ダブルOボンド先生による血糖コントロール講座
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朝食前こそインスリンが必要なのに、その時の血糖が高くないからインスリンをうたない。結果昼食前には高血糖になる。毎日毎日その繰り返し。術後なんでしょ? 感染あるんでしょ? せめてもうちょっと早く相談して欲しいな…。
2014-02-27 09:58:35@big_tree_go 冗談抜きで、今時はどうされているのでしょう?外科医にもできるスライディングでない血糖コントロールはありますか?(先生方のお手を煩わせたくもないのです)
2014-02-27 13:48:59@aoyamaume 急性期の一般的な血糖コントロールは、大した知識も経験も要りません。先生にも必ずできますよ。要は、高血糖になったときに「今高い血糖をどうするか」(スライディングスケールはこれだけ)に加えて、「なんで血糖が上がったか」を考えて、インスリンの使い方を考えるんです。
2014-02-27 14:38:35@big_tree_go 「昼高血糖になったから、昼のインスリンを増やそう。」ではなく「じゃあ、明日の朝のを増やしてみようか」という考え方をどうも看護師さんに理解してもらえないんですよねえ。。
2014-02-28 14:50:36あ、さっきの高血糖の話ですが、もちろん1回高かったからといって、翌日のインスリンをいじったりはしませぬ。同じような傾向が続いたら判断しまする。
2014-02-28 15:47:58それに対して、 「ヒューマログを8-4-6として、180以上の高血糖の時は、血糖値に応じてさらに上乗せする」 というやり方は、「スライディングコントロール」ではなくて、インスリンの固定注射+補正インスリンとでも言うやり方。術後や感染などで血糖の予測が困難な時の正しい方法。
2014-02-28 15:17:24インスリンは、血糖を下げるための注射、ではなく、血糖を上げないための注射、と再認識する必要があるのでしょうね。
2014-02-28 15:18:45通常、食事由来のブドウ糖は小腸で吸収されたあと、その全てが門脈に集まる。この時、強力なインスリン分泌促進作用を持つGIPやGLP-1が小腸から分泌される。結果、膵β細胞からは大量のインスリンが分泌され、同じく門脈に集まる。(続く)
2014-02-28 15:30:04(続き)なので、肝臓は大量に流入したブドウ糖のほとんどを、同じく大量に門脈から集まったインスリンの力を借りて代謝する。結果、健常者は食後にも血糖はほとんど上がらない。(続く)
2014-02-28 15:32:59(続き)一方で経静脈的なブドウ糖の投与を行うと、消化管からのGIPやGLP-1の分泌は起こらず、インスリンの分泌が起きにくい。また、ブドウ糖はその一部しか肝臓に集まらず、代謝の主体は末梢の脂肪や筋となる。結果、普段糖尿病と診断されていない人も血糖値は上昇しやすくなる。(続く)
2014-02-28 15:55:01(続き)術後や感染症の治療を行うような急性期のシチュエーションでは、インスリン抵抗性も高まっている上に、経口摂取が難しく、経静脈的なブドウ糖投与が選択されることも多いので、余計に血糖は上がりやすい。(まだ続く)
2014-02-28 15:59:21(続き)ブドウ糖を経静脈的に投与する場合、それを代謝するのに必要なインスリンも同じく経静脈投与するのが鉄則。絶食期間が短くて、末梢からの少量のブドウ糖投与なら、輸液内にインスリンを混ぜても良いが、高カロリー輸液を行う時は、別にインスリン持続点滴を行うのが基本。(続く)
2014-02-28 16:03:07(続き)経静脈的なインスリンの投与を行う場合、「ブドウ○gに対して速効型インスリン1単位」と考えると分かり易い。経験的には、ブドウ糖7gに対して1単位くらいが基本だと思う。インスリン抵抗性が強そうなら5gに対して1単位にするし、逆もある。(続く)
2014-02-28 16:08:21例えば、ソリタT3なら500mlあたり21.5gのブドウ糖が入っているので、ボトル内にヒューマリンRを3単位入れておく。これで点滴の投与前と終了後に血糖を測って、次のボトル内のインスリンを再検討する。
2014-02-28 16:11:20点滴内にインスリンを混ぜるメリットは、点滴速度の影響を受けにくいということ。途中で点滴速度を変えても、ブドウ糖とインスリンの投与時の比率は変わらないので楽チン。
2014-02-28 16:13:20一方、インスリンのボトル内混和のデメリットもある。個人的には、1番のデメリットは1度混ぜたインスリンは減量できないので、どうしても最初は控えめに投与してしまう、ということだと思っている。
2014-02-28 16:29:14高カロリー輸液の場合、インスリンは別ルートでの持続点滴が良いというのには、幾つかの理由がある。投与時間が長時間に及ぶので、インスリンは配合変化を起こす可能性があるし、容器への吸着もあるとされる。
2014-02-28 16:37:011時間に投与されるブドウ糖の量を計算して、インスリンのスピードを決める。さっきのように、ブドウ糖7gに1単位とすれば、1時間に5gの場合、インスリンは0.7単位/時間 で投与する。この場合も投与初期は頻繁に血糖は測定を行って、ブドウ糖:インスリンの比率を見直す。
2014-02-28 16:43:18ちなみにインスリン持続投与は生理食塩水49.5mlに速効型インスリン50単位で50単位/50mlが基本。ここで、生理食塩水を50mlでなくて49.5mlとするのには理由がある。点滴を作る人に「インスリン50単位は0.5mlですよ」と暗示している。
2014-02-28 16:48:54@hanacoppy 末梢輸液メニューなら、1型など特殊な場合を除いて、ほとんど問題ないと思います。長時間キープする時は、ブドウ糖の投与スピードもかなり控えめになるので。
2014-02-28 16:52:54