20140316 #NHK スペシャル「メルトダウン File.4 放射能“大量放出”の真相」
#NHK SP「メルトダウン File.4 放射能“大量放出”の真相」東電福島第一原発事故から3年。大量の放射性物質がどうやって放出されたのか、今も明らかになっていない。原発から5km地点のモニタリングポストのデータを解析すると、早い時間帯で高濃度の放射性物質が放出、と。
2014-03-16 21:02:12#NHK 震災発生の翌日、1号機がメルトダウン、水素爆発。2日後に3号機、3日後に2号機がメルトダウン。セシウム137の放出のデータを重ねると、水素爆発しなかった2号機から最も多く放出されているらしい?
2014-03-16 21:05:46#NHK 配管のつなぎ目やフタの部分から放射性物質が漏れたと見られる2号機。3月14日〜15日にかけて、原発の北西部、そして関東一円へ広がった。2号機だけ、ベントが全くできない状況に陥っていた。現場で何が起きていたのか。
2014-03-16 21:08:12#NHK 3月14日、2号機の中央制御室。地震発生から動き続けていた非常用の冷却装置が停止。午後1時25分、核燃料を冷やす水が急速に減っていた。原子炉建屋から300m離れた免震重要棟では、1号機・3号機の水素爆発の対応に追われていたが、2号機にベントの指示を出す。
2014-03-16 21:09:30#NHK 元東電運転員「健全性を失わないためにもベントは必要だった」2号機中央制御室、電源が失われていた。格納容器の圧力が下がらない。AO弁というバルブを開けるための空気が足りないのではないか、と現場で推測。確認のため復旧班が現場へ。バルブは原子炉建屋の中。
2014-03-16 21:11:58#NHK 建屋の入り口には二重の扉。付近の線量は高くない。扉を開けて内部へ。メルトダウンが近づく原子炉から10m。ボンベ圧力異常なし。AO弁に空気は供給できている模様。しかしベントはできていない。バルブ自体が故障している?その間にも、格納容器の圧力が上昇していた。
2014-03-16 21:15:36#NHK 最後の手段は、予備のバルブを使うこと。しかし二重扉の内側にある。再び原子炉建屋へ復旧班が向かう。が、線量が高く、原子炉建屋は蒸気に包まれていた。復旧班退避。このあと建屋の中での作業は一切できなくなった。
2014-03-16 21:17:31#NHK 福良ユニット所長(当時)「やることは決まっていて、それをやろうとしていた。2号機は人が近づけなくなってしまっていた。バルブ自体に」メルトダウンによって、大量の放射性物質が出始めていた時間帯だった。しかしこの段階では、設計上の限界を超えていないはずだが。
2014-03-16 21:18:32#NHK なぜ放射性物質が放出されたのか。さまざまな事故調でも原因がわからない。専門家は、格納容器そのものではなく、その外側の設備に注目。RCIC(非常洋冷却装置)。蒸気でタービンを回して水を送り込み原子炉を冷やす仕組み。そこから漏れる可能性があるという
2014-03-16 21:19:58#NHK しかし、タービンの軸の部分は四重のパッキンで厳重に塞がれていた。実際に漏れることはあるのか。NHKが入手したRCICの図面を専門家に見せ、装置を再現、蒸気を流し込む実験。パッキンにかかる圧力を事故前の状態にすると、蒸気が漏れることはない。圧力を上げてみると。
2014-03-16 21:21:30#NHK すると、大量の蒸気が吹き出した。RCICには死角があった。パッキンとパッキンの間にはもともと隙間が作られていた。蒸気を吸い出す装置は電気が止まると動かない。するとRCICから蒸気が一気に吹き出してしまう。建屋内部の放射線量が上昇してもおかしくないと見られる。
2014-03-16 21:23:18#NHK 元運転員「当時私はそこまで気が回らなかったが、今見返せばリークする(漏れる)箇所のひとつだというのはある」高まる圧力に格納容器が耐えられなくなっていた。3月15日午前0時41分、炉心損傷率は5%→7%へ。30Sv。午前8時45分、原子炉建屋から白い湯気が。
2014-03-16 21:25:31#NHK この時点で、線量は正門付近で11,930μSv。東京の渋谷でも通常の2倍の放射線量を記録。格納容器が破られ、大量の放射性物質が放出された。元運転員「最善を尽くそうと取り組んだが、最善がどんどんマイナスになってしまって。やりたいことはあったが、やれることがなくて」
2014-03-16 21:27:20#NHK 格納容器のどこが壊れたのか。具体的な場所を探る調査が始まっている。まず1号機。遠隔でボートを操作、搭載したカメラで損傷箇所を探る。格納容器周辺の配管から漏れだす汚染水を録画。この奥のどこかに損傷箇所があるということ。格納容器は予想より深刻な状況にあるのでは。
2014-03-16 21:30:21#NHK 漏れた場所を辿っていくと、格納容器の下の部分に行き着く。壊れにくいと考えられていたはずの場所。さらに詳細に分析。シミュレーションでは、核燃料が溢れだし格納容器の壁に向かっていくが、壁から1m地点で止まる。直接触れていないが、輻射熱で壁が破壊される?
