原発事故による過剰癌死数の見積もり

低線量放射線による過剰癌死数の見積もりは「被曝線量評価」と「リスク係数の選択」の2ステップで行えますが、被曝線量評価が複雑で常に不確実性と隣り合わせです。被曝線量評価については信頼出来そうな論文や、専門家の方の意見を参考にしました。リスク係数の選択は前作まとめに続いてBEIRⅦ、ICRP、UNSCEAR、ゴフマンの4つで比較しました。 被曝線量でより正確なデータをご存じの方がいましたらコメント欄で指摘して頂けるとありがたいです。より良いデータに置き換えていくことで見積もりの精度を高めていけます。日本は核災害が起きた当事国ですから、世界の研究機関が行っているように過剰癌死数を見積もる努力をして、放射線防護に役立てて行くべきだと考えます。
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まとめ 矛盾のあるICRPの集団線量に関する資料が、ネット上で印籠のように使われている不思議 名目リスク係数は、実効線量を算出する際に用いられる組織荷重係数を導く最初のステップです。名目リスク係数に癌死もしくはそれに準じる重篤な経過をたどる疫学データを加味して組織荷重係数が導かれます。 実効線量の成り立ちを考えてみると、ネット上で黄門様の印籠のように使われているICRPの集団線量に関する資料の矛盾点が見えてきたのでまとめてみました。 28156 pv 492 8 users 10
まとめ ゴフマンがLNTモデルと集団線量を用いて放射線による公衆の癌死リスクを見積もった真意を、その著書からひも解いてみる。 集団線量を用いて公衆の被曝リスクを評価してはいけないという考え方があります。それは低線量あるいは極低線量領域の放射線が人体へ与える影響の不確実性によるというリーフさんとマキリンさんの以下のやりとりが大変参考になります。 http://togetter.com/li/238814 ただ「人間と放射線」を読んでいて感じるのは、ゴフマンは細胞レベルの発癌メカニズムから考察してLNTモデルの比例直線が極低線量領域まで成り立つという確信を持っていたという事と、不確実性を理解しながらあえて集団線量を用いていたのではないかという事です。 なにせ777ページもの専門書なので、素人の僕がどこまで理解しているのか怪しいものですが、ポイントとなりそうな記述を抜き出してみました。 7193 pv 127 1 user 1