20140119-25twnovel

みじん子 @000plankton000

もういいかい？もういいよ。――あれからどれくらい時間が経っただろう。辺りはすっかり静まり返って、影も形も見えやしない。うずくまっていたそこから出てみる。まっくらで、がらんどうな、広いだけの世界があった。みんなも鬼も、もういない。たった一人、隠れ続けたぼくが残った。#twnovel

みじん子 @000plankton000

愛なんていらない(愛して)。誰もぼくを見ないで(ぼくを見つけて)。寂しくなんかない(寂しい)。苦しいからそんなことしないで(抱きしめて)。耳を塞いで(聞いてよ)。忘れないで(消えたい)。分かってるよ、できないって(お星さま、ちょうだい)。天邪鬼は笑いながら泣いた。#twnovel

まとめのお知らせ @togetter_pr

@xsheeenaxさんの「#twnovel　「不思議な魔女」その1」が50viewを達成。みんな楽しんでくれてるといいね。 http://t.co/7j4EFJMO7M

雨漏り琵琶 @sitohishi_biwa

銃を突きつけ合うと、そこから二人とも動けなくなった。気の遠くなるような密度の時間が過ぎて、もう撃つなら早く撃てよと思った。自分が先に撃てばいいと気づいたのはその後で、引き金をひくと、相手はホッとした顔で血と脳漿をぶちまけた。僕は汗だくで、いつの間にか泣いていた。#twnovel

春木のん🪄ふしぎなアンソロ @Haruki_Non

#twnovel 人の夢に自由に出入りが出来る、夢の合鍵を手に入れた。動物でもいいのか、牧草地で寝ている羊に試してみた。「…５、６、７、８、９、１０！もう１回だ！跳べ！」見知らぬ人のカウントに合わせて、何度も柵を跳ぶ羊。なるほど、起きている羊がのんびりしている理由がわかった。

粉粧楼bot @fenzhanglou_bot

口説いた思い出も、口説かれた記憶も無かったけれど、気持ちが波打つのに気づいたときは、色褪せた世界の中で彼だけが天然色に見えて、他は何も眼に入らなくなった。きっと、生まれ変わって、探し出して、めぐり会うためには、刻み込む必要があったから、今、出会っている。 #twnovel

柏木 @kashinove

つまり、つまりだなあ。と、男は息を吐きながら言う。文学と心、今と昔、収斂と発散、善と悪、人と世界、文学と心、つまり、そのようなことを言う。 #twnovel

zkns @zkns

【BOT】ついにこの封印を解く時が来たようだ。私はずたずたになった革手袋を両の手から外し、念じた。地球(ガイア)よ、今、またひとつの命があなたの元へ還ります－－そして私は古い革手袋をごみ箱に捨て、新しい革手袋の封を切ったのだった。 #twnovel - 2009-12-04

猫春雨＠ものがたる屋 @nekoharusame

同僚といい感じになった別れ際、流れで抱きつかれた。私も悪い気はせず、久しぶりに感じた温もりに身を任せる。とその時だった。私の視線の先の空間がエレベーターの扉よろしく開いたかと思うと、先輩が立っていた。先輩は目を見開いたかと思えば冷やかな視線を寄越し、扉はしまった。#twnovel

白「星屑の仲間たち」☆電子書籍化 @sirowakusei

#twnovel T先輩が、「デビューしたら応援するね。ファンレターだすね」とか言って本当に本を買ってくれてファンレターを書いてくれたのはあなただけだった、と言った。みんなくやしくて、編集部に「Tを載せるな」と書いてきたそう。私の場合とおんなじ。サークルXの人も嘘つきだと。

雨漏り琵琶 @sitohishi_biwa

大好きだった彼氏にふられた私はもう死んでやると思いました。付き合って最初のクリスマスにもらった真っ赤なマフラーで首を吊ろうという趣向です。ところが、毎年冬になると毎日巻き続けたマフラーはあまりにボロボロで、私の体重を支えることができずに破けてしまいました。#twnovel

七歩 @naholograph

子猫は空箱を探していた。中に入ってどんな空かを確かめたい。尻尾フリフリ箱を探せば見つけた、いかにも怪しい箱から空の匂い。少し威嚇。それから近づき、離れ、近づき、こじ開け、離れ、目を閉じたなら全速前進、にゃー！痛ッ。#twnovel　静けさに目を開ければ一面の星空。ぬ、抜けにゃい。

春木のん🪄ふしぎなアンソロ @Haruki_Non

#twnovel 湿度クンと一緒にいるとすごく楽だった。「湿度クン、好き」「本当に？」「うん」「夏でも？」「う…」「君は夏になると乾燥クンと仲良くしてるよね…乾燥クンは風来坊みたいにやってくるから、いいけどさ…除湿クンは…僕と会いたくないからって君は…」「（もう加湿いいかな）」

