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ちょっと古めのお話
以下のお話は現代の最新の知見ではありません だいたい70~100年くらい前における最新事情です
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
ちょっと火砲の砲身寿命についてのお話など。実際よく知らないので勉強がてら。実際詳しい人にはブッダにオキョーかも知れません
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
そも何故火砲の砲身に「寿命」があるのか、ごく簡単に言えば、発砲の度に砲身の内面(腔面)が損傷していくため。 発砲を繰り返して損傷が進むと砲身の内径が徐々に拡大していき、弾との隙間からガスが漏れやすくなり、初速と精度の低下を招いて、最終的に使用に堪えなくなってしまうというわけです
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
ある火砲の初速と精度が使用に堪えるものであるかの判断は程度問題ですから、火砲寿命をどの程度とするか、つまりどの程度までの初速低下・精度低下を許容するかは、国や時代、組織が変われば同じであるとも限りません。なので「A国の砲はB国の砲に比べて砲身寿命が短い」みたいな比較は難しいです
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
ちなみに、火砲の発砲による砲腔面の損傷のことを日本語では「焼蝕(しょうしょく)」と呼んだりするそうです。英語ではerosionとかablationとかwearとか言われるようですが、各々のニュアンスの違いは私にゃサッパリわかりません
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
火砲の砲腔面が発砲の度に損傷していく……そう聞くと「弾との摩擦で削れるんじゃないの?」と何となく想像しますが、実はそうとは言えないようで
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
硬く脆く変質した砲腔面は、発砲時の摩擦や膨張収縮等によって亀裂を生じます。亀裂はガスの通り道にもなり、さらに亀裂の拡大を促進、やがて脆くなった腔面が剥離し、弾と砲身の隙間が拡大していくことになるのです。火砲砲身の焼蝕の原因の大きな部分は、このような機械的要因にあると言われます
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
焼蝕の原因としては機械的要因のほかに化学的要因もあるとも言われます。火薬ガスの中には窒素や炭素が含まれているので、これが高温高圧で砲腔面に触れることで窒化あるいは浸炭化してしまうという説。でも火砲では窒化・浸炭化の痕跡はあまり見られず、化学的要因は焼蝕の主因ではなさそうなんだとか
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
焼蝕は薬室付近では最も激しく、ここから遠ざかるほどに減少していきます。これは、点火直後の時点ではまだ弾(というより、弾の外周にある「弾帯」という部分)と砲身が噛み合っておらず、隙間からガスが高速で抜ける為 http://t.co/V1ZkLAfFAQ こちら米海軍の解説図
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa
@FHSWman 昨年の総合火力演習でその瞬間を一枚撮れて長年のモヤモヤを実際に確認できて満足なワタシ
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
火砲の砲身内のガス圧力は発射後急激に増大しますが、弾頭はすぐには動き出しません http://t.co/3n9xSRQKOD 弾が前進して砲身しっかり噛み合うまでには若干のタイムラグがあるというわけです。この僅かな時間に隙間からガスが高速で抜け、焼蝕の主要因となります
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
弾が動き始めて砲身と噛み合い隙間からのガス漏れがなくなれば、ガスは砲弾と同じ速度でしか前進しません。こうなればガスが高速で抜けることによる腔面の破壊は目立たなくなります。故に薬室から離れた部分では焼蝕はあまり起きなくなります
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
施条砲ではライフリングの谷よりも山のほうが燒蝕が顕著です。ライフリングの山は弾帯と噛み合ったり弾本体の肩部とガリガリ擦れたりするわけですから、谷よりも苛酷な環境に置かれるわけで、だから損傷し易いのでしょう http://t.co/MwsvHX5Ifv
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
燒蝕を重ねると砲弾と砲身の隙が増大し、噛み合うのが遅れます。そうなれば燒蝕は薬室からさらに前方へと成長し…… http://t.co/HoOmZOj1SR 酷くなると薬室付近ではライフリングの山と谷の区別がつかなくなってきます。一方、砲身先の方のは早々消えるもんではない様子
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
ここまでで、大口径で高初速(高腔圧)の砲ほど砲身寿命が短くなる理屈も何となくわかる気がしてきます。腔圧が高ければ腔面の変質と機械的破壊も起きやすいでしょう。また想像するに、大口径で重い弾丸は点火直後の動きも鈍いはずで、砲身と弾の噛み合うまでのタイムラグも大きいそうな?
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
逆に言えば、低初速・低腔圧の砲であれば燒蝕は起きにくいという事になります。前装迫撃砲なんかは多分相当に低腔圧ですし、そもそも最初から砲身と砲弾の間に盛大に隙間があったりさえしますから、この場合は漏れどうのは寿命にはあまり影響ないのかも……
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
これまで述べたように火砲で最も損傷するのは腔面ですから、砲身を多層構造として内管だけを自由に交換できるようにした内管自由交換砲身というものも考え出されます。WW2期にはこれもしばしば用いられていたのですが、最近は使われてるのかしら?
弾帯とあれこれ
えすだぶ@C95大御礼 @FHSWman
さて、燒蝕の軽減には弾と砲身の噛み合いが肝……なれば砲身と噛み合う「弾帯」は重要です。例えば4号戦車の7.5cm48口径砲とパンターの70口径砲はほぼ共通の弾頭を用いしたが、後者(図右)は弾帯を二条に増やし高初高圧化に対応しています http://t.co/QJXzizMOlt
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SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa
@FHSWman 命数使いきった一式47mm砲は最終奥義として弾薬筒を分離して弾だけ先に装填して手でライフリングに噛むとこまで押し込んで、それから薬莢を装填して発射という手があるんだそうで・・・ww
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コメント

りん @Yuma100Co 2014年3月11日
とても勉強になりました。ありがとうございます。
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