取材の誠実さと、映画と、事実。映画「アクトオブキリング」
- rt_luckdragon
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関係ないが、中国にいく前、アクト・オブ・キリングというドキュメンタリー映画を試写でみた。監督の記者会見なんかもあったらしいが出られなくて残念。これは、奇跡のような映画だった。ねらい通りというのではなく、ねらいをこえた作品と言ういみで。
2014-03-22 20:52:17中国で俳優やっている日本人に、ふいにアクトオブキリング、って知っている?と聞かれたので、試写みたよ、といったら、気分悪くなりませんでしたか?と言われた。
2014-03-22 21:02:51@yukayuka アクトオブキリングは見たほうがいい。あれは取材の神様が作らせた奇跡の映画。あんな映画、撮ろうとおもって撮れるもんじゃない。
2014-03-22 21:06:01アクトオブキリングのあらすじは、はしょるが、要するにインドネシアの虐殺者の爺さんに、あなたがどんな風に共産主義者ころしたか、映画で再現して見せて、と依頼して、その虐殺映画のメイキングをドキュメンタリーにしている。モノホンの虐殺者がキキとして虐殺の様子を語るんで
2014-03-22 21:14:13あらすじだけ聞くと気分悪くなりそうな感じなのだが、この爺さんの変化を追って見ているうちに、これぞ取材の神様が起こした奇跡、と何か、猛烈に感動する。監督の取材者としての誠実さが、こういう映画を作らせたのかな、と。
2014-03-22 21:20:59虐殺者はインドネシアではヒーローなんだよ。虐殺された共産主義者は悪だから、その国では。でも今の国際感覚でいえば虐殺者は虐殺者。だが、監督はその虐殺者にとても誠実にと丁寧に、ときにシンパシーすら感じているようになが〜い時間かけて取材していく。
2014-03-22 21:28:20だから見ているこっちまで、この爺さん憎めないんだ。何が言いたいかというと、記者はこうでなければならない、と私は思いながら見ていた。
2014-03-22 21:41:31記者の誠実さ、について、前にツイートしたけれど、そのとき、記者は好奇心、しりたい気持ちに誠実であることだ、といったと思う。監督は虐殺者の心理を純粋に知りたいんだな。だからそれを教えてくれる爺さんに心底敬意をはらっているんだ。
2014-03-22 22:07:23なぜ記者に、という質問をされたとき、社会に役立ちたい、とか、世の中を良くしていきたい、と答える人がいるのね。私だって、子供たちを救いたい、とか、戦争の悲惨さをつたえたい、とか、戦争ジャーナリストが言っているのをきくと、尊敬するし、人道って記者の仕事のキーワードの一つだと思う。
2014-03-22 22:13:24でも、さすがにこの年になると、誰かの正義が誰かの不正義で、だれかの平和が誰かの被支配、みたいな世の中も知ってくるわけで、誰かが世の中のため、と思って報じたことか、誰かにとっては世論誘導って映ることもある。
2014-03-22 22:23:03そういうことを考えているときに、この映画みて、監督が、どういう風に殺したんですか?へぇー、見たいな感じで、誠実に丁寧に粘り強く取材して、爺さんと人間関係築いていく様子に、無性に感動というか、取材能力への嫉妬というか、感服というか、いろんなものを感じた。
2014-03-22 22:30:22でも、この映画公開されたのを見たら、爺さんはひょっとすると裏切られた感じがするかもしれないし、はめられたと思うかもしれない。でも、記者経験のある人なら、わかるだろう。そういう因果な商売なんだよな、取材って。
2014-03-22 22:34:56取材相手に敬意を払うことと、書いたもの撮ったものが、取材相手に利することかどうかは、全く別だから。
2014-03-22 22:38:15まあ、アウトオブキリングは、ぜひ見に行くといいよ。特に取材とかドキュメンタリーとか興味ある人は、ものすごくいろいろ考えさせられるよ。9月30日事件とか、そういう歴史的なことやインドネシアの人道とか、虐殺ってなんだろうとか、そういうことに興味のある人だけでなく、
2014-03-22 23:07:21取材とか、取材者とはなにか、ってことに興味のある人にいろいろヒントを与えてくれると思うよ。「取材の狙い」とか企画書に書くけどね、本当は狙い通りにいかないことばかりで、その狙い通りにいかないときも、あきらめたり、作ったりせずに、誠実に追及していけば、思いもよらぬ結末がある、って
2014-03-22 23:10:20どうして記者に?って質問は、結局、取材ってそれ自体が面白いから、と答えるしかないんだな。正義とか人道とか世の中の役に立ちたい、ってのは、結果として生じるかもしれないけど、最初に持って来るもんじゃない。だって、虐殺者の心理知りたいなんて、ぜんぜん世のためにならないでしょ。でも、、
2014-03-22 23:14:42でも結果的に、9月30日事件のすさまじさや、虐殺の恐ろしさ、あるいは爺さんの罪を告発する形の映画になった。でも、最初から、そういう映画を作ろうと思っていては、そういう映画にはならなかったんだよ。
2014-03-22 23:16:22せっかく試写会に読んでもらったのに、私の場合、中国関連以外の映画評書く媒体なくて、ちょっと長くて読みにくかったでしょうが、連続ツイッターしました。金払って見て損なし。アクトオブキリング。アクトってうつと、kの指圧が弱いのか、アウトって出てしまうところが、ごめん。
2014-03-22 23:18:39@tflowerhill 映画の中で、そんなことをほのめかすセリフがあるんだ。虐殺か戦争か、決めるのは勝者だと、虐殺者は言うんだ。虐殺者は共産主義からインドネシアを守った英雄だ。米国にとっても、あそこに共産主義国ができるのはやばかった。
2014-03-23 01:36:46@kaori0516kaori 9月30日事件はアジアの歴史を変えましたね…中国の毛沢東は驚いたかもしれません。南方の出口が突如反共独裁軍事政権で閉じられ、台湾への統一戦線工作に必要な華僑は弾圧、インドシナ戦争の地域そのものが包囲されてしまった…。映画も非常に興味があります。
2014-03-22 21:40:34@kaori0516kaori ですよね。あの時代状況だと、反共クーデターの裏にはCIAありみたいな説はどの国でも…。この前、千野境子さんの著書「インドネシア 9・30クーデターの謎を解く」買っちゃいました。
2014-03-23 01:30:17@dpll_ 虐殺けしからん!みたいな映画だったら、共産主義者一番虐殺したの米国やから、と突っ込みが入るけど、これインドネシアの現実、って淡々と出されて、しかも彼らの言い分もよく取り上げているので、虐殺者が勝者だと、虐殺は正当化されるということの怖さをひしひしと感じる。
2014-03-23 01:47:16@dpll_ この映画を見て、米国の虐殺は正義の鉄拳なんだよな、勝者だから、みたいなこともちらっと考えさせるところがあるのよ。そこが、監督の取材者としての誠実さでもあるのよ。
2014-03-23 01:49:47