2014年2月1日

宇都宮泰氏による「電子音楽」(スコラ13巻記念)

おもに自分用にまとめましたが、誰でも編集可能です。
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22DBh スコラ13巻では、私を塩谷宏(NHK電子音楽スタジオ出身)門下と紹介しているので、氏がどのようにそのあたりの問題を学生に紐解いていたか、回顧してみよう。 私が入門したのは76年、、の時代背景、専攻名称”音楽工学”。同時に副専攻の形で”作曲”も。こちらは諸井誠先生。

2014-01-31 20:39:52
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

ちょうど70年万博、75年海洋博の直後で、それなりのブームで、専攻生やOBも動員されていたようだ。それまでの6.3mmテープに変わり、多チャンネルのマルチレコーダが普及し始めていたころ。 学生の私は当然マルチ録音に深い興味があり、電子音楽と録音の未来について、氏に食い下がる日々。

2014-01-31 20:46:51
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

ところが氏の方針では、モノあるいは2chのステレオ録音ですら、音楽(氏の立場では、当然電子音楽を含む)との関係性の未解明や、内在する問題(トラック幅:デジタルでのbit深度、が脆弱になる、装置として不安定など、、可変速技術も組み込みにくい・・)があり、制作経済性以外でそれを⇒

2014-01-31 20:52:42
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

上回る利点は無い。従って専攻内では口にすることも許されないといった状況でした。誰かがマルチ・・と言い出そうものなら、近くにいた者がその口を塞ぐほど。 熱心な学生がレスポールやマイク・オールドフィールドの作例を挙げ、プレゼンしようと・・。結局のところ氏の主張は、音楽を解体した状態⇒

2014-01-31 20:57:51
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

状態で、ばらばらに録音することの意義は、経済性以外には見出せないというもの。 本来は必要パートの演奏人員を用い、必要なだけのリハーサルを重ね、録音に臨むステップが省略されることの知見が確立されていないし、たしかに70年代後半時点ではマルチの利点を見出せる作品は存在しなかった。

2014-01-31 23:01:00
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

私が知る限り、70年までに電子音楽分野で存在したMTRはDENON特注の1/2インチ幅テープ、6trの装置が2台あるのみ(しかも全体がピンク色)で、これは70年万博⇒九州芸工大⇒北村先生とともに大芸大現存。

2014-01-31 23:09:09
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

現在において、MTRの各トラックの時間軸が物理同期していることは当たり前のことだが(実は詳細に調べてみると、DAWにおいて、多くの製品で、絶対的な同期保証があるわけではなく、結構ずれることが観測できる・・)、本来のトラックとは時間軸についても「合わせることができるかもしれない」⇒

2014-01-31 23:12:25
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

程度、の独立性を持ったものを指し、1本のテープを幅方向に仕切ったトラックは、氏によれば音楽上はトラックではなくチャンネルだというのである! 音楽としては、その同期性は操作(指揮者)によってもたらされるものであり、勝手に物理的に固定されたものではない、というのだ。

2014-01-31 23:16:50
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

実際、旧NHK電子音楽スタジオでは、MTRは使用されることは無く(AMPEX AG440(1/2幅 4trは使用されていた)、おびただしい数のステレオ・テープ再生機が並べられ、指揮者(あるいはノーテーションに従い)の指示に従い「演奏」されることで実現されたものだ。

2014-01-31 23:21:13
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

MTRはもともと映画産業の産物で、台詞、効果音、MEを映像に同期させるためのものだが、そもそも音楽における同期の本質は、それとは異なるという主張。 この主張は食わず嫌いで生まれたものではなく、当時のNHK、MTRくらいは当然所有し、おそらくは試用し、比較を行った結果なのだろう。

2014-01-31 23:24:24
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

実際に、現在のシステムをもって、当時の制作を追跡してみても、決して同じ音楽性や厚みが出るわけではない。氏は正しかったわけだ。

2014-01-31 23:26:06
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

話は戻り、MTR禁止令はそのような試行錯誤に裏打ちされた指導であり、その理解ができない以上、結局は経済性とそこからくる「音楽」としての脆弱化の道をたどることになるという配慮があったのだろう。

