ろいったー百物語

#ろいったー百物語 rowitter企画内のログ カウントの仕方により話数がずれるのはご愛敬としてご容赦を。 まとめ者の独断と偏見によりタグなしのものも最後のほうにまとめています。 続きを読む
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--- 5話目 -

カンシュ(ラクシュ) @rw3_kansch

むかし、あるところにプリーストがおりました。支援として仲間からも信頼されているプリーストは、ただ一つ苦手な狩場がありました。その昔、アコライトの追い込み時代にPTが壊滅したダンジョン…GD3Fは足がすくむほど恐ろしく、誘われても謝っては避けていました。 #ろいったー百物語

2014-02-13 03:53:39
カンシュ(ラクシュ) @rw3_kansch

普段とやることは変わらないのにどうしてこんなに恐ろしいのだろう、何とか克服できないものかと、ある日プリーストは単身GD3Fを目指しました。2Fまでを軽々とこなし、3Fの入り口前で深呼吸をしたプリーストは突然思い出します。なぜ、自分がこれほどに恐れているのかを。 #ろいったー百物語

2014-02-13 03:54:56
カンシュ(ラクシュ) @rw3_kansch

壊滅した気まずさからか、あの日のパーティーメンバーとは疎遠になってしまいましたが、ひとりひとりの顔は思い出せます。命からがら地上に戻ったあの日、メンバーが一人足りませんでした。プリーストが先にポタに入ってしまったため、仲間がひとり取り残されてしまったのです…。 #ろいったー百物語

2014-02-13 03:55:24
カンシュ(ラクシュ) @rw3_kansch

供養を、とプリーストは勇気を振り絞り3Fに入ります。テレポを繰り返し友人の亡骸を探すプリーストの前に人影が立ちはだかりました。あの日と変わらぬ姿の仲間。そう、金色の髪の剣士です。同時にプリーストは思い出しました。金色の髪に赤い瞳の剣士には気をつけろという噂を。 #ろいったー百物語

2014-02-13 03:55:52
カンシュ(ラクシュ) @rw3_kansch

GD3Fの、とても強く美しい敵。ドッペルゲンガーは、かつてのプリーストの仲間のなれのはてでした。怒りと恨みをこめた瞳で斬りかかってくる彼をよけられず、プリーストは瞬く間に地面に叩きつけられました。セーブ地点に戻ると、プリーストは急いで、再び3Fに向かいました。 #ろいったー百物語

2014-02-13 03:56:29
カンシュ(ラクシュ) @rw3_kansch

再度3Fにたどり着くと、ドッペルゲンガーはまだそこにいました。斬りかかろうとする彼にプリーストはポタをだし「ごめんね、迎えに来た」と語りかけました。するとドッペルゲンガーは静かにポタに入ったそうです。以来、GDでドッペルゲンガーを見たものは誰一人いない、とか。 #ろいったー百物語

2014-02-13 03:56:51

--- 6話目 -

クロッカス @Crocus_rowit3

霧や靄が濃い日に他所の家へ訪問するのは控えた方がいい。アルデバランでは、そういう日には運河から得たいのしれないものがやって来る、という言い伝えがあるからだ。迷信深い家や運河に面した家は厳重に戸締まりをし、来訪者があれば殊更警戒する。 #ろいったー百物語

2014-02-13 19:12:01
クロッカス @Crocus_rowit3

親しい友人であっても門前払いされることがある。そんな嫌な思いはしたくないだろう? 逆にあなたがアルデバランに滞在するなら、霧や靄の日の来訪者には気をつけるべきだ。たとえ知人を名乗ったとしてもノックを一回しかしていないのならば、ドアの向こうに居るのは別の何かだ。 #ろいったー百物語

2014-02-13 19:14:29
クロッカス @Crocus_rowit3

絶対に扉を開けるな。 この街の迷信を知っている人間なら、先に自分の名前を名乗りそれから大きく二回扉を打つ。 運河からやってくる何かは己の名前を持たず、なぜか二という概念がないのだという。#ろいったー百物語

