解脱と夢精

「悟りを得た覚者も夢精するのか?」という問いをめぐる対話をまとめました。
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森岡正博 Masahiro Morioka @Sukuitohananika

「陰茎勃起のきっかけは一つの表象であるから、これは動機である。・・・すなわち誰もこれに抵抗することはできないのであって、勃起が作用しないようにするためにはそのきっかけを遠ざけてしまわなければならない。」ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』第二巻

2014-02-09 21:23:44
kakuyu @southmtmonk

過去には「阿羅漢果(上座部仏教の悟り)を得た者も夢精するのか」という議論もあったんですよね。

2014-02-12 21:33:05
kakuyu @southmtmonk

大天の五事 "後に一夜染心を起こして夢に不浄を失して衣を汚し弟子に洗わせた。弟子曰く、阿羅漢は一切の煩悩を尽す、猶斯事ありや。大天曰く、天魔の誘惑せらる所阿羅漢も不浄の漏失を免れること能わずと" http://t.co/mTUWucT6dx

2014-02-12 21:34:54
森岡正博 Masahiro Morioka @Sukuitohananika

.@southmtmonk 結局この論議はどう決着したのでしょう? 遠藤周作の『侍』に、寝るときに両腕を自分で縛って寝るキリスト教修道士が出てきますね。夢精の問題は修行系の宗教にとっては大きな問題だと思います。

2014-02-12 22:17:34
kakuyu @southmtmonk

@Sukuitohananika 大天の意見がサンガをゆるがし、彼の異説に従う者たちは結局袂をわかち、別のグループ(大衆部)を形成したというストーリーが語られています。(サンガの根本分裂の理由を大天の異説に求める説)

2014-02-12 22:36:53
kakuyu @southmtmonk

@Sukuitohananika 夢精の問題は仏教の修行者にとっても常にリアルな問題だったようです。夢の中で女性と交わった時に不邪淫戒を犯したことになるのかどうか、という議論もありますね。この場合、朝起きた時に夢精していなければセーフ、下着が汚れていればアウト判定になるようです。

2014-02-12 22:39:23
森岡正博 Masahiro Morioka @Sukuitohananika

@southmtmonk なるほど、そうなんですね。根本分裂以前は理論的には夢精はOKだったのでしょうかね。たとえば涅槃を得たブッダは夢精しなかったのでしょうか。

2014-02-12 22:44:01
森岡正博 Masahiro Morioka @Sukuitohananika

そういえば昔読んだ仏教学術書に、原始仏教教団の女性修行者がどうしても自分はオナニーしてしまうという悩み相談を師にしたときに、指のここまではよろしいがそこからはダメとかアドバイスしたとかの話がありました。(うろ覚えなので知ってる方は訂正してくだだい)。@southmtmonk

2014-02-12 22:52:03
kakuyu @southmtmonk

@Sukuitohananika しなかったのではないでしょうか。三蔵に依る長老たちはこぞって大天に反対したそうですから。

2014-02-12 22:54:54
kakuyu @southmtmonk

.@Sukuitohananika 大乗仏教の如来さんであります、アシュク如来さんの誓願には「夢精しない」「誰にも夢精させない」というのがあるそうです。阿弥陀如来さんの崇高な誓願も素晴らしいですけれども、アシュク如来さんの誓願には修行者のリアルがあるような気がします。

2014-02-12 23:00:56
森岡正博 Masahiro Morioka @Sukuitohananika

この夢精の請願はすごい!@southmtmonk 大乗仏教の如来さんであります、アシュク如来さんの誓願には「夢精しない」「誰にも夢精させない」というのがあるそうです。阿弥陀如来さんの崇高な誓願も素晴らしいですけれども、アシュク如来さんの誓願には修行者のリアルがあるような気がします

2014-02-13 11:20:42
森岡正博 Masahiro Morioka @Sukuitohananika

ブッダは夢精しなかったというのは後の人々の願望としては理解できるけど、30代で健康なら夢精くらいしたのではと思うがなあ。涅槃に至っていれば夢精しても問題ないのでは。いずれにせよ、後の密教的展開とは正反対ですね。@southmtmonk

