2014年2月11日

ヲヅデルセン童話「しかインベスとせいぼのおちち」

イイハナシダナー
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*** @Im_dead_wd

『しかインベスとせいぼのおちち』 むかしむかしというほどでもない昭和のおわり、あるところにしかインベスがおりました。しかインベスにはお母さんがいません。だからいつもこう思っていました。「いちどでいいから、お母さんのおちちというものをのんでみたいなあ」

2014-02-11 08:48:56
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しかインベスのおちちへのきもちは、日がたつにつれますますふくらんでいきます。「どうしてぼくにはお母さんがいないんだろう」「きっとぼくにおちちをくれる聖母(せいぼ)がどこかにいるはずだ」「よし、ぼくの聖母をさがしにいこう」こうしてしかインベスはたびに出ることにしました。

2014-02-11 08:51:14
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しかインベスは生まれそだったいえをあとにして、山をこえ、川をこえ、また山をこえました。そうしてしかインベスはいつのまにか、ふかいもりの中にまよいこんでしまいました。「どうしよう、ここには聖母がいないよ」 それにさむいし、くらいし、おなかもすいてたまりません。

2014-02-11 09:02:24
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しかインベスはなきました。「うおーん! うおーん!」と大きなこえで、たくさんなきました。すると、どこからともなくこえがきこえます。なんだかしかインベスをよんでいるようです。しかインベスがこえがするほうへいってみると、そこにはとてもうつくしい人間(にんげん)がいました。

2014-02-11 09:05:44
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「この人がぼくをよんでいたんだ」「この人こそぼくの聖母にまちがいない」としかインベスはおもいました。おもいこみがはげしいのです。聖母はしかインベスをみると、「おまえはだれだ」とたずねました。「ぼくはしかインベスです」としかインベスはなのりました。

2014-02-11 09:08:15
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「あなたがぼくの聖母ですね」 しかインベスがそういうと、聖母はふしぎそうな顔をして、こたえませんでした。聖母にはしかインベスのいっていることがわからないのかもしれません。だから、しかインベスはできるだけかんたんなことばをつかうことにしました。「ちちくれ!」

2014-02-11 09:10:06
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しかインベスが聖母へちかづきながらそういうと、聖母は「それが人にものをたのむたいどか」といいました。聖母はしつけにとてもきびしいようです。それでこそ聖母だ、としかインベスはおもいました。それから、聖母はことばがわかるようなので、うれしくなりました。

2014-02-11 09:12:00
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そこでしかインベスは、へいしんていとう(どげざのことです)をして、いっしょうけんめいおねがいしました。「わが聖母よ、ごしょうですからぼくにあなたさまのおちちをください、あなたさまのおちちをいただけたら、ぼくはもうしんでもかまわないのです」

2014-02-11 09:14:01
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聖母はしかインベスのおねがいをだまってききおえると、「ざんねんながらおちちはあげられない、自分はおまえの聖母ではないから」とこたえました。しかインベスはかなしみでいっぱいになり、「うそだ! ぼくはしんじないぞ! 聖母よ! わが聖母よ!」とさけびました。

2014-02-11 09:16:45
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「うおーん! うおーん! しんじないぞ! うおーん! うおーん!」 しかインベスはたくさんたくさんなきました。それから、たくさんたくさんじめんにあたまをぶつけたので、つのがおれてたくさんたくさん血(ち)が出ました。それでもしかインベスはなきつづけました。

2014-02-11 09:18:20
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しかインベスがなきつかれてじめんにうずくまっていると、聖母はしかインベスのそばにひざをつきました。さっきよりもすこしやさしいこえで、「おちちはあげられないが、かわりにすこしやすんでいくといい」といって、しかインベスのあたまをそのとうといふとももにのせてくれました。

2014-02-11 09:20:51
*** @Im_dead_wd

聖母がしかインベスのおれたつのをやさしくなでると、ふしぎなことに血がとまりました。それにもういたくありません。「やっぱりあなたさまはぼくの聖母です、おちちはいただけなくても、いまぼくはとてもしあわせなきもちです」としかインベスはいいました。

2014-02-11 09:22:35
*** @Im_dead_wd

「だけどぼくは、やっぱりおちちもほしいのです。あなたさまからいただけないのなら、べつの聖母をさがさなければいけません。」 しかインベスがそういうと、聖母は「すきなところへいけばいい、いつかおまえの本当の聖母が見つかるだろう」といのりのことばをくれました。

2014-02-11 09:26:14
*** @Im_dead_wd

しかインベスは、聖母のあたたかいふとももからあたまをあげると、ちいさなこえで「うおーん、うおーん」となきました。聖母のふとももからはなれるのは、とてもつらいことです。それでもしかインベスがおきあがると、聖母は「おまえはつよいな」とあたまをなでてくれました。

2014-02-11 09:28:17
*** @Im_dead_wd

こうしてしかインベスは、おちちをくれる聖母をもとめ、あらたなたびに出ることにしました。森をぬけ、川をわたって、しかインベスのたびはまだまだつづきます。 おしまい

2014-02-11 09:29:26

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