社会主義の問題は「平等」ではなく「計画」だ!by 飯田泰之(@iida_yasuyuki)

「社会主義のダメなとこは働いても働かなくても同じ様な賃金を貰えるからだ」という巷説に対し、そもそも社会主義って言われているほど平等志向ではなかったし、寧ろ計画経済的な要素の問題があるという飯田泰之・明治大准教授(@iida_yasuyuki)の指摘を中心としたまとめ。
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レッドブルP @redbull_p

社会主義の弱点は、働いても働かなくても同じような賃金なので労働者が怠けることだと思ってるだろ?違うんだよ だいたいお前ら残業代も出ないのに夜まで働いてるんだから 本当の弱点は、中央政府が国民の細かい需要を読んで計画的に生産を行うことが不可能な件だぞ

2014-03-15 21:01:36
飯田泰之 @iida_yasuyuki

社会主義でも待遇差つくることはできるしね @redbull_p 社会主義の弱点は、働いても働かなくても同じような賃金なので労働者が怠けることだと思ってるだろ?違うんだよ だいたいお前ら残業代も出ないのに夜まで働いてるんだから 本当の弱点は...

2014-03-15 21:15:13
おにぎり @satoyamahello

@iida_yasuyuki @redbull_p  資本主義も社会主義も、突き詰めると平等に見えて不平等な世界なんですかね?だから、法律という規範科学が存在するんですかね?

2014-03-15 21:24:08
飯田泰之 @iida_yasuyuki

社会主義だと平等ってどこから出てきた話なんだろ.それは不可欠な要素ではない.社会主義・共産主義の特徴は計画経済(生産手段の公有とか投資の社会化)の方だと思うんだけどなぁ.

2014-03-15 21:27:53
飯田泰之 @iida_yasuyuki

マル経いらね...みたいに言う主流派経済学者多いけど,理論体系をどこまでやるはともかく,社会主義経済がなんだったのかは知っておく必要があると思うんだよね.

2014-03-15 21:30:24
おにぎり @satoyamahello

@iida_yasuyuki  計画経済の“計画”が、平等と同義に思われて、使ってしまってるからではないですかねぇ?

2014-03-15 21:31:15
じゅん @JUN_xiaoshan

@iida_yasuyuki 確かに。社会の仕組みと平等かどうかは別問題かもですね。 でも、社会主義や共産主義には「富を全国民で平等に分配する」というイメージがあります。 ちゃんと勉強したことないので、あくまでなんとなくのイメージですが。。。

2014-03-15 21:32:47
飯田泰之 @iida_yasuyuki

党内順位あげたり,特権つけたりと,社会主義も結構いろいろ工夫はしてたんだよね.資本主義下の企業の成果主義とかがそれより上手いかどうか正直わかんない.問題は計画経済の方だと思う @satoyamahello 資本主義も社会主義も、突き詰めると平等に見えて不平等な世界なんですかね?

2014-03-15 21:33:00
たのあきら(公開用) @tanoakira_open

@iida_yasuyuki 経済学としての社会主義はともかく、政治運動としての社会主義は「個人主義」の対義語で「平等を重んじる主義」だったかと思います。

2014-03-15 21:38:05
おにぎり @satoyamahello

@iida_yasuyuki ただでさえ、人の思考はよく分からない中で、需給の計画が完璧!って言えるよなぁと思います。ましてや、行動経済学へのアクセスがし易くなり、より計画経済なんて無理な話だと思います。

2014-03-15 21:40:39
飯田泰之 @iida_yasuyuki

社会主義の失敗は結果の平等の追求にあったわけではない(そもそもたいして平等ではない).社会主義の失敗は計画経済の困難性にある.これをわかってないから,未だに計画経済タイプの政策提言が生き残ってしまう.

2014-03-15 21:55:13
むとうさん @Econo6103

@iida_yasuyuki 佐藤優氏がどこかで「解毒剤としてのマルクス主義を学んでおくことは重要」って言ってた記憶があります。ただ東大経済だと駒場で半期週2コマが必修に近い扱いなのはやり過ぎな気もしますが。あくまで経済思想・経済学史として。

2014-03-15 22:05:00
飯田泰之 @iida_yasuyuki

うん.社会主義とか革命とか出てこないけど実は社会主義ってネタは今でも多いですしね. @Econo6103 「解毒剤としてのマルクス主義を学んでおくことは重要」って

2014-03-15 22:06:59
Satoshi中村 在宅介護プログラマ @273sn

@iida_yasuyuki 逆に、経済などを「計画できる」という前提は、人が生まれ持った"楽観性"に深く基づいているからではないでしょうか。そして、人の行動もその"楽観性"があるから、社会や経済も成り立っている側面も。

