海の大戦:第一戦闘フェイズ【一の海域】

裁き与えんと向かいしは、 殉教【@martydom_umi】 贖罪【@hakuzia_umi】 殲滅せんと向かいしは、 続きを読む
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人間《ディアドラ》 @actSkbz

「良い潮風だ。――全く、海賊さえいなければもっと気分はいいんだがな!」 共に往く贖罪にも届くよう、僅かばかり声を張り上げながら、そう投げ掛ける。――小さく見える船影、恐らく、あれこそ海賊の。 「此処は拠点に近いからな……腕に自信のある奴が寄越されているだろう」

2014-03-09 22:56:08
人間《ディアドラ》 @actSkbz

修理した箇所を見上げる。ゆるりと溜め息を吐いて、また声を張り上げる。 「また衝突されても敵わんからな……贖罪! この辺りで止めよう、迎え撃つ事にしたいが――構わないか?」 見やる。小さな緑が視界に飛び込む。彼女の能力を知り得てるからこそ、殉教は余り負わせたくないと思っている。

2014-03-09 22:56:14
人間《ディアドラ》 @actSkbz

表情には何も浮かばない。いつも通りの無表情。 勝手知ったる彼女なら、何等かを察する事はあるかもしれないが。

2014-03-09 22:56:23
【慈愛】贖罪 @hakuzia_umi

船は穏やかに揺れ、波は何処か穏やかに潮風に髪をふわりと遊ばせて。左右のポケットに手を入れる。指先で触れるのはビー玉くらいの石。 ……争い、戦争、傷、瑕。 殉教の言葉を聞きながら思うのは、海域の中のこと。 「穏やかな海が一番です」 そう返答を返し、緑眼を水平線、その奥へ。

2014-03-09 23:12:46
【慈愛】贖罪 @hakuzia_umi

「……はい、構いません」 ゆっくりと頷き振り返る。衝突は海上戦ではよくあることだが、下手すれば沈んでしまうだろう。 浮かべた表情はいつもより少し負へ傾くが、緑は穏やかにその意図を解して弧を描いた。

2014-03-09 23:12:54
【強奪】壊尽 @sinka_umi

潮風に金糸を揺らしながら、第一の狭間と呼ばれた海域へ船を進めていく。白波を切る船は銀に煌めいていた。 先を色の変わりゆく双眸が見やる。なだらかに進むこちらの船と違い、奥に見える船が動かなくなった。 「……へぇ、随分と臆病だねぇ」 くすり、と笑みを深めながら、船を操る。

2014-03-09 23:38:17
【強奪】壊尽 @sinka_umi

船は進む。止まらず、それが慈愛の船だと確信しているように。 「ふふっ、遠いなら近くに行くまでさ」 金が揺れ、波が跳ねる。船はただ前へと進む。その速度は早くもなく、そして遅くもない。 「何に怯えてるのか知らないけどさ、顔くらい、見たいよねぇ」 青い海原にそっと呟き、更に船を操った。

2014-03-09 23:38:24
人間《ディアドラ》 @actSkbz

「迎え撃つ準備は、しておけ。――無理は、するなよ」 声を張り上げる。片手には本を携え、海風に靡く髪を押さえる。 「――さて、さて。海神様よ、我らに偉大なる加護を、どうか」 薄い唇がそっと、本の表紙に触れる。 待つ。時を。見える瞬間を。

2014-03-10 00:14:27
【慈愛】贖罪 @hakuzia_umi

停止したこちらとは違い、悠々と近づいてくる船に眉を下げ、贖罪は何処か切なげに。潮風に揺れた髪を押さえながらこつこつと船の一番広い場所へ歩を進める。 「はい、」 ポケットから出したのは三つの薄緑の透けた石。ビー玉程度しかないそれを右手に握りこみ、そっと正面に突き出す。

2014-03-10 00:31:41
【慈愛】贖罪 @hakuzia_umi

「――嗟乎、武器を向ける罪をお許し下さい」 ふわりと周囲に浮かせ、接触を待つ。

2014-03-10 00:31:49
【強奪】壊尽 @sinka_umi

やがて、銀の船は緩やかに、もう一方の船へとその船体を寄せる。ぶつかるギリギリのところで船を止め、壊尽は操縦していた手を離した。金糸が揺れる、ばさりと長い袖がはためく。 「……ふふっ、」 袖の中で掌を握りしめ、胸に抱いた。 「《腕は鞭剣に、鞭剣は袖の中に》」 歌う声音。それは響き。

2014-03-10 01:09:35
【強奪】壊尽 @sinka_umi

袖の中で、鞭剣に変じていく腕を感じながら、一歩ずつ歩み寄る。 「ふふっ、あれは信徒、でいいのかな?」 一人問うように首を傾げ、また一歩と進んでいく。にこやかに笑みを深めながら、寄り添っている船、その中に見える二つの姿を確認した。 「ふふっ、二人、ね」 零す笑みは悦を孕んで。

2014-03-10 01:09:39
【強奪】壊尽 @sinka_umi

「ふふっ、ふふふ」 足が止まる。腹を抱えて笑うかのように、腰を折り、体を震わせた。 「小手調べ、だねぇ」 左腕を振るう。袖の中から鞭剣がしなり、伸びていく。狙いは薄黒と緑の間。擦るだけでも、《呪い》で多少の傷はつくだろう。 ——さて、どう動く? 見つめる双眸は、弧を描き、緩んだ。

