濱岡 稔氏『ごちそうさん』第十七週感想呟き

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濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

竹元教授に「なんだろう、この気持ちは……私は今、この法則を〈胸キュン〉の法則――そう名づけたよ」と言わせくてたまらないぼくは、単なるメレブ好き。#ごちそうさん

2014-01-29 23:42:43
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

明るくにぎやかな壮行会。円周率のメモを手渡すふ久と源太のやりとり。透きとおるように響く希子ちゃんの歌声。源太が押し隠してきた本当の思い……見どころを詰めこんだ15分間を、一人すねた態度で台なしにしかける悠太郎さんの〝ちっちゃな男〟ぶりがゆるぎなかった。#ごちそうさん

2014-01-29 23:47:55
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

「代用品」発言で相変わらず男を下げまくる悠さん。それで思いつきがひらめいちゃうめ以子。このずれっぷりが、この人たちらしいといえば言える。いや、あんたら結婚何年目なんだよ、家族として一緒に刻んできた時間の重みみたいなものが、なんでこの夫婦にはないんだよ、とは思うけど。#ごちそうさん

2014-01-29 23:54:33
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

結局、め以子と悠太郎は、それぞれに大切な幼なじみがいて、でも、その人ではない人と出会って結ばれた。たがいが「自分は身代わりでは」という思いを引きずっている。基本的に鈍感だが(その不安ゆえに)たがいのことには神経過敏で嫉妬深い。つまりは、似た者夫婦なのだよね。#ごちそうさん

2014-01-29 23:55:27
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

「ごちそうさん」は、擬似家族が本当の家族になり、代用品夫婦が本当の夫婦になる話、と見ることができる。それは(一見矛盾するようだが)「自分たちは完全には分かりあえない他人なんだ」という事実を受けいれることでもある。でもそれは、一足飛びにできることじゃない。#ごちそうさん

2014-01-29 23:56:12
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

十年二十年という時間の中で「他人である自分たち」をゆるやかに受けいれながら、「それでもいいんだ」と互いに笑える絆を結ぶこと。その絆をなによりも愛おしく大切に思うこと。もっともらしく言えば、それが、本当の家族になるということで、本当の夫婦になるということなんだろう。#ごちそうさん

2014-01-29 23:57:21
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

つまり、め以子と悠太郎夫婦は、まだその域に達してないということ。あんたたちが今までいっしょに過ごしてきた時間はなんなんだよ、と言いたいところだけど、作者はまだまだこの夫婦を落ち着かせたくないらしい。よって、今後も二人のグダグダぶりを、生温かく見守っていくしかない。#ごちそうさん

2014-01-29 23:58:30
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

一方で、源ちゃんのいい奴ぶりが強調されるたびに、「事故や戦争で早世してしまう〝いい人〟」というお約束フラグがどんどん固められているようで切ない。それでも、め以子との最後のやりとりは「生きて帰ってきて」という生還フラグへの布石だったんだと思いたい。#ごちそうさん

2014-01-30 00:00:11
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

でも、戦地から帰ってきた源ちゃんが「今戻ったで、め以子。いちご、ごちそうさん」とか言ってにこやかに空の弁当箱を差し出したら、源ちゃん、まじヒーローになってまうなあ。いや、もうそれでええやん、と思ってしまう。#ごちそうさん

2014-01-30 00:01:37
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

できれば、源ちゃんの死を通して、め以子と悠太郎がようやくたがいの絆を確かめあう、みたいな、ありきたりな展開予想を見事に裏切ってほしい。その代わり、大陸に渡った悠太郎がモンゴルで馬賊になるとか、ロシア人将校になって帰ってくる展開くらいは、笑ってゆるすよ。#ごちそうさん

2014-01-30 00:02:46
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

「ごちそうさん」に対し、左寄りな人は「戦争を肯定してる」と言い、右寄りな人は「反日ステマ」と言うんだろうな。でも、め以子があらがってるのは、そんな風に時代が強要する息苦しさ、ていうか、時代の仮面をかぶった人間が振りかざす〝正義〟という名の不寛容なんじゃないのかな?#ごちそうさん

2014-01-31 23:31:07
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

いや、言いたいのは、そんなむずかしい話じゃない。そもそもめ以子には、戦争の可否を考える頭なんてないんです。彼女は、食べて食べさせて以外なんにもない、すっからかんな女であり、飴ちゃん一個で調教(というより餌づけ)されてしまう女なんですから。#ごちそうさん

2014-01-31 23:31:45
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

もし、め以子に〝正義〟があるなら、それは、おいしいものを作ってだれかに食べさせること、ただそれだけ。かわいいは正義、ならぬ、おいしいは正義。そのめ以子が、国防婦人会に押しつけられるまま、世にもまずい代用パン=誰にも愛されない、かわいそうな食べ物をつくってしまった。#ごちそうさん

