宇都宮泰氏による「電子音楽」(スコラ13巻記念)

おもに自分用にまとめましたが、誰でも編集可能です。
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22DFh 文章で書くとあっけないが、そもそも音楽にそのような論法は過去に例が無い。また、それが聴こえる人とそうでない人を識別し、存在としての価値そのものが前例の無い、残酷な2000年作品。限定数しか製造されなかった、公称100年の寿命を持つCD-Rに収まった作品。

2014-02-01 02:23:29
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22E0h 入手の問い合わせは現在でも多いが、正式にコピーを許可しているので、何とか所有している人を探し、コピーを作成してもらってください(作成規定があります)。また、わたしが存命している間は、私は劣化コピーや経年劣化を修復する権利が設定されています。

2014-02-01 02:26:12
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22E1h 権利発動を要請いただければ、いつでも・・。 いずれプレス盤で出したいですが、そちらには修復権は設定されません。

2014-02-01 02:36:09
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22E2h 次ぎ 所詮はスピーカーが鳴っているに過ぎないではないか・・。確かに。 私は中学生のころ70年万博を訪れ、早熟にも「何が空間だ、スピーカーが鳴ってるだけじゃん・・おかしい・・」と感じ、その後現在に至るまで、重大な解決すべき問題と位置づけている。

2014-02-01 02:40:36
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22E3h 問題解決は、最初から論理先行ではなかった。AfterDinnerのライブ・サウンド・システムは、非常にユニークなものだったが、毎回オリジナルのサラウンドPAシステムの持ち込みと詳細な記録資料の作成を行っていたが、その中に偶然想定を超える好結果だったことがあり⇒

2014-02-01 02:44:37
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22E4h 考察とシミュレーションの結果、ある条件を満たすと特別な聴覚空間(音響空間ではなく)が出現することに気付いた。つまり、スピーカーが鳴っているのではなく(聴き位置に関わらず空間に定位でき、しかもその定位がスピーカー位置に固定されない・・)、理論的には有り得ないものだった。

2014-02-01 02:49:10
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22E5h その当時手がけていた「高貴寺ザ・ライブ」会場を実験と検証の場として、解析と効率的な実行方法の模索を6年間行った。結果、聴覚空間、定位に重要な要素(波面エントロピ)の確定に至り、体系化と専用のハードを構築。 このライブシリーズ終了後にも何箇所かで採用している。

2014-02-01 02:54:33
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22E6h 例えば2009年11月3日の京都でのシンポジウムなど。 このシステムの興味深い点は、単に定位やスピーカ位置に音像が固定されないだけではなく、聴覚の生理的な諸元にも大きな変化をもたらせるもので、スピーカー再生固有の歪感(大音圧においても)や解像度が飛躍的に高まる・・

2014-02-01 03:00:53
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22E7h という予期しないものだった。文章で連ねてもウソくさいが、体験してみなければわからないものと思う。最初は自分でも信じられなかった。 このシステムには大きな問題点がある。あまりに自然な(スピーカの存在を感じさせない)空間であるため、観客は逆に意識することができずに⇒

2014-02-01 03:05:15
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22E8h そのシステムの存在が印象にも残らないこと。 それがあまりに歯がゆかったので、実験であることを事前にアナウンスしたイベントを開き、最初から波面制御システム(システム名称・・多スピーカーを用いた波面合成とは異なる)を用い、微弱な音の楽器のPAとして開始。

2014-02-01 03:09:02
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22E9h 曲の中盤で、システムを全てOFF(つまり地の音のみ)にするという演出(?)を行ったところ、観客の多くはそのとたん耳を押さえた。音が小さくなったのに、それまで快適に空間から音情報を抽出できていたものが突然切れたときに、観客は爆音が押し寄せてきたときと同じ反応を示した。

2014-02-01 03:13:07
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22EAh つまり音源に対して脳が直結できていた可能性が示唆されるが、その方法論は、音の良い(???)スピーカーを、信号波形どうりに振動させていることの延長では説明ができない。 この例も、スピーカーという物理産物の立ち位置ではなく、聴き手の聴覚から紐解く方法論といえるが、⇒

