ECMOに関する3講演(iLA含む)

日本医大集中治療室の竹田晋浩先生,カロリンスカ大学ECMOセンターのPalmer先生,レゲンスバーグ病院麻酔・手術集中治療部門のBein先生の3講演のレビュー
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⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】遅刻したのでちょっとしか聞けなかったが,千里ALIセミナー2014のレビュー.「ARDSの診断と治療」竹田晋浩先生(日本医科大学附属病院集中治療室准教授).ECMOの話.エビデンスがまだまだ足りてない状況下での実臨床の経験を提示

2014-02-08 12:06:22
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【講演会Rev】ヒトに感染する一般的なインフルエンザウイルスの中で肺にレセプターを有するのはA/H1N1pdm2009のみ.H1N1pdmは肺胞上皮を攻撃するが肺基底膜は攻撃しない.つまりARDSになっても線維化が起きにくいため治癒すれば非常に綺麗な肺に戻りうる.

2014-02-08 12:09:08
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【講演会Rev】ECMOを右房→末梢ルートにするのもあり.カロリンスカでは内頚から太く短い脱血カニューレを入れて末梢に送血している.シャントはおりこみ済みで,とにかくフローがとれることを優先している.

2014-02-08 12:12:24
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【講演会Rev】ECMOのフローは“カニューレの太さがすべて”.国内でよく流通している某社のPCPSはカニューレが細く,非常に溶血しやすい.その理由は-200mmHgの陰圧をかけているから.太くして-10~-20にすべき.脱血は19Frといった細いカニューレではなく25Frで

2014-02-08 12:19:37
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【講演会Rev】なお,ECMO用カニューレで25Frの太さを扱っているのはバイオメディックス社のみとのこと.また,圧モニターは必ず必要で,回路交換に有用である.

2014-02-08 12:21:27
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【講演会Rev】インフルエンザによるARDSでは抗インフルエンザ薬は必須となる.H1N1pdm感染の重症例は胃食道逆流が多く,タミフルを経口や経胃管投与しても吐かれてしまうため,実質ラピアクタしか武器がない.ただし,リレンザに関しては保険適応外の使い方になるが,裏技がある

2014-02-08 12:24:36
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【講演会Rev】実はグラクソ・スミスクライン社はリレンザの注射製剤を持っている.これは2009年の新型インフルエンザパンデミック時に製造したもので,英国でのみ使用された.そのCase Report論文の中にリレンザのネブライザー吸入投与についても書かれている.

2014-02-08 12:29:36
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【講演会Rev】リレンザネブライザー投与についてはこの論文では「効果はいまいち」とのことであったが,竹田先生自身もインフルエンザARDSの人工呼吸患者に,リレンザを生食溶解して挿管チューブから非常に細い管を入れて一気に気道内噴霧する方法の経験があり,よく効いた印象があったとのこと

2014-02-08 12:34:40
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【講演会Rev】海外でのリレンザネブライザー投与では挿管チューブ閉塞事例が1例あった.これは後でリレンザネブライザー投与が原因ではなかったことが判明しているが,これを受けてグラクソ・スミスクライン社は「保険適応外使用で何が起こっても知らんぞ」という態度を明確にしている.

2014-02-08 12:37:02
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【講演会Rev】人工呼吸患者へのリレンザ溶解気道内噴霧投与はオプションとして持っておくとよい.その際,家族に説明するときにリレンザネブライザー投与が記載されている論文(Lancet 2009;374:1036)を提示するとよい.

2014-02-08 12:39:11
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【講演会Rev】第41回日本集中治療医学会学術集会ランチョンセミナー『1) Ventilatory management during respiratory ECMO,2) ECMO for Sepsis』Palmer先生(カロリンスカ大学ECMOセンター)

2014-03-01 14:37:38
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【講演会Rev】ECMO患者は早期に気管切開を行い,CVVHFを使用しつつlow PEEP(4cmH2O),モルヒネ(±DEX or クロニジン)を用いて覚醒状態で管理する.覚醒状態によりリンパ流が改善したり管理が行いやすくなる.