萌葱［moegi］ @hmoegi

閉ざされたところが怖いだけ。君が居ると部屋が狭くなるから、人数減らして広くするしかないでしょう。お生憎。聴いているのは音楽だけ、命乞いも悲鳴も聞かないよ。狭くて出られなくて怖いんだからしょうがないだろ。#twnovel 汚れた手を丁寧に拭く。消毒したら、全てなかったことになった。

七歩 @naholograph

子猫は空箱を探していた。中に入ってどんな空かを確かめたい。尻尾フリフリ箱を探せば見つけた、いかにも怪しい箱から空の匂い。少し威嚇。それから近づき、爪をたてたら蓋がパカ。中は暗闇これじゃどんなか解らない。中に入る。だけどこれでは空ではないにゃ。子猫は外へ。中は暗闇 #twnovel

白「星屑の仲間たち」☆電子書籍化 @sirowakusei

#twnovel 仕事も順調に忙しくなってきたので私はサークルXを休会していた。T先輩から中の様子は訊いていた。ある日T先輩が「あなたSちゃんのうちに強引に泊り込んだんだって？」とか「会員に脅しをかけて本を買わせている」とか本当？と。全部嘘です。Sさんが私を貶めようとしている。

白「星屑の仲間たち」☆電子書籍化 @sirowakusei

#twnovel サークルXは定期的に会合を開いていたが、都内だったので行けなかった。その会合にSさんがいつも出ていて、ありもしない嘘をみんなに話していて、会の中での私の評判はすごく悪くなっていたそうだ。こればっかりはどうにもならない。私は隠していたが体が弱かった。

白「星屑の仲間たち」☆電子書籍化 @sirowakusei

#twnovel 自分の体が平均よりはるかに弱いというのは編集にも隠していた。病気もいくつか持っていたけどそれがわかれば仕事がもらえないと思ったからだ。担当に「都内の取材があるから来て」と言われると、すぐホテルをとって、取材した晩は泊まった。疲れて動けなくなるからだ。

粉粧楼bot @fenzhanglou_bot

輪廻などあり得ない、と告げる理性の奥でも確かに感じる、遺伝子の中に潜む追想の萌芽。おそらくは、彼の中に息づく彼自身さえ知ることのない悔恨だけを滋養として、棘を伸ばして成長する予感のするその芽の開花を見たいと願うのは許されないことなのだろうか。 #twnovel

白「星屑の仲間たち」☆電子書籍化 @sirowakusei

#twnovel 相変わらず発売日の無言電話は続いていた。出ると無言でこちらが切るまで切らない。かすかに水音のようなもの。これはいつもおんなじ。だれなんだろう。当てはまる人が多すぎてわからない。担当は「あなたに声を知られているからしゃべれないのよ」と言ったけど。ストーカーみたい

パイパン男子bot @paipanman69

「今の彼女、パイパンが好きじゃないらしいんです」喫茶『ルフラン』でブレンドを注文した後、俺はマスターにそう言った。「別れちゃえよ」「え…？」あっさりした言い方に面食らった。「女はいくらでもいる。でも、パイパンという生き方を選べるのはお前しかいないんだぜ」（完） #twnovel

銭喰 @zeniqui

#twnovel 差し込まれた新聞を抜き取ると、パタンと音がする。バネ仕掛けの蓋が閉まった音。時折パタンと鳴らない。別の何かが挟まっているとき。たいていは広告。或いは手紙。音で気づいて踵を返す。毎朝くるの新聞。ポストの口を見ながら慎重取り出すことはない。偶に。何も挟まっていない。

高山 環 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕（宝島社文庫）」より発売中 @Takuya11

#twnovel スマホの画面を見ている時、あなたはカメラに自分を晒している。あなたの顔の画像にはあなたが今いる場所とあなたが検索した全ての情報が紐づいている。もし、誰かがちょっとした悪意を持っていれば、あなたの全てのの情報は世界に晒される。そう、ちょっとした悪意があれば。

パイパン男子bot @paipanman69

【探偵1続き】「それはあなたがパンパンだったからですね？」「くっ…！」「さあズボンを脱いで、あなたの股間を皆に見せてください」「う……し、仕方がなかったんだ！！」「今泉君、彼に手錠を」「は、はい」「ちなみに、この陰毛は19歳の家庭教師優花さんのものでした」（完） #twnovel

miecha @miechorz

#twnovel その筐体は空前絶後の大ヒット作となった。パネルに触れる人の意識を電流に変え、筐体内部で疑似体験をさせるというものだ。独特なシステム、適度なバランス、そして回転率の良さから神ゲーと讃えられた――が、パネルから手がずれた人が全員意識を回復しなかったことで姿を消した。