回文狂歌の作り方・その1
回文狂歌の作り方を二通り説明していきましょう。 一つは内から外へ作る方法、もう一つは外から内へ作る方法です。
2010-02-20 01:00:12一つ目に内から外への作りを説明しましょう。 回文狂歌は第三句が一番の要です。 ちょうどこの句は四文字目に回文の折り返しが入ります。 そしてこの部分、 上の句下五は三文字の回文の上に二文字の何かを くっつけたような形になります。
2010-02-20 01:00:32たとえば三文字の回文として‘トマト’をチョイスしたとしましょう。ここに二文字加える、「買うトマト」「喰うトマト」「持つトマト」「もぐトマト」……こうしたものが要になります。
2010-02-20 01:01:10この時、付けた二字の逆読みが下の句の最初の二字になります。ですから、「切るトマト」などは「るき」から始まる下の句を考えなければならず、‘る’で始まる言葉の少ない日本語では使いにくいことがわかります。
2010-02-20 01:01:32そこで「買うトマト」とすると「うか」から始まる下の句となります。これならば「浮かれ~」か「浮かぶ~」が考えられそうです。とりあえず「浮かれ~」にして次に上の句中七(第二句となる部分)に目を移し、「~れ」で終わることを確認します。
2010-02-20 01:01:59ここに日本語の句末には使いづらい文字、たとえば‘あ’などが来ている場合には考え直した方が良いかもしれません。
2010-02-20 01:02:13こうして第二句と第四句を見比べつつ(第四句)浮かれ歩くか→(第二句)何時か来るあれ→(第四から第五句二文字目)浮かれ歩くか つい というように順調に伸ばしていきます。
2010-02-20 01:02:34後はこれを五文字・五文字の短回文で挟むだけですが、ここで手が詰まることもよくあります。この場合は指示代名詞「あれ」をうまく説明する状況を入れ込めないという状態になりました。
2010-02-20 01:02:50このように行き詰まってしまったら、一旦戻って「浮かぶ~」で考えてみます。‘ぶ’で終わることになった上の句中七は「~遊ぶ」「~学ぶ」などがありそうです。
2010-02-20 01:03:13それぞれ下の句の浮かぶにつながる文字は「そあ~」と「なま~」、「なま~」の方がトマトと生はどちらも調理に関する言葉で相性が良さそうですから「~学ぶ」で考えていきます。
2010-02-20 01:03:31すると第二句は「●▲えに学ぶ」となり、●▲を埋めるとすると「教えに学ぶ」がもっともしっくりと来ます。下の句に目を転じると、五七五七七の最後の七文字は「しお」から始まることとなり「塩」という言葉になって好都合ですね。
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