【私的メモ】大戦期赤軍の平頭徹甲弾と尖頭徹甲弾

私的メモ 平頭徹甲弾のほうが傾斜装甲に食いつき易い、と思っていたんだけども……?
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

またちょっと大戦期ソ連の徹甲弾の流れがわかってきたような、そうでもないような

2014-02-02 14:00:39
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

なんでこんな訳のわかんない形なの?と近年ごく一部で話題のソ連76mm野砲用徹甲弾BR-350Aですが http://t.co/4AcIPhvY5J 少なくとも頭部が平らである由来は海軍砲にあるようです(まあ少なくとも、42年7月の赤軍文章ではそのように紹介されている)

2014-02-02 14:09:46
SUDO @sudo_simoigusa

@FHSWman 海軍艦砲は対甲板には最大でも50~60度の落角、普通だと10~20度という浅い角度で入りますんで、避弾経始が洒落にならないんですよね

2014-02-02 14:13:36
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

BR-350の平頭形状の根拠は、浸炭鋼板を効率よく圧貫できるという点にあるようです。砲弾の直径よりある程度厚さの小さな装甲に対しては平頭弾は効果が大きいらしいのですが、それを超えると急激に効果が下がってしまうんだとか

2014-02-02 14:15:30
SUDO @sudo_simoigusa

@FHSWman 日本海軍でも同様の結果になってるみたいです。浅い角度でも食いつきがよく、均質圧延装甲には強いけど、ある程度厚い浸炭装甲には弱いと

2014-02-02 14:18:59
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

して、独ソ戦が蓋のあけてみると、ドイツ戦車の装甲は浸炭鋼板なく、焼き入れされているにせよ均質圧延装甲であったわけです。これはBR-350他のような平頭徹甲弾にはよく耐えるんだそうで

2014-02-02 14:19:02
SUDO @sudo_simoigusa

@FHSWman 日米海軍の試験では平頭の20.3センチ91式徹甲弾は均質圧延装甲には高効率、浸炭には逆に凄く成績が悪い(同時にテストしたドイツ弾と均質・浸炭で綺麗に優劣が逆転)単に頭が平たいか以外の要素(硬さとか材質)もありそうですね

2014-02-02 14:24:33
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そして件の文章は意外な記述に続きまして。平頭徹甲弾が傾斜装甲に当たった際に跳弾し易いのに対し、ソ連以外の国が用いていた尖頭徹甲弾は装甲に突っ掛りやすく、跳弾しづらいのだと……これホントかしら。今まで、平頭のほうが尖頭よりも傾斜装甲に対して食いつき易いものだと思っていたんですが

2014-02-02 14:25:19
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@sudo_simoigusa mmm... 逆転してしまうとは。材質か何か、あるいは今回のソ連のお話は45~76mm級の世界なので、海軍砲の世界とは何かが違う(例えば硬化層厚さとか?)のかも知れませんね

2014-02-02 14:30:13
SUDO @sudo_simoigusa

@FHSWman 戦車と艦砲じゃ想定する着弾速度とかも違うでしょうしね。色々と優劣がひっくり返るのは面白いです

2014-02-02 14:32:51
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

赤軍も時期不明(少なくとも42年7月以前)には尖頭徹甲弾の試験をしていたらしく。45mm対戦車砲での40mm厚装甲に対する各命中角における貫徹限界の距離は…… 平頭弾では0度で420m、30度で200m 尖頭弾では0度で515m、30度で480m 確かに斜撃での差が顕著です

2014-02-02 14:43:45
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そして文章はさらに不穏な方向に続き…… 「2つの理由から、我が国の徹甲弾については心配する必要がない。第一に我々の45mm砲・76mm砲は極めて強力である。第二にドイツ戦車の装甲は薄く低品質である。この2つの理由により平頭徹甲弾の欠点はある程度覆い隠される」

2014-02-02 14:52:55
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

「しかしドイツ戦車の装甲厚は増大し続けていおり(前面の部分的増加装甲)、重戦車(4号)と中戦車(3号)の重量も増加している。これには尖頭徹甲弾によって対抗できる。(中略)対戦車砲向けの尖頭徹甲弾の迅速な生産開始が必須であると考えられる」 4号が重戦車扱いなのは原文ママ

2014-02-02 15:00:27
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

つまるとこ赤軍としては、敵戦車の装甲強化に対抗するためには尖頭徹甲弾が必要であるとの認識は42年6月末(7月じゃありませんでした)には既に存在したようです。……もっとも76mmの尖頭徹甲弾に関しては結局その後何か月も放置されて、虎に出くわした後でやっと大慌てで生産に入るんですが

2014-02-02 15:03:54
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

しかして尖頭徹甲弾と平頭徹甲弾の関係は興味深いです。IS-3の対弾試験では自身の122mm砲が車体前面を存外簡単に抜いてしまうのに、より貫通力が高いはずの王虎の8.8cm砲ではほぼ抜けなかった例がありますが、ひょっとすると前者の尖頭徹甲弾が意外に傾斜に強かったという事なのかも?

2014-02-02 15:15:38
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

独軍の徹甲弾は物が良かったなんて風な話はたまに聞かないでもないけども、どうも最近はその意見にちょっと疑いを持つようになってきてる。や、私の目に赤軍バイアス(何だそりゃ)が入ってきてるかも知れませんが

2014-02-02 15:18:27
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

先の文書に対して返答がありまして 「(前略)尖頭徹甲弾は高品質鋼を用いた場合のみ性能を発揮する。現在、高品質鋼への切り替え、要求される高度を得るための特別な熱処理、研磨や溶接を大量に生産される弾頭に対して行うのは困難である(後略)」 こういうわけで尖頭徹甲弾への切り替えは遅れたと

2014-02-02 15:35:34
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

別の試験では、尖頭徹甲弾が平頭徹甲弾よりも傾斜装甲に弱い(30~45度での射撃では最初の命中点から30~40mm滑った上で食い込み始める)という結果もあるようで。尖頭と平頭のどちらが傾斜に強いかというのは、やっぱり材質次第で逆転し得るみたいですね

2014-02-02 15:42:14
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

あれかな。高品質鋼製の尖頭徹甲弾なら傾斜装甲に当たった場合でも尖端が食い込んで取っ掛かりになってくれるけども、品質の低い鋼で出来てる場合は取っ掛かりになるはずの尖端部が削り取れちゃったりなんかして、食い込まずに滑ったりするのかも知れません(完全に想像な)

2014-02-02 15:46:28
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

hmmm... 独軍徹甲弾については赤軍もかなり評価してるみたい。性能はともかく材質と加工については手放しで高評価な

2014-02-02 15:53:43
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ただその、大戦期ソ連徹甲弾についてはおロシアの中の人でも何や一言ある人が多いらしく。この話をあんまり掘っていくと、日本戦車界隈の徹甲弾話(やれ割れるだ割れない何だのいつものアレ)を1000倍にしたような魔境に突入してしまいます。あんまり深入りするのは恐ろしいのでやめておきましょ

2014-02-02 15:58:57