2014-01-31 23:32:52
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

食べ物に支えられた自分の人生を、め以子は、自らの手で裏切り、全否定してしまった。そのとき、太陽は地に落ち、正義は死んだんです。裏切られた食べ物が発する怨嗟の声におびえるめ以子。それはまさに、魂のゲシュタルト崩壊、アイデンティティ・クライシスなわけですよ。#ごちそうさん

2014-01-31 23:33:51
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

巨大な肉の塊をかついだめ以子、もうまんま、はじめ人間ギャートルズです。石斧かついでゴゴンゴーンですよ。自己存在の危機が、野生の防衛本能が目覚めさせたんです。「食いもんだ!食いもん持ってこい!血が足りねえ!」ですよ。血の祝祭ですよ。もうだれも彼女を止められません。#ごちそうさん

2014-01-31 23:36:37
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

つまりめ以子は、ほとんど動物的な本能で「おいしいものを食べたり作ったりできないなんて、そんなのいやだ!」と言ってるだけなんです。NHK会長だってかないません。本能むき出しで「えさをよこせ!」とほえている動物に「それはまちがってる」と説いても、手をかまれるだけです。#ごちそうさん

2014-01-31 23:38:01
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

め以子さんは、もう一度自分を取り戻そうとしてるだけなんです。そのためには、儀式がいる。おいしいもの、食べたいものを、思いきり、何の遠慮もなく、料理して食べて食べさせるという儀式が。それは、め以子さんに新たな決意を呼び起こす儀式であるはずです。#ごちそうさん

2014-01-31 23:40:55
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

それは、どんなことがあろうと、もう二度と食べ物を裏切らないという決意。自分にとっての人生の場所である台所と食卓を、なにがなんでも守り抜く。たぶん、め以子にはわかっているはずです。それがこれから、自分にとっての戦争――長い長い戦いになっていくんだということが。#ごちそうさん

2014-01-31 23:42:16
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

実を言うと、昨日の「ごちそうさん」、朝も昼も観ることができず。なので、ぼくは今週のエピソードの結末を知りません(笑) しかたがないので、内容に関係なく好き勝手なことを書こうかと。#ごちそうさん

2014-02-02 01:05:17
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

戦時下でも、戦況が悪化して本当に生活が逼迫するまでは、庶民は案外のんびりしてたっていう話はよく聞きます。耳に入ってくるのは景気のいい話ばかりだし、はるかな大陸や遠い海の向こうでやってる戦争という感覚が、どこかにあったと思うんですね。#ごちそうさん

2014-02-02 01:05:34
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

「贅沢は素敵だ」っていう皮肉なもじりは戦前からあったというし、こういうギャグセンスは、現状を客観視してそれを笑い飛ばす冷静さというかバランス感覚が、太平洋戦争の序盤くらいまでは、国民の側にまだあったということを意味していると思います。#ごちそうさん

2014-02-02 01:05:55
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

一方では、今もそうですけど、プチ・ナショナリズム的なノリって気持ちいい。「一億火の玉!」と唱和して「おー!」と拳をつきあげる。国家総動員法にしても、公布されたのはまだイケイケのころですから、みんなけっこう軽いノリでその高揚感に酔ってたところがあったんではないかと。#ごちそうさん

2014-02-02 01:06:33
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

国防婦人会のおばちゃんの建前と本音の使い分けのちゃっかりぶりとか、ドラマは、その辺をうまく描いてたと思います。でも、その軽いノリが、だんだん軽くなくなっていく。ギャグがギャクでなくなっていく、というより、ギャグだと思っていた世界でがんじがらめになっていく。#ごちそうさん

2014-02-02 01:07:05
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

敵性用語の言い換えとか、ほとんどギャグなんだけど、いつのまにかそれが本気の魔女狩りみたいになっていく。ギャグだったはずの世界が、いつの間にか狂気を孕んでいく。その辺の感覚は以前、手塚治虫論の中にもぐだぐだ書きましたが…。#ごちそうさん http://t.co/kyiaKG1HEE

2014-02-02 01:07:57
濱岡稔@六月のイカロス @hamatch2

雑誌で、質素な日本の食事と豪華なアメリカの食事の絵を並べて、「こんなものを毎日食べているふぬけのアメリカ人に、日々粗食に耐えている質実剛健の日本人が負けるわけはない!」とか、「そんなわけあるかい!」と思うけど、でもみんながそういうのを本気で信じはじめちゃう。#ごちそうさん

2014-02-02 01:08:23