ニューヨーカー誌のアマゾン記事Cheap Words

2014年2月17日付けのニューヨーカーでGeorge Packer氏によるCHEAP WORDS: Amazon is good for customers. But is it good for books?の記事の要点をかいつまんでお届け。記事リンク: http://www.newyorker.com/reporting/2014/02/17/140217fa_fact_packer
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大原ケイ @Lingualina

「(『果てなき野望』の著者)ブラッド・ストーンが言ったように、アマゾンはEverything Storeではなくてeverythingそのもの、野心の対象が次々変わるだけ」 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 16:30:58
大原ケイ @Lingualina

95年にブック・エキスポでベゾスに出会ったインディペンデント系書店の女性の印象:とんでもないペテン師がいたわ。たぶん本にとってよろしくないことになる。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 16:35:24
大原ケイ @Lingualina

アマゾンの秘密主義は徹底していて、シアトルの従業員数も、今まで売ったキンドルの数も発表しない。とある出版関係者は年間750億ドルとされるアマゾンの総売上のうち、本は7%に満たないと見る。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 16:37:54
大原ケイ @Lingualina

最初はもちろん出版社も、低い返本率でたくさん本を売ってくれるアマゾンを歓迎した。ディスカウントも既にB&Nがやっていたことだし、気にならなかった。でもベゾスにとって本は顧客データを集める手段にしか過ぎなかった。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 16:43:57
大原ケイ @Lingualina

90年代はアマゾンにも書評を書いたりトップページをデザインする出版業界のベテランを何人も雇っていたが、そのうちデータ重視のMBA卒やエンジニアに取って代わられた。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 16:48:36
大原ケイ @Lingualina

アマゾンが最初に出版業に着手したのは1999年暮れ、Weathervaneというインプリントだったが、元出版業界出身の人には知らされず、今やネット検索でも出てこないくらい全く売れずに消えていった。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 16:50:58
大原ケイ @Lingualina

2000年のドットバブル終焉の年に“編集者”たちは解雇され、全てがデータによるオートマ化、本は値上げしない代わり、出版社に対して圧力がかけられ、卸値からcoopと呼ばれる宣伝費、搬入代などの条件が厳しくなった。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 16:58:39
大原ケイ @Lingualina

アマゾンの条件を飲まないと、検索結果が低くなったり、「買う」ボタンを外されたりした。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 17:02:09
大原ケイ @Lingualina

ベゾスはアップルがiPodとiTunesで音楽配信業界を制覇したのを見て、Eブックでは負けられないとキンドルを開発、ベストセラーを9.99ドルで売ることを出版社側に一切言わず、早くデータをよこせとせき立てた。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 17:04:02
大原ケイ @Lingualina

キンドル発表の翌年リーマン・ショックがあり、書店も出版社も大打撃を受け、多くが職を失った。2010年頃にはキンドルのEブックシェアは90%近かった。だからこそ、出版社はアップルがiPadとエージェンシーモデルの話を持ちかけてきたときに飛びついた。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 17:06:56
大原ケイ @Lingualina

アップルとビッグ5出版社とのエージェンシー契約を知ったアマゾンは司法省に訴えた。その頃のアマゾンはEブック市場寡占状態で9.99ドルでEブックをダンピングしていたにも等しかったが、デニース・コート判事は「読者にとって安い」ことが重要とする判決を下した。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:23:31
大原ケイ @Lingualina

「お客の利便性を最重要とする」アマゾンは州税を迂回するように流通倉庫を作ったり、プライムサービスで無料配送、あまつには客が注文する前に発送するサービスなど、留まることを知らないようだ。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:27:49
大原ケイ @Lingualina

オンラインショッピングでは、駐車場がない、欲しいものが売り切れている、レジに並ぶ、店員の態度が悪いなどの心配がなく、その便利さの裏で倉庫では従業員が薄給で過酷な労働条件で働いている。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:29:45
大原ケイ @Lingualina

アマゾンには労組が一切なく、そのうち倉庫のピッキングがオートマ化、配送はドローンで、という日も遠くない。司法長官のエリック・ホルダーはアマゾンの理事だし、流通倉庫にオバマが訪問したりして、アマゾンは米政府も味方に付けてしまった。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:34:28
大原ケイ @Lingualina

東海岸の出版社ではいつも「旧き良き時代が〜」と言われ、西海岸では「技術革新で未来は明るい」というカルチャー。キンドル担当のグランディネッティは出版社の人間を小馬鹿にしているのを隠さない。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:37:44
大原ケイ @Lingualina

今やアマゾン出版はEブックではそこそこの存在。自己出版プログラムも充実してヒットも出しているが、セルフパブリシングで出している著者の半数は、印税収入が年間500ドルに満たない。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:39:29
大原ケイ @Lingualina

玉石混交の原稿から本にするにふさわしい作品を選ぶ出版社のgatekeeper的役割は、アマゾンでは民主的ではないとし、disintermediation(中抜き)が読者のためだと言う。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:43:02
大原ケイ @Lingualina

カーシュバウムを迎えて、アマゾン出版でベストセラーを出そうとの試みも、紙の本を書店で扱ってもらえなかったこと、出す作品に高額のアドバンスは払うが、全体の方向性に欠けるなど、ベゾスの思惑通りにいかなかった。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:44:40
大原ケイ @Lingualina

元社員の話でも、アマゾンの書籍部門に「本好き」はいない印象。マクミランのサージェントは「本に関わる人の“熱意”からヒットが生まれるんであって、アルゴリズムや統計じゃダメだって話でしょ」と。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:46:56
大原ケイ @Lingualina

アマゾンは文化事業に寄付したり、地元コミュニティーに好かれる努力を一切しなかったことをSlate誌にかかれ、ベゾスの命令で方向転換するも、翻訳文学賞に賞金を出した途端、その年の受賞社に拒否されるエピソードも。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:50:25
大原ケイ @Lingualina

それにもめげず、アマゾンはストリーミングするTVシリーズを作ったり、ベゾスがワシントン・ポスト紙を買ったりと、コンテンツ確保に忙しい。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:54:40
大原ケイ @Lingualina

アマゾンと出版社はジャイアンとスネ夫みたいな関係。裏では陰口言いながら、本の3割はアマゾン経由で読者に届く。インディペンデント系書店は10%に満たないし、これからも潰れるところは潰れるだろう。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:56:30
大原ケイ @Lingualina

アメリカ人の読書離れもあるし、これからはスマホやタブレットでの消費向けに、もっと安く、早く供給されることを求められ、本の質は落ちていくだろう。デジタル化で特にミッドリストと呼ばれる中堅作家が苦しい。地味だけど実力のある著者が食えなくなる。 #NYerのアマゾン記事

2014-02-12 23:59:17
大原ケイ @Lingualina

経済全体と同じく、富裕層のギャップが大きくなる。一部のヒットメーカーと、その他大勢のセルフパブリシングの二極化。書評家や物知りの書店員や企画編集者がいなくなった世界で、アマゾンが売る本の中身の善し悪しを気にするだろうか?(終) #NYerのアマゾン記事

2014-02-13 00:04:57