2014-02-01 03:17:14
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22EBh 旧来の伝統から言えば「反則」なのかもしれない。 しかしクセナキスに聴かせる事ができれば、大喜び間違いなしだろう。

2014-02-01 03:18:41
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22ECh 電子音楽において提示された問題のひとつは、完全とは言えないまでも、具体的な改善が進行したことになる。 問題は、その解決された現実が目の前に提示されても、効果が証明されても認めない者が多いことだ。

2014-02-01 03:22:57
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22EDh 最大の問題は、アカデミズムを背負っている人は、論破されたならそれを素直に認めるべきで、かたくなに旧来の価値観にしがみついていることが衰退の本質かもしれない。

2014-02-01 03:27:56
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22EEh 疲れてきたので、最後に「JON & Utsunomia」というCDについて。 このアルバムを制作するのに、制作以前(録音後にも)に莫大な研究が必要だった。 それは電子音楽に限らず、録音された音楽は(三輪氏によれば録楽)、何度でも同じ音を再生することができる・・という

2014-02-01 03:31:24
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22EFh 命題から逃れられないという宿命。 何が問題かといえば、そもそも音楽理論は100年以上前に完成され、多少の変遷はあるものの、録音(同じ音を繰り返し聴く)ということをサポートしていない点。つまり一度きり聴かれるものについてサポートしていること。 また、録音された音楽は⇒

2014-02-01 03:34:56
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22F0h 何度でも同じものが聴こえるのか、という疑問。 つまり、如何にミスの少ない演奏を正確に記録(録音)しようと、最初の1回聴くときにだけ正しい聴き取りが起こり、2度目からは・・・否。

2014-02-01 03:38:04
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22F1h 音楽は無意味な繰り返しを嫌う原則があるが、このアルバムでは音楽以前に聴覚がどの順番で音を聴いていくか(視覚に関しては研究が進んでいる)という調査と実験をもとに、聴くたびに異なるものが聴こえるように(多くは音楽の構成要素)、故意に階層化し詰め込まれている。

2014-02-01 03:41:09
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22F2h スコラ13巻でも触れられているが、リバーブそのものは空間を表す情報だが、それがどのように聴き手の中で利用されているのか、よくわからずに使用しつづけている。 つまり、リバーブは音をぼやかして曖昧にするものなのか、逆にリバーブをもとに聴覚は空間認識など高度処理ができるのか

2014-02-01 03:44:19
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22F3h 一般には不明なまま、未定義名まま、音楽理論に組み込まれないまま、今日に至っているが、このアルバム(波面制御も)では、リバーブ要素を聴覚拡張に利用しているという仮設を元に、録音と編集タイミングを制御(その部分は創作性)、通常得られるよりもより高度な空間深度を組み込む

2014-02-01 03:48:27
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22F4h 成功している(自己評価)。つまり独自の工夫により、ソースと聴取者の間により深い情報結合ができ、結果繰り返し聞いても、あるいは録音したものでありながら、聴取者の意志により、聴き位置すら変えることができる、、というもの。 録音物には不可能とされた要素だ。

2014-02-01 03:51:24
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22F5h この作品の提示によって、リバーブや空間の音楽との関係性について、一定の意味づけができることが証明された(効果を認めるなら)ことになる。

2014-02-01 03:53:49
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22F6h 様々な問題が提起が電子音楽分野からもなされているが(その一部がスコラ13巻に紹介)、私が知る限りあまりまじめに取り組んだような形跡が観られない。 私は作品数は少ないが、多くはこのような提起された問題と正面から向き合い、解決の雛形を作ろうとしていますが、それがスタイル。

2014-02-01 03:57:33
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

22F7h じぶんが辿った道や資料と作品は残しますが、それを何とかするのは研究者の仕事。私の仕事ではないというスタンス。 ご理解下さい。

2014-02-01 03:59:12