2014-03-16 21:33:06#NHK 核燃料の2,000度を超す熱で、格納容器の壁が600度近くまで上昇。格納容器の金属部分が外側に向かって膨張。外側のコンクリート部分、コンクリート製でない箇所との継ぎ目の部分に大きな力がかかり、耐え切れず、破壊されるというシミュ結果になった。
2014-03-16 21:34:38#NHK 東電・姉川常務「それはその通りだと思います。福島で大きな漏洩が起こったところは手立てをする。それ以外のところでも、どうやって防ぐかを考える。やれることはまだまだあると思うので、そういう対策をするんじゃないかなと思う」
2014-03-16 21:36:09#NHK 3年間眠っていた、上羽鳥のモニタリングポストのデータ。20秒おきの放射線量が、地震発生から3日間にわたって記録されていた。福島県原子力センターで解析。3月12日午後2時40分、1時間あたり4.6mSv。その頃、1号機のベント。原発敷地内でも線量が高くなった。
2014-03-16 21:38:58#NHK 午後2時にベントをした場合のシミュレーション。放出された放射線物質は北西に向かって移動、上羽鳥を通過する。ベント開始からすぐにセシウムが放出されていることが確か。しかし1号機ベントの前、東電は「放射性物質の放出は問題ないレベルだ」と発表していた。
2014-03-16 21:40:27#NHK 格納容器の下の部分には、サプチャン(圧力抑制室。ベントの際に放射性物質の放出の量を下げる)がある。イタリアの実験施設で、サプチャンの仕組みを実験。サプチャンに見立てた高さ3mの水槽に、上からの配管で蒸気を送り込む。水温は低く保つ。高音の蒸気は泡となりすぐ消える。
2014-03-16 21:42:15#NHK 蒸気は冷やされると一瞬で熱を奪われ水に変わる。そのため泡が消えるように見える。蒸気の中にあった放射性物質は水の中にとらえられる。しかし、1号機のサプチャンでは異常事態が発生していたのではないか?格納容器とは別のラインから、既に高温の蒸気が流れ込み、温度成層化が。
2014-03-16 21:43:46#NHK …起こっていたのではないかと専門家。施設でこのパターンを実験してみると、蒸気は大量の泡となって、水面まで上昇。放射性物質も見ずに取り込まれず一緒に放出されることになる。水温が低い場合は放出を0.1%に下げられるが、水温が高いと50%になってしまう。
2014-03-16 21:45:04#NHK 専門家は、今回のことはサプチャンの水温上昇だけでは説明しきれない部分もあると指摘する。格納容器の中のさまざまな化学物質の量や性質によっても違いが出るのではないか。
2014-03-16 21:46:37#NHK 原子力規制委員会・更田豊志委員「想定にしても十全になるように、できるだけの努力をしたつもり。しかしそこで終わりではなくて、努力を常に続けていかなければならない」
2014-03-16 21:47:24#NHK NHK「事故のあと、新しい規制基準が作られ、17の原発が原子力規制委員会の安全審査を受けている。多くの課題を置き去りにしたまま検証を止めることがあってはならない。検証がまだ道半ばであることを忘れず問い続けていくことが求められている」
2014-03-16 21:48:51