ゴーストライターは報われているのか?

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Osamu @orpheonesque

ゴーストライターに近いようなことをやった自分の経験を思い出していて、編集プロダクション(大手版元から委託されてほとんどパッケージのように作る)に勤めていた時代の10年余の仕事そのものが、実はある意味、大掛かりなゴーストだったことにはたと気づく。

2014-02-11 13:00:55
Osamu @orpheonesque

辞書をメインにしていたが、物によっては偉い先生が部分的に最後にちょこちょこと赤を入れるだけで、監修者になる。こちらは編集協力として会社の名前が小さく出て個人名は出ない。(もちろん監修者が立派に仕事しているケースもある)

2014-02-11 13:02:27
Osamu @orpheonesque

実際に一から原稿を起こし数度の改訂までぎりぎりにつめ全力投球で書いた「自分のもの」と言える項目が3割を越して、同僚の書いた分を含めて隅から隅までチェックのために見切った辞書もあって、それなりに愛着はあるけど、書籍自体はやはり過去に置き去りした物体にしか見えない。

2014-02-11 13:03:19
Osamu @orpheonesque

音楽や書籍だけでなく映像にしたっていろんな企画にしたって、大手の他の人たちのものとして世に出されるためにこつこつと仕事をしている人たちが日本じゅうにたくさんいるんだろうなと思う。その悔しと一種のあきらめは、細部までの技を極める無名の職人的誇りで慰謝されるんだよね、だいたい。

2014-02-11 13:09:10
Osamu @orpheonesque

30年たった今でも辞書のそれぞれの項目を見るときに(もちろん全部ではないが)、書いてあることだけでなく、そのときのデスクの上の夜食や、オフィスで聞いていたBGMが思いだされたり、用例の文の一つの語がこの単語ではなくあの単語ではないことについて同僚と交した激論とともに筋道が浮かぶ。

2014-02-11 13:37:25
Osamu @orpheonesque

そういう自分と、監修者(もう故人)として表紙に大きく名前があって印税貰えたけど中身を知らんという人とどちらが、結局幸せなのか。ん…やりがいの搾取みたいな話になるからやめとこ。(やっぱり¥はもっとほしかった)。でもクレジットによって「裏方」がもっと尊重される文化になってよいよね。

2014-02-11 13:39:17