【ソ連機ツイート】第六回 Yak-1, Yak-3について

ソ連の序盤の主力Yak-1…そして改良型であるYak-3…これらについてまとめました。
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IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

ソ連機ツイート第六回、機体解説としては二回目ですね。 今回は「最も偉大な戦闘機」の1つ、Yak-1とその発展型Yak-3について解説しようと思います。

2014-03-17 20:09:40
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

さて…唐突ですが、クレムリンでの航空関連での会議の二か月後の話です。アレクサンドル・セルゲーエヴィチ・ヤコヴレフはある日突然スターリンに呼び出されます。 その要件は…以前試作した双発機が出力の割にかなりの高速を記録したので興味を持った、との事でした。

2014-03-17 20:14:47
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

呼び出されたヤコヴレフはスターリン直々に「戦闘機の設計に興味はないか?」と声をかけられます、続けて「戦闘機をやる気があるなら、クリーモフのエンジンのデータを貰って検討してみたらどうだ」と、まで。

2014-03-17 20:16:21
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

流石にヤコヴレフは「戦闘機を設計した経験がありませんので、自信はありませんが…」と即答は避けましたが、その後再び行われたクレムリンでの会議にて、他の設計局と同じく戦闘機の開発が命じられ、ヤコヴレフ初の戦闘機の開発が始まる事になりました。

2014-03-17 20:18:49
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

まずエンジンの選定ですが…前回のMiGとは異なり、クリーモフ系列を採用しました。M-106という1350hpを発揮するとされる新型エンジンでした……が、開発に遅れが出ており、急遽同系列のM-105が搭載されることになっています。 http://t.co/jyQZRRuqCW

2014-03-17 20:21:36
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IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

M-105は前にも説明しました通り、フランスのイスパノスイザ12Yの血を引いた、液冷正立V型12気筒エンジンです。モーターカノン…プロペラハブ上に大口径火器を搭載可能な設計でした。初期型は1050hpと300hp程低くなっています。 http://t.co/4cTQ5p5M4y

2014-03-17 20:28:06
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IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

M-105を搭載した、ヤコヴレフ初の戦闘機はИ-26(I-26)と名付けられました。И(I)はИстребитель(イストゥリィェビティェリ) …戦闘機を意味する語の頭文字で、26番目の戦闘機と言う意味になりますね。

2014-03-17 20:31:19
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

I-26の試作1号機は1940年1月13日に完成しました。このスマートなボディを持つI-26は工場員から「美男子(Красавецクラサーヴィツ)」と呼ばれていました。 http://t.co/htMiLQ1aD9

2014-03-17 20:36:08
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IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

今までのソ連の主力機はI-15やI-16の様な空冷で寸詰まりな外見でしたからね…。 白黒なので色が分かりにくいと思いますが、試作機は真っ赤に塗装されていたとされています。他のソ連の試作機も赤い物が多いですね。 http://t.co/dImDrKipIy

2014-03-17 20:38:48
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IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

I-26の武装は20mmx1と7.62mmx2となりました。(元々は別の仕様でした) 当時20mmを搭載した機体は少なく、かつ同軸に20mmを搭載した機体はほんの僅か…。その上それらの20mm機関砲はエリコン社製のドラム弾倉式であった為、弾数に制約がありました。

2014-03-18 00:05:57
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

しかしI-26の搭載したShVAK機関砲はソ連独自設計で、ベルト給弾式を採用していました。これによりドラム弾倉による60発という制約を受けることも無く、130発も射撃する事が可能でした。これは火力面で大きなアドバンテージです。

2014-03-17 20:44:22
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

当時のドイツの主力であったBf109E-3は20mmを搭載していましたが、これはドラム給弾式で1門60発でしたから…プロペラ軸内という一番当てやすい位置で倍以上の弾を撃てるのは、間違いなく大きな利点です。 http://t.co/eFrVQ8WKgE

2014-03-17 20:49:44
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IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

試作1号機は試験飛行にて586km/hを記録…高速液冷機と言っても差支えないものですね。

2014-03-17 20:53:06
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

その後1号機は墜落し失われますが、すぐに2号機、そして3号機が作られました。これらにはそれぞれ細かい変更があるのですが…長くなるので今回は割愛します。この後先行量産として15機ほどが作られています。 http://t.co/4oCtFsuTcU

2014-03-17 20:54:45
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IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

40年5月1日のメイデーにて、I-200(MiG)とI-301(LaGG)が赤の広場の上を飛んだ一方で、I-26は1号機の墜落を受け飛ぶことは出来ませんでした。2号機は既にありましたが…墜落の原因がまだ不明だった為ですね。

2014-03-17 20:58:16
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

I-26は他2機種に比べトラブルなどがが多く、遅れを取っていました。 今までいくつかの航空機の設計は行っていましたが、戦闘機は初めてでしたからね…。

2014-03-17 21:01:07
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

その後無事に正式採用され、新しい命名法則によりYak-1と命名されました。多くのトラブルに見舞われながらも…何とか実用に足るものと認められたのですね、

2014-03-17 21:04:26
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

採用され量産が決定したYak-1ですが、ここでも不運が……原因は不明ですが、生産のペースが他2機種(MiG/LaGG)に比べ上がらず、供給が遅れます…。 Yakの設計は複雑ではなく、どちらかと言うと量産に向いていたので…工場側の問題だったのでしょうか…?

2014-03-17 21:07:32
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

Yak-1は機首部分からコクピット周り、及び主翼下部のパネル等が金属…主翼が木製で、胴体後部などは金属構造の上に羽布を貼ったものでした。木金混合なのは、戦争で金属が不足すると見越しての考えによる物ですね。

2014-03-17 23:51:30
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

Yak-1の性能ですが、速度性能では他の二機種より劣っていました。MiG-3と比べると遥かに劣っており、LaGG-3よりも僅かに劣速…。火力ではMiG-3より上でしたが、LaGG-3よりは低いものでした。

2014-03-17 21:10:55
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

最速であったMiG-3が一番期待されていた様に、当時ソ連は速ければ速い方が良いと考えていました。 速度は3機種の中で一番劣り、火力的にもそれほど高い訳ではないYak-1はあまり期待されていたとは言えません…。

2014-03-17 21:14:57
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

…しかし、いざ独ソ戦が始まるとその評価は逆転します。 MiG-3は低高度で満足に戦えない上に操縦が難しいとされ……LaGG-3はその重量から運動性が悪く、また試作時より性能が低下していました。

2014-03-17 21:17:52
IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

一方でYak-1は操縦が比較的容易であり、加速性や運動性は二機より高いものでした。 これによりBf109E型よりは優位、(性能的には)Bf109F型には対抗が可能とされました。 http://t.co/7zNOQgIt6o

2014-03-17 21:19:06
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IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

…とはいえ…ソ連のパイロットは技量でドイツパイロットに劣っており、Yak, MiG, LaGGの3機種とも必死な抵抗をするも、その多くは成すすべなく落とされています…。 http://t.co/jyNFVcayeY

2014-03-17 21:21:31
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IL-2☭いりゅーしん @Il2_Ilyushin

独ソ序盤の必死に抵抗している間にも、Yak-1は細かな改良が施されています。 まず行われたのは、搭載されていたM-105Pエンジンを低高度向けに調整されたM-105PAに換装する事でした。

2014-03-17 21:24:50