2014-03-10 01:09:43
人間《ディアドラ》 @actSkbz

――挨拶も無しとは、全く礼儀のなっていない。これだから海賊は! 「神託を告げる!  『海神様の加護受けし水壁よ、障りから我らを守護せん!』」 張り上げる。怒声に近い其れに呼応し、波飛沫は集って殉教と贖罪を守護せんと障壁を成す。

2014-03-10 01:25:30
人間《ディアドラ》 @actSkbz

「この下郎! これだから海賊は厭なんだ、嗚呼本当に全く!!」 挨拶ぐらいしろ、と怒鳴る。携えた本に触れ、唇を舐める。 「贖罪、此方へ来い! 相手の能力が解らない以上、個々で在るのは危険だ!」 彼女の力は余り使わせていいものでは無い。――負担が、大きすぎる。

2014-03-10 01:25:38
人間《ディアドラ》 @actSkbz

「『海神様の加護よ、生命の水よ、鋭きを成して降り注げ!』」 狙いは無い。ちょっとした時間稼ぎのようなもので、海水で作られた針のようなそれに、深い傷を負わせるような力は無い。 彼女の、――贖罪の力は。ここぞという時にこそ、と殉教は考える。睨む先には、少年が在った。

2014-03-10 01:26:25
【慈愛】贖罪 @hakuzia_umi

船はすぐに飛び移れそうな位置で留まる。其処にいるのは金の髪の海賊。袖を翻す。前に進む。笑みを浮かべる。その動きを眼で追い、辿り、歩くであろう道を脳内に描き、 「――嗟乎、」 吐いた息は切なげに。殉教の声に掻き消されそうなほどにか細く。 水の壁から一歩退避。 ……中距離相当。

2014-03-10 01:42:08
【慈愛】贖罪 @hakuzia_umi

「固まっていれば、狙いが集中します!」 拒否ではない。ただの意見。緑眼は少年から離さず、片腕で空を凪ぐように振り石を引き寄せる。 小さい体躯は石と共に床を猫のように跳ね、殉教の近く、しかしそれでも距離は空け、高い位置に。狙われるが、狙いやすいそこで相手を探る。

2014-03-10 01:42:13
【強奪】壊尽 @sinka_umi

ぱしゃり、と水の障壁に鞭剣がぶつかった。引き寄せる。袖の中に戻っていくそれはあるべき腕の姿に戻っていた。 挨拶をしろ、という怒鳴り声には、ふふっ、と笑みを滲ませ。 「ふふっ、戦場で礼儀ねぇ、ふふっ、好きだよ、そういうの。 『壊尽』、俺は『壊尽』さ、ふふっ」 弾む声を張り上げる。

2014-03-10 02:50:50
【強奪】壊尽 @sinka_umi

また一歩踏み出し、自身の体の重さが変わっていることに気づき、嗚呼、と息を吐く。大人の姿は安定しない、やはり戦うには子供の姿が良いか。 そうして、笑みを浮かべ、向かい来る水針を、鞭剣に変じている右腕を振るい、弾き落とす。その後、右から伸びたそれは左と同じように、袖の中へ消えていく。

2014-03-10 02:56:27
【強奪】壊尽 @sinka_umi

——腕の形に戻したのだ。 そのまま、前を見やる。警戒するような二人の姿に、うっとりと笑みを深めて、両手を広げる。潮風に袖が遊ばれる。 「勿論、そっちも名乗って貰えるよね?」 礼儀、礼儀と言うのだから。声音に僅かながらの嘲笑を滲ませて、首を傾けた。

2014-03-10 02:56:43
人間《ディアドラ》 @actSkbz

「む、済まない、それはそうなんだが、な!」 傍にいてくれれば、恐らく神託も届きやすいと。殉教は贖罪の位置を把握し、視線は再び少年――『壊尽』へと向けられる。 「そうか」 返す言葉は、たったそれのみ。 「お前に名乗る名など無い、と言いたいところだが」

2014-03-10 03:14:54
人間《ディアドラ》 @actSkbz

ぎり、と奥歯を噛み締め深海に殺意を漲らせる。 「【海賊】風情に礼儀を説かれる事ほど癪な事も無い」 「“殉教”だ。憶えなくていい、どうせお前はここで裁きを受ける!」 声は高らかに。片手に携えたる本は潮風に頁を翻し。

2014-03-10 03:15:02
人間《ディアドラ》 @actSkbz

「告げる! 『吹く風は幾つもの刃と成す、其は罪深き海賊に裁きを下さんと』!」 吹き荒ぶ潮風は薄く刃を形作った。数は十程か、全て『壊尽』の元へと向かうそれに、追尾性は無い。避けようと思えば避けられる代物。

2014-03-10 03:15:09
【慈愛】贖罪 @hakuzia_umi

鞭と水針は相殺。散った飛沫に眼を細めそのまま殉教を一瞥し、無事を確認。三つの石に『停止』を指示し、まっすぐとその姿を視界に収め、 「……“壊尽”」 小さく唇に乗せる言葉はすぐに霞のように消えて。鞭を袖に隠すように消し、嘲笑を浮かべる。殉教が、怒らないといいけど、と危惧しながら。

2014-03-10 03:33:02
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