2014-01-31 23:30:40
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

血気盛んな私は、当然のことながらそれに従うわけではなく、当時の庶民的な4Trマシンを複数同期するという運用方法を模索身につけ、作曲⇒制作⇒コンクール応募、の日々を送り、ズルといわれながら、課題制作などもこなしていた。 当然、編集は氏の教える手切りではなく、パンチイン/アウトだ。

2014-01-31 23:37:50
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

最初から16trとか24trだったら気付かなかったかもしれないが、4tr機の同期は「人間シンクロナイザー」によって成立するが、ある作品(微分音階)を手がけるときに、くしくも氏の教えを裏付けるような結果に遭遇することになる。編集に於いても、鍛え上げたパンチイン/アウトよりも⇒

2014-01-31 23:44:34
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

手切りに軍配の上がる事態が。 内心、正直、旧世代の言い伝えくらいに思っていたこれらのノウハウは、このように私の中で再発見され、猛勉強しなおさなければならなくなった・・氏の思う壺だったか・・。これは分かりやすい1例だが、だから、私の中には両方が共存している。

2014-01-31 23:50:11
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

つまり、それぞれのトラックが物理的に同期している便利さと拘束、テープ速度(現在のデジタルオーディオにおけるサンプリング周波数)が固定されているという安定と拘束。 そのことが発想や問題解決の貧困(あるいは行き詰まり)の原因になっている現実。これらのパラメータは時間と空間の制御に⇒

2014-01-31 23:56:43
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

直結し、その拘束を受け入れるならやがては行き詰ること。 実際、いま手詰まりだろう!

2014-02-01 00:00:17
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

シュトックハウゼンもシェフェールもそんなことは一言も言ってないのだが、現場の模索や教訓(反省)はこんなところにも見え隠れしている。 ただその模索や教訓は体系化、著されることなく、80年以降はMTRへ移行してしまう。その間に失われたものが莫大にある(同時に得られたものも多いが)訳。

2014-02-01 00:11:07
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

まあ、音数が増え、精密度が上がっても、それがどれほどムーサに貢献できるかは、そのこと自体は無関係だったりする。音数や精密度が無意味に向上しても音楽としては支持が集められるわけではなく、おそらく衰退が待っているのだろう。電子音楽はたしかに先進的で、その方向性を受け継いだ

2014-02-01 00:18:33
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

ポップスなどが追走している。 逆に言えば、一度衰退を味わった先進的な電子音楽が、背伸びし見過ごした先人の模索や発見を再評価し、再び魅力あるものになれば、それがモデルとなり他の音楽分野にも波及し活性化するのかもしれないが、そのためには論理体系を見直さなければならない。必須だ。

2014-02-01 00:23:14
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

さて、私はそのことに気付いたのは学生も5年目、氏の用意したレールや構想は、見事にちゃぶ台返し状態。そのまま破門に。

2014-02-01 00:29:37
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22DCh こんなツイットしようと思ったのは、、ちょうど大学は卒業検定や口述試験シーズン。私の勤務先でも。 ぜんぜんやってこない学生、ルール無視、警告無視で暴走するやつ、芸術系では、多様であることは健全なのだが、それだけのリスクを負う以上、それに見合うものを提出しなさい。

2014-02-01 00:35:11
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22DDh 何だかフォロワーさんも増加しているようだが、自分のSNS、サイトではあまりじぶんの音楽について語っていない。本質的には、言葉を重ねるよりも「聴けよ」ってことなのだが、くしくもスコラのおかげで、電子音楽面からの関心があるうちに、いくつかのキーワード解説をしておきます。

2014-02-01 02:12:27
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22DEh 書籍版スコラで取り上げられている「トクサノカンダカラ」は、過去何百年かにわたり西洋音楽の中で信じられていた、メロディーが音楽に果たす役割の固有性を「考え直した方がいいかも」という問題提起の作。論証性を持った、論文に近い存在だが、無二の作品としての美を兼ね備える作。

2014-02-01 02:17:51

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