魚と赤ワインのマリアージュ

魚介類と赤ワインは相性が悪いとされるのは、ある化学反応が起きるからだ。化学の知識を応用すれば、相性の悪さを乗り越えることも可能である。
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shinshinohara @ShinShinohara

赤ワインと魚介類は相性が悪いのをご存じだろうか。「肉料理に合う」とわざわざ断っているのは魚と相性が悪いことが多い。こうした赤ワインを、煮干しを噛みながら口に含むと、不快な血生臭さが口いっぱいに広がる。これは「フェントン反応」のせいだ。http://t.co/rRM4DFhzFf

2014-02-19 22:39:43
shinshinohara @ShinShinohara

フェントン反応とは、鉄と過酸化物が出会うと「ラジカル」と呼ばれる極めて反応性の高い物質が生まれ、周りの物質を手当たり次第に攻撃、分解する。赤ワインと魚介類の相性の悪さは、赤ワインに含まれる鉄と魚に含まれる過酸化物が反応し、臭い物質を一気に発生させるためだ。

2014-02-19 22:43:57
shinshinohara @ShinShinohara

ならば、ラジカルを消去するような抗酸化物質(ラジカルスカベンジャー)を煮干しにまぶしたら、赤ワインと一緒に口に含んでも臭いが発生せず、魚と赤ワインの「奇跡のマリアージュ」が成立するのではないか。その仮説のもとに実験してみた。

2014-02-19 22:47:43
shinshinohara @ShinShinohara

抗酸化作用があるものを煮干しにまぶしてみた。 レモン汁、茶、酒かす、ごま油、米ぬか。これらに煮干しをまぶすと、赤ワインを口に含んでも生臭さがかなり軽減される。 何もまぶさないのを4点満点としてごま油0.5、 レモン汁0.71、 米ぬか0.76、 茶1.6、酒かす2.35点。

2014-02-19 22:52:53
shinshinohara @ShinShinohara

ポリフェノールは抗酸化作用があるとされるが、そう単純ではない。コーヒーやブドウジュースを煮干しにまぶすと最悪。赤ワインを口に含んだとたん、何もしていない煮干しの時の10倍以上も血生臭く、しばらく気分が悪くなる。これはなぜか。

2014-02-19 22:55:47
shinshinohara @ShinShinohara

コーヒーは焙煎することで酸化し、それ自体が過酸化物になっているらしい。ブドウジュースは赤ワインと同じく鉄を含んでいるため、煮干しにまぶした途端にフェントン反応が起きてしまう。煮干しと赤ワインのマリアージュを実現するには、鉄を含まず、酸化していないポリフェノールである必要がある。

2014-02-19 22:59:02
shinshinohara @ShinShinohara

フェントン反応は身近なところにもある。鉄棒をしたあと、手の臭いをかぐと「鉄の臭い」と呼んでいる血のような臭いがする。これは手のひらの脂肪が鉄棒とこすれるときに酸化して抗酸化物質が生まれ、鉄棒の鉄と反応してフェントン反応が起き、臭いが出るためだ。「鉄の臭い」はフェントン反応による。

2014-02-19 23:02:25
shinshinohara @ShinShinohara

血をなめると血の臭いがするが、これも赤血球の中のヘモグロビンに含まれる鉄がフェントン反応を起こすためらしい。血の臭いは実は鉄の臭いであり、鉄の臭いはフェントン反応によるものであり、それは赤ワインと魚介類との相性の悪さの原因でもある。

2014-02-19 23:06:14
shinshinohara @ShinShinohara

もしあなたがこれから赤ワインを飲むのなら、ぜひ煮干しか数の子を用意して、相性の悪さを確かめるとよい。血生臭さが鼻に抜けるだろう。次にごま油やレモン、お抹茶を煮干しにまぶしてみよう。あら不思議、生臭さはぐっと抑えられるだろう。お酒の席でぜひお楽しみあれ。

2014-02-19 23:10:40