2014-02-13 11:25:29
kakuyu @southmtmonk

@Sukuitohananika 密教の場合でも、仮に女性と交わっても決して射精はしない、というのが行の要所になるそうですから、夢精が避けるべきことになる点は変わらないかもしれません。射精しないことが神秘的な力の源泉になる、と考えられているようです。

2014-02-13 11:34:12
佐藤哲朗(nāgita) @naagita

”後の人々の願望”ではなくて、煩悩の滅尽という解脱の定義からしてあり得ないです。あり得るんじゃないか、という発想こそが実は”後の人々の願望”なんですけど。(^^; @Sukuitohananika @southmtmonk

2014-02-13 11:30:00
佐藤哲朗(nāgita) @naagita

まぁ、仏教史そのものが、ブッダをめぐる「後の人々の願望」史だったりする側面はあるわけだけど。

2014-02-13 11:31:46
佐藤哲朗(nāgita) @naagita

これからの仏教研究は、現代人がブッダないし仏教に抱いている”後の人々の願望”を批判的に検証して相対化するところから始めた方がいいと思います。橋爪大三郎とか大川隆法とかの言説はよい「標本」ですね。@Sukuitohananika @southmtmonk

2014-02-13 11:39:42
森岡正博 Masahiro Morioka @Sukuitohananika

夢精はしたくてするのではありません。ブッダも病を逃れられなかったように、夢精を逃れられなくても煩悩の滅尽には反しないのでは。 夢精したいと思ったら煩悩ですが。@naagita ”後の人々の願望”ではなくて、煩悩の滅尽という解脱の定義からしてあり得ないです@southmtmonk

2014-02-13 16:44:42
佐藤哲朗(nāgita) @naagita

夢精にはエッチな妄想が伴うんじゃないでしょうか? だとしたら覚者にはそういう妄想が起きないので、しないと思いますが……。@Sukuitohananika @southmtmonk

2014-02-13 16:53:05
佐藤哲朗(nāgita) @naagita

まぁ、そういう人は”後の人々の願望"を汲み取ってできた大乗仏教で頑張ればよいのではないでしょうか?^_^; @katsutoshi0720 @Sukuitohananika @southmtmonk

2014-02-13 16:56:14
森岡正博 Masahiro Morioka @Sukuitohananika

夢の中のエッチな妄想も断滅しないと解脱とは言えないという考えがあるのですね。私はそれについては、起きるにまかせ去るにまかせ射精にまかせるのでも解脱には反しないと思いますが。ブッダの教え・経典にエッチな夢の断滅は明示されていますか?@naagita @southmtmonk

2014-02-13 17:17:05
佐藤哲朗(nāgita) @naagita

パーリ律蔵と増支部経典に明示されています。@Sukuitohananika @southmtmonk

2014-02-13 17:32:22
佐藤哲朗(nāgita) @naagita

中世のパーリ仏典和訳からの孫引きで恐縮ですが、次のようにあります。「アーナンダよ、失念し、心が乱れたままで眠りにおちいる者は、夢の間に不浄を漏らす。アーナンダよ、念を保ち、心を正しく保っている比丘はが眠れば、@Sukuitohananika @southmtmonk

2014-02-13 17:34:45
佐藤哲朗(nāgita) @naagita

彼らは不浄を漏らさない。アーナンダよ、欲に対して離貪した凡夫も不浄を漏らさない。アーナンダよ、阿羅漢が不浄を漏らすと言うことは道理ではなく、あるはずもないことである。」(増支部経典 A.i.261.7-12)@Sukuitohananika @southmtmonk

2014-02-13 17:37:19
佐藤哲朗(nāgita) @naagita

浪花宣明『サーラサンガハの研究』平楽寺書店 第9章 眠りの説明 157p に引用された増支部経典の記述です。ほぼ同趣旨の内容が律蔵(戒律テキスト)にも出ています。@Sukuitohananika @southmtmonk

2014-02-13 17:39:56
森岡正博 Masahiro Morioka @Sukuitohananika

中世ということは、だいぶん後の時代になるのでしょうか?@naagita

2014-02-13 19:05:52