アニメ監督・田中基樹（天衝）氏のシートのつけ方

天衝 @tensho_tw

あまりにシートののつけ方を理解できてない人が多いので、少し自分のやり方をつぶやいてみます。一気にいきます。議論、返信は致しかねますのでご了承下さい。

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個人的には、シートのタイミングを決める際は中割り枚数で決めるのではなく、キーとなるポイントの（原画）箇所を決めて、その長さをストップウォッチで計り、間を中割りで埋めていくのが一番いいと思ってます。 『キーポイントの尺の中割り』で多くのタイミングは決定できます。

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アクションシーンなどの原画枚数が多い原画は、一つ一つの原画を「ここは２コマ中３枚で・・」などという感覚的な方法で中割りを詰めていくと、全体を繋げてみた時にとてつもなくスローモーなヌルイ動きが出来上がる。

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業界的にうまいとされる中堅アニメーターの多くも、実はこのパターンの場合がかなり多く、本人の知らないところで動きを直されている事もかなり多いです。

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例えば座った状態から立ち上がる原画は、複数枚の原画が通常かかります。この場合も、スタートの原画とラストの原画をキーポイントとしてトータルの尺をまず測り、間を原画や中割りで埋めていきます。 この作業はある程度感覚でＯＫです。

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ただ感覚的にシートを打つやり方でも、アニメならではの面白い動きになる事も多々あるので一概にＮＧな手法というわけではないです。 リアルにやるなら『キーポイントの尺の中割り』。アニメならではの動きをつけるなら『感覚』。ただ、ヌルい動きにならないよう注意をするといいです。

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『キーポイントの尺の中割り』の方法は、台詞シートをつける際にも応用できます。

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例えばブレス（間）込みの二つの文の台詞があった場合、二つの文の頭の部分（２つのキーポイント）で尺を測ってみる。 初めの台詞の出だしから、次の台詞の出だしまで２秒だったとして、まずは初めの台詞を埋めます。おそらく、必然的に『ブレス（間）』が出来ていると思います。

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台詞の余韻やブレスをストップウォッチで測るのは難しく、ヌルいテンポになりがちです。ブレスは『引き算』で出すと簡単です。このやり方で、長文も応用できます。

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台詞は３コマ１台詞を基本としてそこから短くしたり、長くしたり応用を利かせたりもしますが、一番重要なのは『役』になりきってイメージする事です。役によって尺も大分変わってきます。 役が決まってない、分からない場合は自分なりにでもＯＫです。

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他に、シートのテンポをつけるときは『ＳＥ（効果音）』をイメージしてつけてみたりもします。この場合も、『キーポイント』が重要になってきます。剣戟、爆発・・いろいろと応用できます。

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他注意点としては、そのカットだけでなく最低前後カットの流れも意識して欲しい事と、コンテにある『尺』の意図を汲んで欲しいという事でしょうか。 ４秒あるカットで、初めの２秒分位で素材が終わってしまったり、逆に６秒かかってしまったりした場合、なにかがおかしいと思って欲しいです。

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それでは、この辺で・・。