ラブホテルと援助交際の歴史

「荒川強啓デイ・キャッチ!」の宮台真司氏の「デイキャッチャーズ・ボイス テーマ:ラブホで女子会!」回を聞いて考えたことをまとめました。   (参照) デイキャッチャーズ・ボイス [金]宮台真司:http://bit.ly/1aRRfyi
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倉沢 繭樹 @mayuqix

「デイキャッチャーズ・ボイス」で語られた宮台真司先生のラブホの歴史の話が興味深かった。ラブホの原形は戦間期、1925年頃の「休憩1円、宿泊2円」の「円宿」にさかのぼる。

2014-01-25 15:51:42
倉沢 繭樹 @mayuqix

戦後の焼け跡での「青姦の時代」を経て、1950年代に連れ込み宿が登場。これには、商談などのために商人が使う「商人(あきんど)宿」をカップルが利用するようになった流れと、1958年の売春防止法対策で業者が営業し始めた流れがある。

2014-01-25 16:24:32
倉沢 繭樹 @mayuqix

1960年代末から連れ込み宿ブームが起こり、そして1970年の大阪万博あたりを機に洋館風のホテルが多くなる。「ラブホテル」という呼称もこの頃生まれた。

2014-01-25 16:36:07
倉沢 繭樹 @mayuqix

ちなみに、僕は高校生の頃、1990年代初めに福岡県の福岡空港からやや離れた所に住んでいたのだが、近くにお城を模したラブホが建っていた。そのラブホの周囲に、パチンコ屋、カラオケハウス、ショッピングセンター、レンタルビデオ屋、コンビニなどが順番にできていったものだった。

2014-01-25 16:44:35
倉沢 繭樹 @mayuqix

さて、1980年代になると、ラブホテルは「ブティックホテル」「ファッションホテル」などとも呼ばれるようになり、回転ベッドやスケベ椅子が導入され、ペンション化する。非日常空間というよりも、日常の延長上にある場所だと感じられるようになる。

2014-01-25 16:51:51
倉沢 繭樹 @mayuqix

1990年代半ば、渋谷に、プール、ジャグジー風呂、日焼けマシン、スポーツジムなどを備えた豪華なラブホがオープン、当初からパーティ利用にも開放する。これが現在の「ラブホで女子会」ブームにつながっているという。

2014-01-25 17:01:08
倉沢 繭樹 @mayuqix

1984年の風俗営業法改正で、ラブホは旅館業法から風営法の適用対象になる。1日平均4回転で、部屋が広く清潔、入浴設備が充実していて、シティホテルに比べて安い。2005年の風営法改正で、レストランに類するものの併設が義務化され、料理も頼めるようになる。それが「ラブホ女子会」を促す。

2014-01-25 17:30:52
倉沢 繭樹 @mayuqix

さて、このラブホの歴史と、援助交際の歴史を対比してみたい。宮台氏によると、ブルセラ・援交第一世代はポスト団塊ジュニア世代だ。1970年代半ば生まれ。この第一世代は「とがった」世代で、いけてる子たちだった。

2014-01-25 17:47:43
倉沢 繭樹 @mayuqix

第二世代は第一世代のフォロワーで、AC(アダルトチルドレン)世代。「いい子」を演じることに不満を抱えていた子たち。第三世代にまで下ると、彼女たちは「まったり」世代。泊まる場所や友達と遊ぶためのお金が欲しいときに援交する子たち。

2014-01-25 17:55:29
倉沢 繭樹 @mayuqix

宮台氏は、この援交第一世代から第三世代以降の変化を、彼女たちの内面(心理システム)に注目して、「願望水準」と「期待水準」というタームを使って説明する。

2014-01-25 17:59:48
倉沢 繭樹 @mayuqix

「願望水準」とは、現実に抱いている願望のレベル。「期待水準」とは、現実に期待できるレベル。例えば、私のことをわかってくれる彼氏がほしい(=願望水準)が、実際にはムリそうだ(=期待水準)、ということ。第一世代は「願望水準」は高かったが、「期待水準」はあまり高くなかった。

2014-01-25 18:09:03
倉沢 繭樹 @mayuqix

だから、そのギャップに傷つくこともあった。そこで、援交に乗り出し、「期待水準」の引き上げを図ろうとした。しかし、それが期待外れに終わる。第二世代になると、低い「期待水準」に連動して「願望水準」が切り下げられた。願望も期待も小さい。

2014-01-25 18:16:40
倉沢 繭樹 @mayuqix

第三世代以降は、「願望水準」も「期待水準」も低いのがデフォルトだ。もはや望むところも期待もない。第一世代は「理想」、第二世代は「承認」を求めたが、第三世代以降はそうした期待を手放し、「居場所」を求めた。徐々に欲求の対象が縮退しているのが印象的だ。

2014-01-25 18:23:27
倉沢 繭樹 @mayuqix

援交第一世代から第三世代に下るに従って、性愛に期待するものがどんどんしぼみ、それがもたらすはずの「非日常性」は消失していった。一方、「円宿」から「青姦の時代」を経て「連れ込み宿」となり、ペンション化して今や女子会の会場ともなったラブホに、かつての「非日常」の匂いはない。

2014-01-25 18:32:47
倉沢 繭樹 @mayuqix

女子高生たちが性愛に期待しなくなった歴史と、ラブホがパーティルーム化する歴史は、何か通底するものがあるような気がする。どちらも「輝き」を失って日常化し、ひとつの「居場所」に過ぎないものになったのだ。

2014-01-25 18:38:05
倉沢 繭樹 @mayuqix

ところで、僕が営業職をやっていたとき、先輩と車に乗っていて、町はずれのラブホを指して「あれ、連れ込み宿ですかね」と言うと、先輩は苦笑していた。「連れ込み宿」という言葉に込められた「淫靡さ」は、もはやラブホテルにはないと思う。

2014-01-25 18:43:27
宮台真司 @miyadai

1箇所間違いあり。1980年からのラブホの日常化(ファッションホテル化)で、回転ベッド・全周ミラー・スケベ椅子が廃たれたのです。RT @mayuqix: @miyadai よろしければ、お読みください/「ラブホテルと援助交際の歴史」 http://t.co/KlzwlHDr4t

2014-01-26 10:16:02