【分かりにくい】「小説」と「物語」の違い【分類】

読書する黒子さんが、「小説」である条件について「物語」との差異を中心にして解説をしました。
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読書する黒子さん @kuroko_1011

【アンケート】「小説」と「物語」の違いはなんだと思いますか?(例。難しいかどうか、読みやすい文体かどうか、など) 研究などではなくただの興味なので、お気軽にリプライいただければ嬉しいです。

2014-02-19 13:14:40
読書する黒子さん @kuroko_1011

予想以上に回答が興味深い)夜に体力があったら、学術的な小説の定義について説明しますかね。

2014-02-19 13:45:27
読書する黒子さん @kuroko_1011

ちょっと面白そうだなと思ったので。「小説と物語の違い」と「プロットとストーリーの違い」とについて話しましょうか。今日はどちらがいいですか?

2014-02-19 21:19:04
読書する黒子さん @kuroko_1011

「小説と物語の違い」のリクエストが多かったので、そちらで……せっかくアンケートに答えていただいたので、そちらをまとめてから。

2014-02-19 21:40:36
読書する黒子さん @kuroko_1011

さて、では「小説と物語の違い」について。あ、あとでまとめ作ります。多分。質問は後でお風呂に入りながらまとめて答えますのでお気軽にどうぞ。では最初に3つの注意事項を説明します。これは「説明の大前提」となりますので、よくお読みください。 #読黒

2014-02-19 21:52:49
読書する黒子さん @kuroko_1011

注意事項1。ここで説明する「小説」とは、あくまで日本語の「小説」のことであり、英語でいうところの「novel」の説明とは違います。これは日本と外国の価値観の違いなどによる微妙な翻訳などのニュアンスの違いです。そこはおいおい説明しますが、区別をお願いいたします。 #読黒

2014-02-19 21:54:46
読書する黒子さん @kuroko_1011

注意事項2。ここで説明する「小説」と「物語」はあくまでも辞書的な意味合いでの説明です。また、分かりやすく説明するために、噛み砕いて説明するため省くところ、また僕の属する学派の学説・見解が多く含まれます。ご注意ください。 #読黒

2014-02-19 21:56:52
読書する黒子さん @kuroko_1011

注意事項3。学者のいうところの定義なんてぶっちゃけどーでもいーことです。作者が小説だって思えば、いえば、読んだ人がそうだって思えば、それだけで「それである」というだけの十分な確信です。この説明で不安になったりせず、まぁ軽いノリで、へぇボタンを押すノリでどうぞ。 #読黒

2014-02-19 21:58:46
読書する黒子さん @kuroko_1011

さて、では最初に「文学に興味がある」であろう僕のフォロワーさんに本日とったアンケート『「小説」と「物語」の違いはなんだと思いますか?』の結果がコチラです。後ろの数字は回答数です。ドンhttp://t.co/dfCmlXY3ZJ

2014-02-19 22:00:29
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読書する黒子さん @kuroko_1011

青で塗ってある「小説は文字媒体、物語は媒体を選ばない」は「間違ってないけど、それも定義を満たすための大切な要素である」というものです。

2014-02-19 22:01:51
読書する黒子さん @kuroko_1011

赤で塗ってある「小説は主観があるもの、物語はそれを問わない」は、そのものズバリ、ほぼ正解、です。ちなみにコレを言ったのは青峰君です。キミ本当に青峰君ですか? 緑間君に携帯電話のっとられましたか?

2014-02-19 22:03:09
読書する黒子さん @kuroko_1011

複数回答もあったので、それはそれで分けてありますので、1人1票ではありません。 RT @appuedearu @kuroko_1011 この質問は、一人一票なのです?