2014-02-13 19:22:12
クロッカス @Crocus_rowit3

では、もし三回扉が叩かれたら? ……死よりも冷たく辛い地獄か、輝ける栄光か、そのどちらが向こう側に控えているらしい。迎え入れるかどうかはあなた次第だ。ただし、俺は迎え入れた、という人の話はひとつも聞いたことがない。 #ろいったー百物語

2014-02-13 19:27:59
クロッカス @Crocus_rowit3

@kikyou_rwt @Schle_rowit3 @famina12 @I_R_U_ro 楽しんで貰えたようで何より。運河沿いで育った子どもなら一度は聞かされる話なんだ。「視界が悪いと運河に落ちやすいからそれを戒めるため」とも言われるが、実際のところ発祥はよくわからないらしい。

2014-02-13 19:58:52
クロッカス @Crocus_rowit3

以前話した霧や靄の日にやってくる得体のしれないものの話。視界が悪い日は運河に落ちやすいので外出を控えさせるために作られた、というのが通説になっている。実際とある研究によれば、この話が記録上に残されるのは運河が作られた後からだという。 #ろいったー百物語

2014-02-18 00:38:06
クロッカス @Crocus_rowit3

また、運河はあれど整備が不十分で転落事故が多かった時期に急激にこの話が広がったこともわかっている。その一方で詳しく調べるうちに新たな発見があった。名を待たず二の概念がない化け物や扉を三回叩く存在についての記録は、運河ができるずっとずっと前の時代からあったんだ。 #ろいったー百物語

2014-02-18 00:39:24
クロッカス @Crocus_rowit3

件数が少ない上にごくごく私的な記録だったので長い間見落とされていたらしい。さて、いったいこれはどういうことなのだろうか。化け物たちは作り事ではないのか。そして、そいつらがやってくるのは、はたして本当に霧や靄の日だけなのだろうか? #ろいったー百物語

2014-02-18 00:45:22

--- 7話目 -

桔梗 @kikyou_rwt

私が母から聞いた、母が子供の頃の話です。アマツ問屋街の一番奥に町一番の大きなお屋敷がありました。その二階の窓からいつも外を見ている幼い男の子がいたそうです。#ろいったー百物語

2014-02-14 06:47:58
桔梗 @kikyou_rwt

町のいたずら好きの子供たちは、屋敷の広いお庭にこっそり忍び込んでは、鬼ごっこや隠れんぼをしていつも遊んでいました。そして二階のその子に気付き目が合うと、彼はニコッと人懐こそうに笑って、すぐに部屋の中に消えたそうです。#ろいったー百物語

2014-02-14 06:48:43
桔梗 @kikyou_rwt

ある日子供たちが思い切って「一緒に遊ぼう」と声をかけました。でもやはり返事はなく、笑顔を残して部屋に戻ってしまいます。子供たちもめげません。何度も何度も声をかけて、みんなが諦めそうになったその日、ついに声が返って来ました。#ろいったー百物語

2014-02-14 06:49:31
桔梗 @kikyou_rwt

「ぼく、明日引っ越すんだ」そんな、ようやく友だちになれそうなのに。みんなが落胆しました。でも彼は明るく続けます。「また会えるよ」そしてすぐに部屋の中に見えなくなりました。#ろいったー百物語

2014-02-14 06:50:25
桔梗 @kikyou_rwt

次の日、昨日まであった大きなお屋敷は突然姿を消していました。影も形も見当たりません。土埃が舞う中に、使いかけの帳簿の切れ端が散らばっていました。あとで聞いた話では、そのお屋敷に住む店の若旦那と奥方が借金を抱えて夜逃げしたそうです。二人に子供はいませんでした。#ろいったー百物語

2014-02-14 06:51:08

--- 8話目 -

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