- umi_tisn_kanri
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エピローグタイトル:次の話
シーン主導PC:恩赦
シーン登場PC:恩赦
――恩赦の船は慈愛の拠点へと辿り着く。 破損した部分の修理には、どのくらいかかかるだろうか。それほど時間を取ることはないだろう。きっと、職人がどうにかする。しかし己が関与する点ではないから、思考の隅に留め置くだけ。
2014-03-16 18:08:27船には間に合わせの治療くらいしかできる設備は無いから陸に上がってからはまず医師を呼ぶよう指示をして、ざあと吹いた風に海を向いた。一隻、贖罪の船。波に揺れながらこちらへと寄るそれはどこか頼りなく見える。 悪寒。そんなことがあるはずはない、と首を振る。
2014-03-16 18:08:38頭の後ろ、左目を覆う包帯の結び目が揺れた。 思い違いであってくれと、願ったのも虚しく。 「――――――――」 ふたりの落命を知る。 ……一の海域にいたのは壊尽、それを討ち取り倒れたのだと船員の報告。 報は続く。一羽の鳥が降り立った。聖地より文書を運んできた白い鳥。
2014-03-16 18:08:53……見たくないな、と思ったけれど受け取って。それに目を通し、嗚呼、と小さく零す。 文書には研磨が偽計を討ち取り、そして沈んだ旨が簡潔に記されていた。 目を伏せる。ちゃり、左腿の四連が微かに鳴った。
2014-03-16 18:09:13……葬儀を、執り行わねばならないな、と思う。いや、おそらくは聖地が既に手配を始めているだろう。 ……凱歌の準備は、挽歌の準備に取って代わるかな、と思う。それとも、先送りにされるのだろうか。信徒であり、海神様の加護を受ける者が三人、喪われた。
2014-03-16 18:09:24その程度で揺らぐような信仰・宗教ではないが、それでも他の信徒らに与える衝撃は少なくないだろうから。 ……気が重いが、これからを考える。加護を受けるに相応しき者がいつ現れるかはわからない。 全ては海神様の御心のまま。 ……加護は慈愛と強奪それぞれに対で在る、六つ。
2014-03-16 18:09:47そのうち三つ、壊尽、偽計、無学を討った今、海賊側も残るは三、誘惑、偽道、無理解。 こちら側は、万全とはやや言い難いか。しかし好機ではあるのだ。……向こうの加護持ちが三であるうちに、一気に討ち落とす。 左肩と右腕に治療を受けながら、様々に思考を巡らせ。控えていた従者へ指示を三つ。
2014-03-16 18:10:04早急な船の修理、義手の手配、知悉・禁欲への書状。 最後の指示は、強奪側の加護が三つ失われた今であれば、おそらく応じられるだろうと踏んで。
2014-03-16 18:10:17いつかと似た青空、海は穏やか。港、船は三隻。慈愛の加護、恩赦と知悉と禁欲の。 向かう先、海域は三。それぞれに海賊もあるのだろう。 出航の合図が響く。 ――それからの、事は。 未だ語られない、物語。
2014-03-16 18:10:25エピローグタイトル:生死謳歌
シーン主導PC:無学
シーン登場PC:無学
海の底には見たことも無い建築物がずらりとあった。 石のようで、自在な形をした家々。 「ここは」 『無学』は学んだことの無い世界。
2014-03-17 11:12:27一つ、海賊にとっての天国について話をしたことがあったのを思い出す。 それは、アトランティスとか、竜宮城とか呼ばれる、海底にある世界だと云う。
2014-03-17 11:12:40ならば、これが海の天国なのだろうか。 誰も居ない。誰も、誰も、誰も。誰も居ない。 こんな世界が天国なのだろうか? ……財貨はあるだけでは意味が無い。使う相手がいなければ、意味が無い。
2014-03-17 11:12:44料理を作るにも食材がいる。食材を手に入れるには、奪うか買うしかない。買うには金いる。奪うには相手がいる。金にも相手がいる。
2014-03-17 11:12:49海賊の沈んだ船がある。あるいは、死人でもいるのかもしれない。 「死人には意味なんて無いんだ」 死んだ人間を知らないことには、意味が無いんだ。
2014-03-17 11:13:13オレを知ってるヤツは居た。 オレが知ってるヤツは居た。 たとえこの海底が天国の名を冠する地獄でも、オレはきっと、後悔せずに死んだ。今も、後悔してない。
2014-03-17 11:13:20エピローグタイトル:思い続けて。
シーン主導PC:壊尽
シーン登場PC:壊尽
水底が揺れる。泡が散って、広がる。空へ、水面を目指し、昇っていく。 ——ここは、 空へ昇る泡を眸で追い、息を吐く。ぼんやりと思考が微睡んでいる。そう感じた。それは何処か、眠りに就く前の、静かな揺らぎのような。 ——ここは、何処だ。 見渡す限り、深く青い世界。空と違う青に心が騒ぐ。
2014-03-19 17:13:04