切腹の人による魔性のJC潮と提督SS

継続中
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比村奇石 @Strangestone

お昼休みらくがき。ふとした瞬間に男性教諭(提督)の職業倫理に揺さぶりをかけてくる女子中学生(潮)。 http://t.co/zORT3RnSUz

2014-03-17 12:02:16
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比村奇石 @Strangestone

お昼休みらくがき②。放課後の部活中も男性顧問(提督)の自制心を試してくる魔性のJC(潮)。 http://t.co/L7YqdKxsrk

2014-03-18 12:06:00
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比村奇石 @Strangestone

お昼休みらくがき③。魔性の潮シリーズ通学編。無邪気な子供でなんていられないわけです。 http://t.co/tUZwpfy8jn

2014-03-19 12:02:53
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比村奇石 @Strangestone

お昼休みらくがき④。魔性の潮シリーズ早退編。心配だからと先生(提督)に送ってもらうことになったけど、車は家とは逆方向に走り、人目に付かない道で停まった。 http://t.co/xQvULhxw0X

2014-03-21 12:00:19
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切腹の人. @HarakirimanEX

潮「胸が大きいだけで。どうして……私……嫌なんです。気持ち悪いんです。大人の男も同級生も、みんなみんな私の事をいやらしい目で見るんです」 提督「皆、君と恋人になりたい。夫婦になりたいと思っているだろうからね」 潮「提督も、ですか」 提督「セクハラでクビなるので黙秘させてください」

2014-03-22 07:20:47
切腹の人. @HarakirimanEX

潮「……それ、答えを言ってるのと同じですよね」 提督「失言でした。秘書艦の交代と休息を許可します。人事部には話をつけておくので希望する転属先があれば伝えておいて下さい」 潮「ここには仲のいい友達がたくさんいます」 提督「……そうでしたね。では半刻で荷物をまとめると総司令部に」

2014-03-22 07:25:33
切腹の人. @HarakirimanEX

潮「提督ッ」 提督「ああ情けない。たったあれしきの事で動揺してしまうとは、私にはやはり艦隊指揮の才能はないようだ。なに、元よりこの職に留まるべきか悩んでいたのだ……良い切欠でしたよ」 潮「提督、私そんなつもりで!」 提督「当面の指揮代行は第二艦隊担当の女性少佐に。彼女を執務室へ」

2014-03-22 07:31:01
切腹の人. @HarakirimanEX

潮「提督、どうして……私のせいで、どうして」 こうして私は短い手続きの後、鎮守府を去った。元より半年後には任期を終え退役予定だったので現場の混乱はそう大きくはなかったのが幸いだ。 退役し民間人となった私は、学生時代の恩師の伝手で、小さな島の教員として赴任することになった。

2014-03-22 07:35:40
切腹の人. @HarakirimanEX

学生でさえ艦娘の指揮訓練のために士官学校に送られる時勢だ。どの職種でも慢性的に人手不足で、それは人口の少ない過疎地域で顕著なようだ。 免状には無い教科まで特例として教えてほしいと分校の校長が言って来るほどに教師の数は足りない。 校長「それと、宿舎の鍵は御家族に渡してあるからね」

2014-03-22 07:39:32
切腹の人. @HarakirimanEX

提督「家族? 私は単身者で身寄りも……」 校長「そうかね? まだ若そうなのに働き者の嫁さんだと、おサト婆さんがあちこち言いふらしてたんだが……提督君、顔が青いぞ?」 提督「いえ、なんでも……ありません」 駄目だ、何を期待している。考えてはいけないことを考えている。

2014-03-22 07:43:03
切腹の人. @HarakirimanEX

渡された地図を手に、宿舎だという島の外れの一軒家を目指す。 心臓が早鐘を打つ。賊か敵かN●Kの手のものであってほしい。そうして私の醜い願望を嘲笑ってほしい。 だが。 ああ、潮風に乗って聞こえてくる鼻歌が私の耳に届く。 少し外れた音程のあれは、私が昔口ずさんでいたのを真似た……

2014-03-22 07:49:42

切腹の人. @HarakirimanEX

これで提督を待ってたのが那珂ちゃんだったらどうするんだろうね!

