- HashimotoRST
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<はじめに>
続き。(x_i,y_i)たちをxy平面にプロットした散布図と平均を引いて得られるベクトルの内積を用いて計算した cos θ (相関係数)を比較するという経験は結構いろいろな意味で重要です。でもたぶん高校のカリキュラムでは相関係数はcos θのことだとは習わない。
2014-03-13 13:14:25続き。数学の解説。高校でベクトルの内積とベクトルのあいだの角度θの関係を使ってcos θを計算する方法を習った人は結構いると思います。相関係数はそのcos θの特別な場合になっています。ただし高校では2次元ベクトを扱いますが、「実戦」ではn次元ベクトルを扱います。続く
2014-03-13 13:01:35<ここから本題>
続き。相関係数は二つの数の組(x_1,y_1),…,(x_n,y_n)たちに対して定義されます。xたちの平均とyたちの平均をそれぞれx_i,y_iたちから引いて得られる数をそれぞれa_i,b_iとし、ベクトルa=(a_1,…,a_n),b=(b_1,…,b_n)を作ります。続く
2014-03-13 13:04:43続き。xとyの相関係数とはベクトルa,bのなす角をθに対する cos θ のことです。2つのn次元ベクトルがどれだけ同じ方向どれだけ反対の方向を向いているかを測る量です。n次元なので心の中で正確に想像するのは大変ですが、本質的に高校数学で習った方法で計算することは簡単にできる。
2014-03-13 13:07:23続き。高校では余弦定理を使ってベクトルaとbの内積をベクトルの長さの積|a| |b|で割った結果がcos θになることを習います。ベクトルの内積はそれぞれの対応する成分をかけてすべて足し上げることで計算できる。角度θが見えなくても加減乗除と平方根だけでcos θは計算できる。
2014-03-13 13:10:18<ここまで>
続き。新入生にn次元ベクトルをどうしても教えなければいけない立場からすると(文系学部でもn次元ベクトル教える、というか、教えないとまずい)、高校で2次元ベクトルについて学んで来ていて、内積とcos θの関係をすでに知っていてくれると滅茶苦茶ありがたいんですね。
2014-03-13 13:25:48続き。大学入試関連でベクトルと内積は色々パズルみたいな問題が出されたりするみたいですが、ベクトルに関する幾何的な直観(長さ、方向、角度)と具体的計算が結び付いていればそれで問題無しだと思う。そこまで理解していれば、2次元の2をすべてnに置換すればそれで終了。
2014-03-13 13:28:47続き。たぶん「2次元の2をnに置換するだけで終了」の部分が新入生にとっては難しいところかもしれない。幾何的直観も計算の仕方もすべてが2をnに置換しても同じになる。実は数学的定式化を適切にすればそうなっていること(2をnで置換するだけでOKなこと)は結構いっぱいあります
2014-03-13 13:31:12