- Latina_tan
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今日のお題目は、「熊」です。くまさん。…「くまさん」なんてかわいらしく呼べるようになったのは、いったいいつからなんでしょうね?
2014-02-14 02:15:07マジメに答えると多分セオドア・ルーズヴェルトの一件あたりが契機なんでしょうけれど、それはさておきー―熊です。まずはラテン語から参りましょうか。オスは「ursus」、メスは語尾を女性形に変えて「ursa」と申します。
2014-02-14 02:16:18ursa 「メスの熊」は -ula という語尾を加え ursula「小さなメス熊」という単語もできまして、ケルト系の人々の間では人名に使われていたりします。「聖ウルスラ」なんていう聖人さまがいらしたりします…あ、『魔女の宅急便』の終盤に出てくる絵描きのお姉さんもウルスラさんです。
2014-02-14 02:18:11ラテン語、ギリシア語、ケルト系の諸言語にはこの ursus と語源を同じくする単語がありますし、フランス語やイタリア語も、ours とか orso のようにまっすぐ継承しています。さあ、では更に欧州全域に範囲を広げて見ていきましょう――と、いきたいところですが、…ないんです。
2014-02-14 02:23:12ゲルマン(英・オランダ・ドイツ・北欧)、スラヴ(ロシア東欧)については、この単語は通常の「クマ」としては 一 切 継 承 さ れ て い な い 、のです。
2014-02-14 02:24:21――話は少しばかり脇道にそれますが、私、あの黒いカサカサした虫、大の苦手でして…。ああ、仰らないでください、名前を画面上で見るだけでちょっとゾワっとするんです。名前を呼ぶと現れるような気がして…。
2014-02-14 02:25:55…と、こんなふうに、「うわさをすれば影」といった考えは洋の東西を問わないもののようで、「名前を呼んではいけないあの獣」のことを表現するのに、ストレートではない名前が使われました。「忌み名」みたいなものですね。
2014-02-14 02:27:07ゲルマン語派では「茶色いアレ」。 英語では最終的に brown となってしまう単語ですが、bear や Bär といった形で「クマ」を意味し、また北欧では björn というお名前になりますね。人名にも盛んに使われます。
2014-02-14 02:29:41一方でスラヴ語派の方々は、[ハチミツを食らうモノ」と呼びました。 medv- 「蜂蜜」 jed' 「食べ物」ですね。 各地でさまざまな意味の変化や音変化を経てまして、一番原形に近いメドヴェドやらメドヴェチから、語頭が n- に変化したポーランド語までさまざまです。
2014-02-14 02:34:18なお、チェコ語では medvěd メドヴィエト ですが、チェコのサッカー戦士で「ネドヴェド」選手がいますね。どうして姓だけポーランドっぽいのか、それはちょっと分かりません。お父様の出身地がドイツ国境付近ですので、その絡みなのかもしれませんが…。
2014-02-14 02:38:22…ああ、そうだ、極地のことを arctic って言いますよね? ギリシア語の arktos が「おおぐま座」「こぐま座」を意味しまして、北極星はこぐま座に含まれていますので…そういうネーミングです。「北極の」と言いつつ、その実は「クマの…」って言ってるんですね。
2014-02-14 02:42:30なお、クマが実際にはちみつを好むかどうかについては、調べると色々出てきますね…実験をやってみた方とか、養蜂場が襲われて大変だとか。
2014-02-14 02:43:32「ネコは魚が好き」というイメージは日本だけのものらしいですね。考えてみれば「トムとジェリー」でトムが魚に特段がっついているイメージ、ないです。単に昔の日本人が肉食をしないので、動物性食品が魚しかなく、ネコはそれを好んでいたというだけのようです。
2014-02-14 02:44:39