森瀬繚さんによる「中つ国におけるヨーロッパの神話・伝説の影響(あるいはステマ)」

まとめました。 画像が多めですが、特に意図はありませんのでお気になさらず、文章をお楽しみください(ぉ とはいえ、初版の売れ行きが重版や続編に影響を与えるようになってきているようですので、興味のある方は予約されるとみんなが幸せになれると思います。 続きを読む
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森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

文献学者が本業のJ・R・R・トールキンは、中つ国という世界を創造するにあたり、ヨーロッパでよく知られていた古典文学や神話・伝説から様々な要素を取り込んでいます。

2014-02-16 10:25:04
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

『いちばん詳しい「北欧神話」がわかる事典』にも書きましたが、例えば古エッダの「巫女の予言」に出ているドヴェルクの名前には、トーリン・オーケンシールドの一行に含まれる数名のみならず、ガンダルフの元ネタすら含まれます。 http://t.co/5kCatI5ePy

2014-02-16 10:26:13
いちばん詳しい「北欧神話」がわかる事典

オーディン、フェンリルからカレワラまで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

私見ですが、トーリン(Thorin)には北欧神話の雷神トール(Thor)も反映されているように思います。同様に、映画『ホビット』第2章に登場するビヨルンもまた、トールキンの研究対象だった『ベオウルフ』との関連を睨んでおります。 http://t.co/5kCatI5ePy

2014-02-16 10:29:28
いちばん詳しい「北欧神話」がわかる事典

オーディン、フェンリルからカレワラまで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

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熊人ビヨルン Beornの名が、北欧のBjorunではなく古英語のそれであり、名前にこだわったトールキンがベオウルフ Beowulf との類似性を意識していないわけではなかろうという。http://t.co/5kCatI5ePy

2014-02-16 10:32:20
いちばん詳しい「北欧神話」がわかる事典

オーディン、フェンリルからカレワラまで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

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(ところで、叙事詩『ベオウルフ』が古英語文学であることに引っ張られて古代イギリスの英雄だと思ってる人がたまにいますけれど、あの物語の舞台はデンマークです)

2014-02-16 10:34:14
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

参考までに付け加えれば、北欧のベルセルク(狂戦士)は古ノルド語で「熊 ber の毛で作った上着 serkrを着た者」を意味し、彼らはまた「皮を取り替える」(映画『ホビット』にも出てくる言葉)、すなわち獣に変身すると言われました。 http://t.co/5kCatI5ePy

2014-02-16 10:35:12
いちばん詳しい「北欧神話」がわかる事典

オーディン、フェンリルからカレワラまで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

ビヨルンという人名も古ノルド語の「熊 björn」に由来します。古英語のBeornには戦士の意味があるらしく--という具合に、中つ国はトールキンの創造物ではありますが、ヨーロッパの神話伝説があれこれ反映されているのですよ、という話。 http://t.co/5kCatI5ePy

2014-02-16 10:37:34
いちばん詳しい「北欧神話」がわかる事典

オーディン、フェンリルからカレワラまで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

でもって、中つ国が実は太古の地球だという点に考慮すると、むしろ各地の神話伝承に、部分的に太古の記憶が反映されているということになり、実に--エッ、僕はトールキンの話をしているだけですよ。ステマとか、心外だなあ。ʅ(‾,,,◝)ʃ http://t.co/YpCEcFhLm9

2014-02-16 10:40:29
いちばん詳しい「ケルト神話」がわかる事典

ダーナの神々、妖精からアーサー王伝説まで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

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まあ、中つ国の冥王モルゴス(=黒き敵)が、キリスト教的なサタン(=敵対者)の反映というのは否定しようもありませんでしょう。知らない人のために説明しますと、映画『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』の時代の冥王サウロンの親分です。 http://t.co/AK2UrDDlUb

2014-02-16 10:50:34
いちばん詳しい「堕天使」がわかる事典

サタン、ルキフェルからソロモン七二柱まで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

モルゴスの前身であるヴァラール、メルコールが創造神エル(=イルーヴァタール)の宮廷に反逆する経緯はそのまんまサタンの追放劇です。「ヨハネの黙示録」によれば、天の三分の一(天使のこと)がサタンに従ったといいますが--http://t.co/n76hBaLvdN

2014-02-16 10:55:18
いちばん詳しい「堕天使」がわかる事典

サタン、ルキフェルからソロモン七二柱まで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

--同様にメルコールに従った精霊(マイア)たちもおりまして、その筆頭が後のサウロンであり、他のものたちの中でも有力な者たちがバルログ(複数)です。ちなみに、サウロンに従う幽鬼(ナズグル)は懐柔された人間の王。ちょいスケールダウン。 http://t.co/n76hBaLvdN

2014-02-16 10:56:19
いちばん詳しい「堕天使」がわかる事典

サタン、ルキフェルからソロモン七二柱まで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

さて、キリスト教圏で伝統的にサタンの前身とされるルキフェルが神に反逆して堕天する経緯というのは聖書には出てきませんが、トールキンのイギリスでは中近世に教会で演じられた神秘劇に「ルキフェルの堕天」という演目があり-- http://t.co/n76hBaLvdN

2014-02-16 10:58:52
いちばん詳しい「堕天使」がわかる事典

サタン、ルキフェルからソロモン七二柱まで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

--天地の創造の最中、ルキフェルと彼に従う天使たちが神の軍勢に敗北し、地獄に追放されるまでが描かれました。そうした中のひとつ、チェスター劇にはルキフェルの腹心とも言うべき堕天使が登場します。こちらを参照。(ダイレクトマーケティング!) http://t.co/n76hBaLvdN

2014-02-16 11:00:50
いちばん詳しい「堕天使」がわかる事典

サタン、ルキフェルからソロモン七二柱まで 北欧神話・ケルト神話相関図付き (「いちばん詳しい事典」シリーズ)

森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

「森瀬必死だな」「そりゃ必死だよ。第一波売れないとシリーズ続かないんだよ」--というわけで、2月20日頃には店頭に並ぶ予定であります。是非に是非に。いちばん詳しい「●●」がわかる事典』シリーズ

2014-02-16 11:02:47