2014-03-22 07:52:01
切腹の人. @HarakirimanEX

那珂「じゃーん、艦隊のアイドル!」 提督「……なんで君がここにいるかね」 待っていたのは、彼女ではなかった。 嬉しいような、残念なような。 那珂「新規の遠征任務の途中で、提督の新しい職場が近いから立ち寄ったんですよう」 提督「……鎮守府は大丈夫のようだね」

2014-03-22 07:58:47
切腹の人. @HarakirimanEX

那珂「はいっ。新しい司令は女性ですし、建造も開発もデイリー任務もビシ!バシ!生収録です!」 提督「はは。やり手とは思ったが、彼女は着任と同時に鎮守府の改革にも手をつけたか。概ね好評そうだね」 那珂「そうですねー。那珂ちゃんも改二にしようって言ってくれましたしぃ」

2014-03-22 08:01:03
切腹の人. @HarakirimanEX

提督「ああ、改二計画が発動したんだね。おめでとう」 那珂「そんな感じで手狭になった鎮守府では不要になった艦の解体も始めてます」 提督「……彼女はやり手だからねえ」 那珂「新任務は、解体して退役した元艦娘たちの輸送業務なんですよー元提督」 提督「へー」 那珂「こっち見ようね元提督」

2014-03-22 08:03:50
切腹の人. @HarakirimanEX

提督「なあ那珂ちゃん。君は輸送業務で来たんだよね」 那珂「そうですね」 提督「輸送を終えて立ち寄ってくれたのかい?」 那珂「ここが最後の輸送先なので、こちらの書類に印鑑を押してくれたら那珂ちゃん任務大成功!です」 提督「まてこれ受領書じゃなくて役所に提出するタイプの書類じゃ」

2014-03-22 08:06:18
切腹の人. @HarakirimanEX

那珂「あ、拇印でもいいそうなので那珂ちゃん朱肉用意してますからさっさと片付けますね。はい、これでケッコンカッコマジ任務、完了ー!」 提督「カリじゃねえのかよ!」 那珂「まあまあ。可愛い新婦さんは愛の巣の中でムフフな夜戦を待ってる最中ですから」 提督「……君、鎮守府じゃもっと別の」

2014-03-22 08:08:31
切腹の人. @HarakirimanEX

嘆息する。 嘆息しか出ない。 意を決し、教員宿舎とされた一軒家の扉をあける。長らく使われてなかったのだろう、カビた匂いが換気のために入りこんだ潮風と混じってむせてしまう。 それほど大きくはないが、一人で暮らすには持て余すほどの広さの部屋。その真中で、少女がひとり眠っている。

2014-03-22 08:14:42
切腹の人. @HarakirimanEX

誰かを待ち疲れて眠ったのか。 鎮守府時代に戯れに買ったちゃぶ台にうつぶせになって、大きなトランクケース一つだけ持って少女は……かつて艦娘だった少女はそこにいた。 私は(書き手が現実に逃避する時刻になりました続き略20RT)

2014-03-22 08:17:02
切腹の人. @HarakirimanEX

最低限の荷物を詰め込んだボストンバッグと、鎮守府時代に愛用していたアタッシェケースを静かに置く。 畳は拭き掃除を終えたばかりなのか、ほんのりと湿り気を帯びていた。網戸越しに吹く潮風が心地好い。掃除を済ませたということは、水道は使用できるのだろう。私は台所に足を運んだ。

2014-03-22 14:41:11
切腹の人. @HarakirimanEX

前もって送っていた荷物は既に届いていたのだろう。使い慣れた食器や大学卒業時にしまい込んだままの調理器具が丁寧に並んでいる。 その中に見慣れぬ意匠の食器が幾つかまぎれているのを確認した後、私は観念したように台所のコンロで湯を沸かす事にした。鎮守府に入る前からの習慣のようなものだ。

2014-03-22 14:45:33
切腹の人. @HarakirimanEX

思えば艦娘達は渋い茶が苦手な娘が多かった。 間宮さんの甘味があれば別だが、金剛姉妹の影響か紅茶党が目立ち、私のような日本茶好きは自分で淹れるしかなかった。 自分一人で飲むのは格好がつかないので当番の秘書艦にも淹れていたが、香ばしく焙じた茶の他はまともな評価を受けた記憶がない。

2014-03-22 14:49:19
切腹の人. @HarakirimanEX

彼女は……潮はどうだったか。 大人のようでもあり少女のようでもあった。コーヒーやココアの方が良かっただろうか。しかし持ち込んだ荷物にはないし、島の雑貨屋を訪ねても入手は無理だろう。 嘆息する。 私は本当に生きるのが下手糞だ。笑い声さえ出てくる。開き直り、上等な茶葉を急須に入れた。

2014-03-22 14:53:56
切腹の人. @HarakirimanEX

湯にあたり開いた茶葉より立ち上る香りが、海とカビの匂いを吹き飛ばす。力強い南方の茶葉を釜煎りしたそれは、鎮守府近くの茶農家より分けてもらった品だ。 その香りが居間に届いたのか、ちゃぶ台をひっくりかえすような音と短い悲鳴が聞こえてくる。 心臓がバクバクと音を立てている。

2014-03-22 14:58:16