2014-03-15 22:15:32
Pierre84 @spaptre

@iida_yasuyuki 計画経済は第一次大戦下ドイツ戦時統制経済モデル踏襲 本来は管理と分配に置き換えて経済は持たない 更に発展した共産体制では管理も必要なくなって分配のみ ソ連は第二次大戦戦勝による超大国化が原資となって資本主義に移行した

2014-03-15 22:35:31
くろ @kuroseventeen

@iida_yasuyuki 社会主義は欧州で元気一杯なところはどう思っているんでしょうか。資本主義とは概念が違うかと。

2014-03-15 22:37:58
Pierre84 @spaptre

@tanoakira_open @iida_yasuyuki 政治視点では社会主義は階級闘争だ 個人に対抗して人生の社会化をめざす 贈与・相続・世襲を認めず 一代限り使いきり人生 死ねば没収 集団保育・寄宿舎教育を推進する

2014-03-15 22:44:04
愛犬ここ買え @ratyi

@iida_yasuyuki 今でも産業政策論のような講座はあるのでしょうか?75年ごろの経済学部では最新の講座のような記憶があるのですが!

2014-03-15 22:53:35
けむー @ediok_koide

社会や経済は設計通りに動かせる、という考え方が間違いだということでしょうか?“@iida_yasuyuki: 社会主義の失敗は結果の平等の追求にあったわけではない(そもそもたいして平等ではない).社会主義の失敗は計画経済の困難性にある.これをわかってないから,未だに計画経済タ…”

2014-03-16 07:41:00

参考までに

ソ連型システム崩壊から何を汲み取るか──コルナイの理論から 松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』

http://synodos.jp/economy/6279

さきほども触れましたが、よく「競争がないとみんな怠けるから駄目になる」というのがソ連型システム崩壊の原因のように言われることがあります。しかしこれは違います。競争は十分ありました。(中略)庶民のままでは、日常生活に必要な物も、長時間行列に並んでやっと手に入れなければならない。地位が上がればそれに応じた特権が手に入るとなれば、出世競争をがんばるインセンティブ(誘引)としては十分です。しかも、地位による給料の格差は、普通の資本主義国と比べて決して小さくはなかったです。

コルナイさんは、こんなことが起こる原因として、まず「投資渇望と拡張ドライブ」をあげます。要するに、企業が機械や工場を設備投資して、生産規模を拡大していくことに、歯止めがないということです。(中略)次に、「量志向とため込み」をあげています。(中略)中央政府から突発的な生産ノルマが降りてきても、支障なく超過達成して、ご褒美のボーナスをもらえるよう、日頃からあらゆる手を尽くして生産に必要な資材を集めておくというわけです。(中略)さらに、「輸出ドライブ」をあげています。ともかくたくさんの量を輸出しようという志向です。

これらのことが、生産手段の不足をもたらします。資材が慢性的に不足するならば、企業は、もしものために買えるうちに資材を買ってストックしておこうとしますので、「ため込み」志向はますますひどくなります。そしてますます生産手段が不足します。(中略)この結果、消費財生産に比べて、生産手段の生産に比較的多くの工場や労働や生産物資が配分されることになります。それに対して消費財は社会のニーズに比べて生産が少ないままに放っておかれます。(中略)かくして、消費財も不足します。スターリン時代のような恐怖の脅しが使えない時代になったら、労働者の不満をなだめて働かせるために、賃金は上がっていきましたが、賃金が上がっても買える物がありません。西側ではそうなると価格が上がって、消費者は買うのをあきらめるのですが、価格は統制されて決まっていたり、場合によっては無料だったりしますので、いつも長い行列がなくならない慢性的な需要超過が起こります。

もともとソ連では、スターリン時代、重工業にばかりに偏った経済計画を遂行していました。人手も物資も重工業にまわすために、消費財の生産はわざと抑えられていました。それで急速な工業化をしたのですが、いざ工業化を成し遂げても、そのまま、生産手段部門に過剰に工場や人手や資材が張り付いて、消費財生産の割合を膨らませることができない構造になっていたわけです。

これでは、大衆の生活を豊かにするなんて、最初からかなわなかったことになります。おまけに、いつも品不足で、買い手が頭を下げて売り手がふんぞり返っている状態では、コストを下げて安くしようとか、品質を上げようとかという誘引は働きません。だから生産性が上がらず、不足はますます解消されないままだし、消費財の種類でも品質でも、西側資本主義国との差が開く一方になってしまったわけです。