【知のミクロコスモス発売記念】中世説教世界への招待 赤江雄一特別インタビュー!

『知のミクロコスモス』発売を記念して、本日21時より放送局「マルシリオ・フィチーノ」に赤江雄一さんをお招きして、色々とお話を聞いたものを@kimo_Qさんがつだってくださいました!https://t.co/a2RmEFL64u
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141先生の舎弟 @Yonus_Mendox

話題の『知のミクロコスモス』ですが,その冒頭を飾る「語的一致と葛藤する説教理論家──中世後期の説教における聖書の引用」の執筆者赤江さんのインタビューが今晩21時からあります. https://t.co/jJJNuLDGmn わたくしもなぜか sound only で出演するよ.

2014-03-12 19:52:36
Q @kimo_Q

まずは前提的な話から。坂本(司会):そもそも「説教」って何ですか?日本語で「説教」というとのび太くんが怒られているみたいなイメージなのだがそれとは違う。どういうものなのか。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:14:02
Q @kimo_Q

赤江:悪い意味で使われるほうの意味がメインになってしまった。この論文で出てくるのはそういう悪い意味が主流になる前の話。キリスト教に限らず書物にもとづく宗教に普遍的に観察される事象。テクストにもとづいて教えを公に語るということ。こういう活動が説教と言える。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:14:12
Q @kimo_Q

現在でももちろんカトリックでもプロテスタントでも日曜日にミサや礼拝に行けば説教が大きな部分を占めている。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:15:04
Q @kimo_Q

坂本:説教の伝統は古代から現代までつながると思うが、赤江さんが研究しているのは中世の少し後半のほうの時代。その時代の特徴というのはあるのか? #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:15:49
Q @kimo_Q

赤江:私が研究している13–15世紀で重要なのは、活版印刷以前のマスメディアとして説教が果たした役割。数多くの聖職者が民衆に向かって放送するかのように説教を行うというのは少なくともヨーロッパでは13世紀以前にはなかった。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:15:57
藤本大士 @fujimoto_d

説教のスペシャリストとしての托鉢修道士! #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:19:46
Q @kimo_Q

挫折しそうである。

2014-03-12 21:21:23
Q @kimo_Q

坂本:説教の組織性を何が担保していたのか? #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:21:30
Q @kimo_Q

赤江:民衆が熱い信心の動きを繰り広げるということが11世紀くらい〔?〕から起こってくる。また教皇権が勃興してくる時代。民衆がいろいろな発言とかをすると様々な解釈が出てくる。それを教会側は異端として排除しようとする。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:22:34
Q @kimo_Q

そこで説教をちゃんとしないと民衆などが変な方向に行ってしまうんじゃないか、というような危機感がカトリック教会側に生まれる。#知のミクロコスモス

2014-03-12 21:22:56
Q @kimo_Q

坂本:では最初説教というのは受動的に起こってきたのか? 赤江:もちろん正統と言われる人々のなかでも熱心な動きがあった。民衆も教会側も含めて全体として熱心になっている。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:23:26
Q @kimo_Q

坂本:説教という手段によって人々の考え方を統一するということを達成しようとしたということには説明が必要なのでは。なぜカトリック教会は説教を選んだのか。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:23:36
Q @kimo_Q

赤江:印刷術もなく、識字率も低いので口頭での伝達が一番強力だと思われて当然だっただろうと思う。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:23:46
Q @kimo_Q

坂本:識字率ってわかるんですか? 赤江:場所によって違う。イタリアの商業都市とかでは相当に高かったと考えられる。ラテン語を読める人よりは俗語を読める人のほうが多かっただろうし、イタリアに比べて北ヨーロッパでは低かっただろうとは思う。定量的に言うのは難しい。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:25:45
Q @kimo_Q

坂本:10%くらいたとえば文字が読める人がいたら、その人たちに聖書を読んでもらうという発想はなかったのか? 赤江:王様とかが聖書を読むということはあった。しかし書物はそもそも高いので、普通の人に行き渡るというようなことは期待できない。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:26:15
Q @kimo_Q

坂本:そういう社会のなかで説教というのが選択された。それで托鉢修道会のような説教をする特殊部隊的なものが作られたということなんですが、托鉢修道会の人々というのはどのへんまで行っていたのか?これはよぬすさんの質問。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:29:14
Q @kimo_Q

赤江:ポーランドとかハンガリーとか、中欧と言われるところまでは。 坂本:では当時のカトリック世界は一応全体をカバーしようとしていたと。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:29:22
Q @kimo_Q

赤江:そこで都市というのが重要になる。この時期都市にある程度リテラシーが高めの人が都市に集まって活動をするようになるので、そういう知的に活動するような人々をどう説得するのかが問題となる。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:29:36
Q @kimo_Q

だからそれまでは修道院はいなかにあったけど、托鉢修道会は都市に修道院を作るようになる。そこからしゃべる人が出て行くという感じ。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:31:02
Q @kimo_Q

加藤:教皇が束ねているといってもたとえばフランシスコ会、ドミニコ会のあいだで党派性とかが説教に現われるといったことはあったのか? #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:31:13
Q @kimo_Q

赤江:フランシスコ会は清貧をより強調するみたいな違いがあったということが過去の研究のなかで言われていたが、それはなくはないと思うけどそれほど党派性はないというのが現在の見解。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:31:48
Q @kimo_Q

坂本:それだけ広い範囲で説教をする多数の人をどう作っていたのか? #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:31:57
Q @kimo_Q

赤江:修道会が教育システムを作る。大学とか。学問の中心と托鉢修道会の教育システムがほぼ重なる形になる。それぞれの修道会がそれぞれの教育システムを作って説教のやり方を教えていくという感じ。 #知のミクロコスモス

2014-03-12 21:37:02