2014-02-19 22:03:56
読書する黒子さん @kuroko_1011

アンケート結果は分かりやすく集計するために簡単に記述しなおしてあります。他の要素については、小説と物語を分けるための重要な要素ではないものです。たしかにそういう傾向は認められますので、大事なことです。

2014-02-19 22:05:54
読書する黒子さん @kuroko_1011

最初にざっくり言ってしまえば「小説とは語り手に人格を与えている」ゆえに「語り手が作家と同一人物ではない」もの。そして、明確に「伝えたいことがある」為に「物語の中の何かを意図的に叙述で隠している」という4つの要素を満たす必要があります。これは広辞苑の説明を僕なりに解釈したものです。

2014-02-19 22:09:21
読書する黒子さん @kuroko_1011

「えっじゃあ自分の体験談とか書いたヤツはどうなるの?」が最初の疑問かと思います。一人称小説は成り立たないのか、ということですね。これについては簡単に説明することができます。答えは「その事件が起きた時と、ペンを握っている時では、別人格である」からです。

2014-02-19 22:11:02
読書する黒子さん @kuroko_1011

例えば、火神君と喧嘩しますね。僕がイラッとして殴ります。火神君も「お前なんか嫌いだ」と言い返した、としましょう。その時の感情をそのままに持ったまま、ペンを握ったら日記です。でも「書き綴ろう」と物語を作成している時点では違うんじゃないでしょうか?

2014-02-19 22:12:35
読書する黒子さん @kuroko_1011

あの時なんで怒ったんだっけ、そう、たしか、と思い返して脳内で構成しなおしているとき、既にその構成の中にいる「自分」と考えている「自分」は別物ですよね? その理屈で、志賀直哉の私小説も森鴎外の『舞姫』も小説としての要件を外れていないことになります。納得していただけたでしょうか。

2014-02-19 22:14:40
読書する黒子さん @kuroko_1011

さてでは前半の2つの要件をざっくり説明を終えましたので(早い)後半「伝えたいことがある」為に「物語の中の何かを意図的に叙述で隠している」という2つについて説明します。まず最初に言っておきますが「ミステリーは全て小説です」という意味ではありません、あしからず。

2014-02-19 22:17:20
読書する黒子さん @kuroko_1011

さて、ストーリーとプロットの違いについてここで簡単に。「そして」でつながる時系列による構成がストーリー「だから」でつながる関係性による構成がプロット。この違いが後半2つの要素で重要になります。簡単に「語り手フィルター」と呼ぶことにします。

2014-02-19 22:19:56
読書する黒子さん @kuroko_1011

ここで皆さんご存知であろう『黒子のバスケ』の220Qの一部分を抜粋して説明しま……ご存知ですよね? 大丈夫ですよね? 25巻に該当します。あの青峰君に、僕のパスの受け取り方を忘れられた屈辱の青春の苦い一ページですね……チッ

2014-02-19 22:21:55
読書する黒子さん @kuroko_1011

(ストーリーの場合)やさぐれる青峰を追う黒子。橋の下で追いつく。青峰の説得を試みるが、決別を告げられる。 (プロットの場合)雨の中、落ち込む青峰に説得を試みる黒子。だが青峰は自身のコンプレックスを吐露し、黒子も応えるが「お前のパスの取り方も忘れてしまった」と告げ、終わる。

2014-02-19 22:25:26
読書する黒子さん @kuroko_1011

「ちょっと詳しい?」というか、簡潔に言えば「どう描写するか」になります。ストーリーは箇条書き、プロットは矢印。まぁ、こんな感じで違う、ということで。この場面を選んだのは青峰君へのささやかな八つ当たりです。今度忘れたら○します。

2014-02-19 22:27:05
読書する黒子さん @kuroko_1011

物語は本当に「お話」です。「誰がこうしてこうなってあれがこうして」というものです。小説はそこで、語り手という「人格」を持った人を通して話します。語り手には人格があり人生があり価値観をもち、好き嫌いや思い出もあります。だからこそ、「小説家は二重人格や離人症を患っている」ものが多い。

2014-02-19 22:30:53
読書する黒子さん @kuroko_1011

作家として言えば、自分とは別の自分によく似た人格をもう一つ作り、それを物語が展開している箱庭に投下します。そしてそれを演じさせ、または鑑賞させて、それの見て感じたものを騙り、語ります。そこが小説です。大丈夫ですか? 皆さん息してますか?

2014-02-19 22:32:35
読書する黒子さん @kuroko_1011

この語り部方式が明確に表れているのは谷崎潤一郎の『春琴抄』太宰治の『人間失格』です。これは実際冒頭だけ読んでいただければ分かりますが「こんな日記(など)を拾った!俺が読んで書き直すよ!」というものです。前述の「語り手は作家とは違う」形式を簡単に満たせる、好条件だと思いませんか?

2014-02-19 22:34:40