情報公開請求の商用目的利用

目次 1 定期テスト問題の開示請求に対する開示拒否 2 商用目的の情報公開請求に対する開示拒否 3 商用目的の情報公開請求に対する手数料増額
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行政法たん @admi_tan

https://t.co/HaJ45yeRH8 時間が経っちゃったけど法学たんから振られたこの話題について少し考えてみようか。

2014-03-05 22:08:31

1 定期テスト問題の公開請求に対する開示拒否

行政法たん @admi_tan

法学たんが言っているのはこのニュースのことだね…。 http://t.co/IDmdhtJv48 結論から言うと、開示を受けた定期テストの問題を販売することが目的なら、情報公開請求に対して開示を拒むことは理論上可能だと考えられるよ。

2014-03-05 22:11:46
行政法たん @admi_tan

まず、自治体に対する情報公開請求は各自治体の定めた情報公開条例に基づいて行われるから、ある請求に対して自治体に情報を開示する義務があるかは自治体によって違ってくることがあるんだ。条例の内容は自治体ごとに違うからね。

2014-03-05 22:14:16
行政法たん @admi_tan

記事によれば愛知県と神戸市が開示を拒否したみたいだから、それぞれの情報公開条例を見てどんな理由で拒否したのかを考えてみようか。

2014-03-05 22:16:53
行政法たん @admi_tan

まず愛知県から。愛知県情報公開条例 http://t.co/FOccJQkAMT 関係しそうな部分を引用するよ。

2014-03-05 22:17:07
行政法たん @admi_tan

7条柱書「実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求をしたものに対し、当該行政文書を開示しなければならない。」

2014-03-05 22:17:59
行政法たん @admi_tan

7条6号柱書「県の機関…が行う事務…に関する情報であって、公にすることにより、…当該事務…の性質上、当該事務…の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」

2014-03-05 22:18:07
行政法たん @admi_tan

記事によれば、愛知県教育委員会の担当者は「公にすることで、ある程度出題の傾向が分かり、生徒の成績にも大きく関わる」と話したそうだね。

2014-03-05 22:20:19
行政法たん @admi_tan

定期テストを行う主な目的は、おそらく生徒が授業内容をどれだけ理解しているかを計ることにより理解の度合いを把握し、成績を付けることにあるんだろうなって思う。

2014-03-05 22:20:54
行政法たん @admi_tan

そして、もし定期テストの出題傾向を把握しやすくなると、生徒の成績が授業内容の理解の度合いではなく出題傾向の把握の度合いで左右されやすくなり、定期テストを目的に即して実施するのが困難になるおそれが増すって考えられるね。

2014-03-05 22:21:30
行政法たん @admi_tan

条例の文言に即して言い換えてみると、定期テスト実施事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるって言えそう。実際にどう判断したのかまでは記事に載っていないけど、今言ったようなおそれがあるって理由で開示を拒否したんじゃないかって思うよ。

2014-03-05 22:22:38
行政法たん @admi_tan

もっとも、定期テストの問題は販売されていなくても在校生が先輩から入手することならできるから、元々同じようなおそれはあるとも考えられる。

2014-03-05 22:23:14
行政法たん @admi_tan

そうは言っても、ネット販売されるってことになると、個人的な人間関係を頼りに入手するのとは違ってお金さえあれば誰でも容易に定期テスト問題の過去問を揃えられるようになるね。だから、元々あるおそれだとしてもその懸念を促進させる→だからやっぱりダメって考えることはできるよ。

2014-03-05 22:23:54
行政法たん @admi_tan

神戸市情報公開条例 http://t.co/TAQLyxCamB にも10条柱書・同条5号柱書に愛知県情報公開条例7条柱書・7条6号柱書と同内容の規定があるから、神戸市も同じような理由で開示を拒否したのかもしれないね。

2014-03-05 22:26:18
行政法たん @admi_tan

以上のことから考えると、定期テスト問題の開示請求に限って言えば不開示情報に該当するとして開示を拒める自治体は多いだろうね。情報公開法にも愛知県情報公開条例7条柱書・7条6号柱書と同じ内容の規定があるから、他の多くの自治体も法にならって情報公開条例に同じ内容を規定しているだろうし。

2014-03-05 22:28:14

2 商用目的の情報公開請求に対する開示拒否

行政法たん @admi_tan

ただ、この記事では定期テストの問題が開示されたことよりも、開示を受けて入手した文書を商用利用したことの方が問題とされていそうだから、【一般に、商用目的の情報公開請求に対して開示を拒むことはできるか】って問題も考えてみたいと思う。

2014-03-05 22:35:41
行政法たん @admi_tan

こちらも、商用目的の情報公開請求に対して開示を拒むことは理論上、一応可能だって考えられるね。(ただ、明文の根拠をもって開示を拒める自治体は少ないかもしれない。)

2014-03-05 22:41:02
行政法たん @admi_tan

まず制度趣旨から考えてみようか。 情報公開制度の趣旨の中核は、政府の保有する情報に対して開示請求権を認め、政府の保有する情報を公開することによって、政府の活動を国民に説明する責務を果たすことにある。究極的には、国民の監視の下に政府が民主的に運営されるようにすることが目的だね。

2014-03-05 22:42:58
行政法たん @admi_tan

情報公開法1条を引用してみよう。 「この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、……」

2014-03-05 22:43:30
行政法たん @admi_tan

「……もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。」 http://t.co/L66D0983vX

2014-03-05 22:43:41
行政法たん @admi_tan

情報公開法で定められた情報公開制度は今言ったみたいな趣旨で定められているし、自治体の情報公開条例の中には自治体の保有する情報を知る権利を保障することも趣旨に含んでいる場合があるね。

2014-03-05 22:44:27
行政法たん @admi_tan

いずれにしても、情報公開制度は政府の活動を国民に説明する責務を果たすって目的をもって作られた制度だよ。だから、商用目的で情報公開制度を利用するのは基本的には制度趣旨にそぐわない利用の仕方になる。と言っても…

2014-03-05 22:48:00