内部留保が積み上がったワケ

企業はなぜ内部留保を積み上げてきたのか
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涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

さて、ところで企業の内部留保批判に対していくつか。まず内部留保が一貫して比率として増加傾向にあったのは事実。内部留保とは会計上の特定の部分を指して言うわけだが、この比率についてはいくつかが指摘されている。まず大企業と中小企業ではその増加内容が質的に異なる。

2014-01-26 13:03:23
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

いわゆる資本金一億円以上の統計上大企業と呼ばれる区分では、所謂現金資産ではなく固定資産が増加傾向にあったことは公的統計で指摘されているところである。これは内部留保としては投資の部類の形成でないことを意味している。中小企業では逆に現金資産というか金融資産が増えている。

2014-01-26 13:07:09
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

長期景気縮減の中で、企業は主に大企業は企業内再編、景気回復が望めない中で次の成長のための投資を行ってきたことを意味する。中小企業の手元資金増が意味するのは、銀行統計を見ると見えてくる。銀行の企業貸付残高がプラス傾向に転じたのは12年頃。

2014-01-26 13:10:21
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

内部留保は本邦の企業間取引や銀行貸付において、固定資産が一定の信用を持っていることも作用している。長期取引の信用性の担保になるからだ。中小企業が手元資金を増やすのは処分できる固定資産があまりないことも作用している。

2014-01-26 13:12:45
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

なんらかの投資や企業危機に際して、固定資産は担保にもなるが、中小企業の場合、手元資金がなければ完全に債務に頼るしかなくなるが、とはいえ銀行貸付は減少傾向にあったし、担保になる固定資産も少ない(既に担保になっていれば尚更)。

2014-01-26 13:14:43
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

従って、短期的景気後退ならまだしも、銀行貸付の減少傾向と長期的景気後退の中で、企業はその存続を図ればこそ、内部留保は積み増し圧力は掛かることになる。もちろんこれは総人件費圧縮という「無駄」の削除と経営スリム化を是とする傾向が重なることで人件費圧縮を構造化する。

2014-01-26 13:18:12
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

従って、景気の後退の長期化と「無駄」の削減圧力の構造化が、結果として企業が存続するために、内部留保の増加(大企業は投資、中小企業は資金繰り含めた手元資金増)として現れてきた。もちろん固定資産は時価計上しているとデフレ下で処分しようにも、下手したら膨大な含み損の計上リスクもある。

2014-01-26 13:21:26
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

内部留保批判の少なくないものはこういった企業会計や企業取引の商慣行の実状はあまり考慮していないように思える。大企業において流動的金融資産はそれほど増加せずに内部留保が増えたこと、中小では逆に手元資金を増やしたことは、それなりの理由がある。

2014-01-26 13:24:09
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

もちろん、景気が本格的にプラス局面に転じていけば、人件費圧縮に対しての批判は当然に出よう。しかしデフレと構造不況の長期化で人件費を増やすのはかなり難しい。「安さこそ正義」であり「株主」の存在を考慮すれば尚更。その点では人件費増加は企業批判の材料にもなる。

2014-01-26 13:27:18
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

成長期には人への投資を行う経営者がそれなりに称賛もされたが、近年の優秀な経営者とされる人間の企業政策や投資への考え方を見れば、社会的傾向としても企業のそういった行動原理を後押しこそすれ、批判などあまりされてこなかったし、批判は批判で表面の「内部留保」を現金のように扱ってきた。

2014-01-26 13:30:02
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

その意味で、金融緩和と株や為替の調整は必須だった。また、それまで政府の財政出動という需要創造も批判されてきたのだから、根本的に間違った政策を走らせてきた、とは言えるだろう。民主党もその錯誤の延長で政策を行おうとしたのだから経済的には方向性が誤っていた。

2014-01-26 13:32:46
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

もちろん、個人的には人への投資を行わない企業が長期的に見て存続し得るかは疑問もあるが、さりとてここまで長期に資産を含めた大幅なデフレと円高という輸入を必要とする産業への圧力を考慮すると、昨今の内部留保批判はその要素はまるで考慮していないように見受けられる。

2014-01-26 13:35:26
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

従って、現下の経済指標は、まだ人件費上昇圧力になるには、あとしばらく時間はかかるだろうが、そこまでは経過的に耐える時代にもなろう(最低あと1~2年)。その間にまた経済の腰を折ったら元も子もないのだが。その意味で、脱成長とか論外なフレーズではある。構造転換は不況構造の変化でなければ

2014-01-26 13:39:01

以下まとめの本題とはちょと外れるけど一応拾っときます

涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

さて、それはそれ。で、この点において日本共産党は国政に要らなくね?というのは、根本的に資本主義(現在進行)の理解がおかしすぎないか?という点で、労働者云々言いながら誤った方向でそれを誘導する節があること(だからと言って自民党が是な訳ではない)は重味をつけて判断している。

2014-01-26 13:42:20
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

マルクスやレーニンが経済をどう捉えていたか、については、寧ろ今こそ再度見直される必要もあろう(実践しろ、ではない)。でも日本共産党の主張では、そのあたりは大部変質しているよね。革命やるやらないは別として。従って資本主義の是正圧力としてまともに機能すると思えない。

2014-01-26 13:44:34
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

もちろんこれは個人的な見解なので、異論も多々あろう。でも労働政策とリンクする経済政策において、なんらの期待もできないとしたらね。社民党も同様に。その点では経済政策としてはハテナもあるが、公明の方がまだ期待できる可能性はあるかもしれない(相対的に)

2014-01-26 13:46:43
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

日本共産党の現状は極めて「求められる役回り」に忠実であるが故に、却って本来指し示すべき政策がなく、ポピュリズムというよりは水戸黄門的溜飲政党としてしか機能していないのではないかな(経済、労働政策に限って)。もちろん調査能力は結論の出し方を別に評価はするけどね。

2014-01-26 13:49:12
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

ま、自民党も俄には首肯し得ないものが多いわけで悩ましいのだけど(嫌な方向で純化してきているので)、さりとて、である。本来は民主党が過去の自民党左派をもう少し社会民主主義よりにキャッチアップできれば違ったのであろうが、それも今更である。

2014-01-26 14:03:58