泉佐野の「はだしのゲン」回収のニュースに見るヘイトスピーチ規制の在り方に関する私見

自分用備忘録
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金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

「はだしのゲン」小中図書室から回収 市長「差別的表現」 大阪・泉佐野(朝日新聞デジタル) - Y!ニュース http://t.co/aQUDfZeNpp ▼このニュースに関しては、だいぶ思うところがある。以下、連投。

2014-03-20 11:48:44
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights 「はだしのゲン」を小中学校の図書室から回収する、というあまりにもオカしな暴挙で、このニュースが報じた「事実」については怒りを禁じえない。が、ちょっとこのニュースに関連して、「表現の規制」について、だいぶ考えるところがある。

2014-03-20 11:51:28
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights 朝日新聞の報じるところによると「問題視された」としているのは、下記の2ページ。 http://t.co/ppzUbcgPVp http://t.co/dlHOOF8swN

2014-03-20 11:52:22
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights 最初のページについては、短剣を手にした兵隊らしき男に青年が詰め寄られている。「ヒヨコ、入隊できないように手と足を切り落としてやるぞ」そう言って詰め寄る兵隊らしき男に青年が「うわー、きちがいだ、だれか、だれかきてくれー」と助けを求めているシーン。

2014-03-20 11:54:07
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights 2頁目は小学生らしき子供ら4人が「~~ひるめしはミミズのうどん、ルンペン生活なかなかつらい、月月火火ノミがいる~」と貧乏を半ば自嘲しながら歩いているシーン。続くコマで「あんちゃん大丈夫か?わしら本当にあんちゃんの家においてもらえるのか・・・」と続く。

2014-03-20 11:57:00
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights どちらのシーンも当時を生々しく描いたもの。ただ、ここで使われている「きちがい」という単語、「ルンペン」という単語を、「言葉狩り」的に取られ、これを回収の根拠として挙げている、という事のようだ。まったくバカらしい。

2014-03-20 11:58:26
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights 作品全体の「文脈」を無視した「言葉狩り」が、権力によって「悪用」された好例ではないかと思ってボクはこのニュースを見ています。作品全体としては、当時の生々しい現実を描き、全体として強烈に戦争の悲惨さを伝えたもの。そうした文脈からの判断を全く行っていない。

2014-03-20 12:00:14
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights ただ、ここで自戒を込めて見直す必要があるのは、こういう「言葉狩り」が「権力に悪用されるおそれ」は、ヘイトスピーチの議論についても当然必要で、しっかり考慮しておかねばならない、という点である。

2014-03-20 12:03:12
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights 判断の俎上に上げる単語が「差別語」かどうか、という判断形式を推し進めれば、今回の泉佐野の事例が示すような事態は、現実に起きることになる。ヘイトスピーチ規制の対象を、人種・民族以外の差別カテゴリに広げれば広げるほど、この問題は起きやすくなる。

2014-03-20 12:05:47
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights この点に関し、ラバト行動計画の段落29に上げられている「6要素テスト」では、判断要素として真っ先に「文脈」を挙げている。また、海外でのヘイトスピーチに関する裁判事例でも、「文脈」からみて憎悪扇動に該当しない、という判断をしている事例は存在する。

2014-03-20 12:07:50
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights 言い換えるなら、ちゃんと「文脈」に照らしてどういうメッセージ性があるのか(≒効果があるのか)を判断することを、法律自体に組み込みながら規制法は検討されねばならないし、そうすることで権力による「悪用」のリスクは相当程度「軽減」できるとボクは思う。

2014-03-20 12:10:10
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights しかし、そうした「安全装置」を作らずに法規制の議論を推し進めてしまえば、今回の泉佐野の事例が示すような事態を、むしろ誘発し、増大させるおそれがあるだろう。その程度に、ヘイトスピーチ規制の議論は、難しい議論であるという点は、理解されねばならないと思う。

2014-03-20 12:11:29
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights 従前、こんな「まとめ」を作った。 「ヘイトスピーチ規制の議論のために」→ http://t.co/9vDMgt4cVF 「ヘイトスピーチ規制の議論のために➁」→ http://t.co/GB5B14b5P5 

2014-03-20 12:13:39
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights これらは、海外でのヘイトスピーチ規制法(刑事)に関するもので、まとめの➁で提示した「藁人形」というヤツも、単純に海外の規制法と日本の名誉毀損罪の規定をぶった切ってくっつけた、検討用モデルにすぎない。

2014-03-20 12:15:06
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights が、このまとめ➁で提示したものは、条文上で「文脈」という要素を加味しているものは、一つもない(ってか、ラバトの6要素テストの要素を考慮してるモノが殆どないです)。この点については、勿論、法解釈として安定するならそれでも構わないっちゃ構わないが...。

2014-03-20 12:17:17
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights 今の時代背景の中で考えるなら、そうした判断手法が安定的に実施されるかどうかを、「解釈」だけに委ねるのは正直いって怖いと思う。その意味でも、条文レベルでかなり精密なモノが必要になるのは不可避だろうと、ボクは確信している。

2014-03-20 12:19:37
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights 従前、「Journalism」11月号の小谷順子さんの論文で紹介されていた、カナダ人権法13条(←廃止されたけど)で用いられた、「hallmarks or hate(憎悪の特徴)」という11項目は、こうしたテストをより精緻に行うためのモノだろうと思う。

2014-03-20 12:22:53
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@HeartRights あそこまで精緻にやる必要があるかどうかは解らないけれど、姿勢としては、ああいうモノを構築する姿勢が必要だろうとボクは思っていたりもします。

2014-03-20 12:23:43
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

「はだしのゲン」の事例が、ヘイトスピーチ規制法を作った場合の「公権力の濫用」を実に生々しく示唆した事例である点は、本当に強調しておきたいとボクは思う。これは法規制を考える上でのリアルな「課題」だ。ただ、「課題」があるから無理だ、と結論するのではなく、超えていくことを考えたい。

2014-03-20 18:58:03