長谷川三千子のテロ礼賛と大東亞戦争観vs.山田風太郎『戦中派不戦日記』

野村秋介もアルカイダも礼賛するといふ意味では一貫してゐるっちゃ、しておられます。
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もうれつ先生 @discusao

長谷川三千子の大東亜戦争理解④:続き)そして、それを可能にしていたのは、何であれ「民主主義(デモクラシー)」でなかったことは確かであった。>from『民主主義とは何なのか』 http://t.co/p09DYMyAcc

2013-12-29 17:35:59

このへん前後をもう少し引用すると、

およそどんな人間でも、このような思い切った危険な賭に踏み出すときには、自ずと無口になり、その行動も静かになるものである。その意味では、大東亜戦争開戦の日の日本人は、とりたてて格別なありようを見せたわけでもない。ただ「人間」としてごく尋常の振舞いをしたというだけのことである。~当時の日本において、人間ひとりひとりが「大衆」ではなく「人間」として尋常に振舞っていたということ自体が、稀有のことと思われてくるのである。およそヒステリーやパニックといった精神の病理とは無縁の、淡々とした合理的な頑張りの態度というものは、あの昭和20年8月15日の整然とした戦闘終結に至るまで、日本国民全般の態度であった。そして、それを可能にしていたのは、何であれ「民主主義(デモクラシー)」でなかったことは確かであった。

Mstn @ ドコモロ座の座長 @SatoshiMasutani

そうか、政権は民主主義を否定しようとしているのか。@discusao @pririn_

2013-12-29 21:31:34
もうれつ先生 @discusao

安倍晋三さんはともあれ、長谷川三千子さんは民主主義と人権、それと敗戦に乗じてその二つの考えを日本に押し付けた米国を否定的にみてますね。たぶん安倍ちゃんはそこまで考えてないQT @SatoshiMasutani そうか、政権は民主主義を否定しようとしているのか。@pririn_

2013-12-29 21:40:20

山田風太郎『戦中派不戦日記』昭和20年8月18日「大洋製作のおやじ、悲憤す」から引用

<当時の日本において、人間ひとりひとりが「大衆」ではなく「人間」として尋常に振舞っていた>という長谷川さんの記述との対比

呆れけえってものもいえねえ。まったくそんなふざけた話はねえ。おら阿南さんが可哀そうでなんねえや。こりゃてっきり重臣連中が国い売ったにきまってらい。一方で特攻隊を出しながら一方で敵に色目をつかっていたとあ何てむげえ、恥っさらしな真似をしやがるんだろう。あの野郎どもたたっ殺しちまえ。
降参したら、急にいくじなく敵の強えことをぬけぬけと宣伝しやがる。醜態ったらねえ。
しかしシャクだなあ、何が神州不滅でえ。負けて何が不滅でえ。勝利か、民族滅亡か。なんて生意気なことぬかしやがって、今度は民族滅亡の怖れがあるから降参する、なんて、何が何だかさっぱりわかりゃしねえ。こちとら人間が簡単だからな。こんなにあっさり負けていいのなら、今まで食うも食わずに我慢して来やしねえや。ええ、畜生、シャクに障る。
特攻隊は何のために死んだんだ。ただ降参するって手はねえ。最後の一人まで戦って、日本が滅んだらそれでいいじゃあねえか。それでこそ勝ったということにならねえか。花々しく全滅したら気持ちがいいじゃあねえか。でえてえ、小せえ奴が大きい野郎と喧嘩するんだ。命をかけてねえで何が出来る?苦しみが足りねえよ。(中略)
あのとき天皇陛下は、なぜ、最後の一人まで戦えっておっしゃらなかったのかなあ。もってえねえ話だが、おら泣くにゃ泣いたが、やっぱりもう一戦やりたかったなあ。
親を殺され子を殺され、家を焼かれて、へっ、いまさら毛唐にもみ手をして、へいへいばったの真似ができるもんけえ。(中略)
ええ、畜生、ヤケだ。こうなったらへいへいしたっていいや。戦争にゃ負けたんだから、もうこうなったら奴らに頭を下げて、それでおらなりの敵を討ってやる。あいつらからふんだくってやる、畜生、いくらでもいい気になりやがれ。こっちは顔じゃあ笑って、腹の中であざ笑ってやる。あいつらあ、まあ或る意味でお坊ちゃんだからな。シャクに障るが、しかたがねえ。
これでね、支那もヘンなことになっちゃって、勝った方の仲間に入ったようなあんばいにゃなったが、これから何年かたってみろ、日本の方がアメリカから可愛がられるにきまってる。支那人ってのあ、汚くって、ずるくって、ネチネチして、どのみちあんまり可愛いたちじゃねえからなあ。それからみると日本人はまだ可愛いところがあるってえわけだ。そらおれみてえに、へっ、へっ、何、なかなか油断はなりゃしねえんだが。――
おら、こうなったらハマにでもいって洗濯屋にでもなろうかと思う。工場やってるときに職人の菜っ葉服が汚れるもんだから、洗濯の機械を買っておいたんだが――世の中って可笑しなもんだなあ、何がどうなるか分からねえもんだ。あれを使って、やつらのでっけえ服でも洗って、せいぜいふんだくってやらなきゃ気がすまねえ。なに、今すぐやりゃしねえ。今そんなことをしたら、日本人の気の短けえ奴にたたっ殺されちまわあ。
――女がこまるって?ミサオを汚されるってのか?そりゃそうだなあ。(中略)うんにゃ、こまりゃしねえ。今の日本の淫売どもといったら、何百万いるか知れやしねえ。全日本にみちみちてるっていってもいい。(中略)けんどおぼこは勿論いけねえ。アメリカ兵のおもちゃにさせるのは勿体ねえ。芸者、女郎、女給なんてえのは、工場に動員されたっててんで駄目だったが、こっちなら本職だ。日本の女あその道にかけちゃ、ちょっと世界に類がねえほどうめえっていうぜ。(中略)
日本の処女の防波堤?国体の護持?御冗談でしょう。あいつら国体もシャケの頭もあるもんか。またそれでいいんだ。うれしがって、毛唐の鼻毛を数えてりゃあ、それが御国のためになるっていうもんだ。
なに、産科の医者になって、混血児はみなおろしちまうつもりだって?そんなことより、どうだね、バイドクでも植えつけちゃあ?そんなことは出来ねえかね。毛唐どもをみんなバイドク野郎にしちまやあ、負けて勝ったというもんだ。男で負けて、日本は女で勝つというもんだ。