか。「…ええ、加賀さんは同じ一航戦として…いいえ」 #舞鶴漣日記
2014-01-09 01:03:18カメラを収めた夕張はソファに座って両側にイムヤたちを座らせて、それぞれを撫でている。「近いものはあるとは思うけど。赤城モデルと加賀モデルは色々相性がいいみたいですし」色々、なぁ。 #舞鶴漣日記
2014-01-09 01:09:58このあとは朝までかかるからと夕張に就寝を勧められるが、ふと思いつき、尋ねる。漣を見てないか、夕張。今朝から見てないんだ。「…そういえば、私も見てないですね」イムヤたちは?「私たちも見てないわ」二号が即答するが、お前一号まだ答えてないだろ。「私たちって言ったじゃない」 #舞鶴漣日記
2014-01-09 01:20:49「一号も二号も、おんなじよ?司令官」夕張の膝に甘えるように寝そべる一号の手を取って、二号が微笑む。同じって、それは…。「ご主人様」後ろから声がする。随分と久しぶりに聞いた気のする、一番落ち着く声だ。「漣、戻りました」 #舞鶴漣日記
2014-01-09 01:23:01そこには漣が立っていた。 ふてぶてしいグレーのけむくじゃら、閣下を抱えて。漣、漣お前どうしたんだ。どこに居たんだ。「閣下があちこち逃げるから、ちょーっとおいかけっこしてまして」てへ、と笑う漣。あぁ落ち着く。#舞鶴漣日記
2014-01-09 01:25:17「んなぁーーーーん」なんだ、閣下。ご飯か。「んぁん」違う、とでも言うようにもう一度前足で額をスタンプされる。少し爪が出ていて痛い。「にぁん」起きろってことか。#舞鶴漣日記
2014-01-09 06:43:22起き上がろうとすると頭全体に緩い締め付けがあることに気付き、同時に鈍痛が走る。手を当てて包帯の感触を確認する。……またか。そろそろ妙な後遺症でも残ってそうな気がするけど、平気なんだろうか。#舞鶴漣日記
2014-01-09 06:45:51珍しく擦り寄って来る閣下を撫でてやりながら、思い返す。朝までかかるだろうから、と言っていた夕張の言葉。確信が持てたら話す、とも言っていた。艦娘には推測出来て、人間には出来ないなにかがあるというのか。#舞鶴漣日記
2014-01-09 06:54:15閣下の額から首へ、背中へと撫でてやる。体格の割に脂肪の薄い、肉の厚い感触が心地いい。猫はやっぱでかくないと可愛くないよな。いや、子猫も可愛いけど。犬も好きだけど。「んゃあ」サービスタイムは終了だと言わんばかりに毛繕いをしていた閣下がそのまま噛み付いて来る。すいません。#舞鶴漣日記
2014-01-09 07:03:10改めてまわりを見ると、いつも通り執務室に寝かされているようだ。閣下と自分の他には誰もおらず、蹴破られた扉は応急処置なのか、ベニヤ板があてられて補強されていた。#舞鶴漣日記
2014-01-09 07:04:39加賀の処置は成功したのかとか、あと今になって思い出したけど密売人からはぎ取った海図も液体も完全に解析終わってないし、もう面倒だから寝ていいかな閣下。「ぶにゃーあ」あっいいんですか。自分二度寝に入らせて頂くであります。#舞鶴漣日記
2014-01-09 07:11:00まぁ、まわりが静かってことはそんな酷いことにはなっていないだろう。閣下を抱えて布団に戻ろうとしたら閣下の後ろ足による強力な拒絶を食らったので一人で二度寝します。#舞鶴漣日記
2014-01-09 07:12:17夕方になったので、一通りの雑務を終わらせてから比叡ちゃんのところへ向かう。一応部屋にも寄っては見たが、同室の霧島も不在だった。工廠だろう。#舞鶴漣日記
2014-01-09 18:51:44建造ドックの奥、解体室などがある辺りまで来るとイムヤが居た。「あら、司令官。遅かったわね」この物言いは二号か。やることやっとかないとまわりがうるさいんでね。で、どうだ。「入れば解るわ、どうぞ?」解体室の横、『開発室』と書かれた扉を開ける。#舞鶴漣日記
2014-01-09 18:53:57通常であれば装備の開発などを行う部屋…だったと思うが、なにしろ装備の開発は艦娘に一任しているので、余程欲しい装備がなければ立ち入ることも少ない。他の提督はどうだか知らないが。「あぁ、司令」中に入ると比叡ちゃんがこちらに気付く。#舞鶴漣日記
2014-01-09 18:55:11パーテーションを取り払った先には、手術台のような高さの台があった。手術台というよりは響きとして、作業台なんかが近い気がする。ブルーシートの敷かれたそれの上に、加賀は横たわっていた。#舞鶴漣日記
2014-01-09 18:57:542m近い女性が、入院患者が着るような患者衣を着せられて眠っているのはなかなかシュールだった。加賀は外から見ると傷ひとつなく、大掛かりな施術が行われたようには到底見えない。#舞鶴漣日記
2014-01-09 19:44:51