2014-03-01 14:41:28
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【講演会Rev】超重症難治性ARDSでは肺胞内にまで細胞が入りこみ,肺が硬くなる.こうなってはhigh PEEPもRMも無効であり,有効な治療法はないため,ECMO管理下でひたすら待つ,30日くらいは待つ.すると肺胞内細胞の50%がapoptosisし,肺胞がようやく開通してくる

2014-03-01 14:44:23
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【講演会Rev】30日間待っている間の患者のSpO2は60-70%程度だが,覚醒下でコミュニケーションや,さらにはゲームやパソコンを普通に行っている.なお,この状況下での鎮静は逆にリスクとなりうる.あきらめずにひたすら回復を待つことが重要

2014-03-01 14:47:51
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【講演会Rev】ECMO患者には特定の場合を除き,侵襲は一切与えず待つこと.何もすべきでない.気胸が生じても胸腔ドレーンは挿入せず,人工呼吸器を2-3日はずす.胸水は放置でよい.ドレーンを挿入すると出血が止まらず,外科医による4日間程度の手術が必要になってしまう.

2014-03-01 14:52:28
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【講演会Rev】血胸の場合は外科による血腫除去が必要.この場合,ECMOのヘパリンは使わず,高いflow,ACT 120-150で管理する.とにかく出血に対する外科介入以外の胸腔への侵襲的処置は患者を失うことになることを認識しておく必要がある.

2014-03-01 14:55:43
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【講演会Rev】肺が硬く,SpO2低値が40日たっても改善しない場合は肺生検を行う.その際,出血により4日間の外科手術と約20Lの輸血が必要となるが,それでも肺生検は行うべきである.

2014-03-01 14:59:45
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【講演会Rev】ストロイドとHFOVは使用しない.NAVAはよい適応かもしれない.CO2レベルは下げることで鎮静化がはかれる.「ポンプは友であり,ポンプが動いていれば大丈夫,ECMOを信じる.余計なことはせずひたすら待つ」この感覚を身につけるにはかなりの症例経験が必要である.

2014-03-01 15:04:42
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【講演会Rev】敗血症に対するECMOはこれまで禁忌とされてきたが,近年ではECMOが使用されるようになってきた.機序は不明だがVV-ECMOであっても昇圧剤投与量を減じることができることが分かっている.

2014-03-01 15:08:23
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【講演会Rev】カロリンスカECMOセンターの敗血症性ショック患者は平均SAPSⅢ90点(予測死亡率81%)であるが救命率は82%.ECMOによるNNTは約1.5であった.また,高齢でも十分に救命できており,年齢で適応を判断すべきではない

2014-03-01 15:11:45
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【講演会Rev】ECMO脱血は右房から行う.脱血カニューラには等間隔に穴があるが,MRI撮影すると実際に脱血するのは装置側の穴2~3個であり,先端側からは脱血されない.よって鼠径から右房に留置してもIVCから脱血することになる.このため,頸静脈にも25Frのカニュレーションが必要

2014-03-01 15:16:13
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【講演会Rev】ECMO患者の酸素代謝をSpO2のみで判断してはならない.かならず酸素含有量(Hb×1.34×SpO2)×COで評価を行う.

2014-03-01 15:19:10
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【講演会Rev】第41回日本集中治療医学会ランチョンセミナー15『欧州におけるExtracorporeal lung supportの現状』Thomas Bein先生(ドイツRegensburg病院麻酔・手術集中治療部門).ポンプ不要の小型ECMOであるiLAの話

2014-03-01 19:59:51
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】体外補助循環としては2-3L/分のhigh flowであるECMOが一般的だが,現在ドイツでは1-2L/分のmiddle flowであるiLAが発売されている.さらに現在low flowのDecap(HDに組み込める)も開発されている.

2014-03-01 20:03:01
⅃ЯAƎ⊿せかんどらいふすたあと @DrMagicianEARL

【講演会Rev】補足:動静脈圧較差で還流させる,ポンプ不要の人工肺interventional lung assist(iLA:商品名NovaLung)がドイツTalheim社で開発され,使用されており,日本では東レ・メディカルが(承認がおりれば)販売予定である.

2014-03-01 20:04:46