日経「星新一賞」下読みの事情

まとめました。
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牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

瀬名秀明さんのブログ、日経「星新一賞」に関する記事で、ぼくの釈明を取りあげてくださいました。 http://t.co/0GFNCGtyZ5 非常にフェアで、ありがたい扱いです。

2014-03-28 11:33:01
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

日経「星新一賞」について相談を受けたとき、ぼくが真っ先に思ったのは“理系文学”というコンセプトに対するSF関係者の反応だった。ああ、また、メンドクサイことを言うやつがいるだろうな、と。

2014-03-28 13:19:46
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

SF関係者というのは(あるいはオタク一般かもしれぬが)―― ■保守的 ■些末なことにこだわる ■茶化したがる ■野次馬 このいずれかであって(往々にしてその性質を複合的に備えている)、その連中が「“理系文学”ってなによ?」と言わないわけがない。

2014-03-28 13:20:13
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

いや、その連中なんて言っていますが、ぼくもその仲間なんですけどね。だから、よけいにそうなるのは目に見えていた。

2014-03-28 13:20:28
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

いや、その連中なんて言っていますが、ぼくもその仲間なんですけどね。だから、よけいにそうなるのは目に見えていた。

2014-03-28 13:20:28
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

そこで考えたのが、SFのオピニオン・リーダーをこの賞に引きこんでしまおうということだ。さいわい、もともと鏡明さんは関係者だったし。あとSFマニアが納得するご意見番といえば、大森望と山岸真のふたりだろう。

2014-03-28 13:20:56
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

大森さんも山岸さんも新しい作品を読むのは大好きだし、こんな面白そうな機会を持ちかければ(いくら忙しくても)無視はしないと思っていた。

2014-03-28 13:21:10
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

もちろん、こんかいの賞の性格上「盗作チェック」はことさらの気をつかわなければならない。しかし、鏡、大森、山岸、牧という布陣(日本でもっともSFを読んでいるメンツ)を組み、その前段階の選考にもいずれ劣らぬツワモノのSF関係者を揃えることで万全を期すことができる。

2014-03-28 13:21:29
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

――ということを、日経「星新一賞」実行委員会に進言したところ、それが認められて、下読み体制の準備(担当者の選定と打診)がはじまった。

2014-03-28 13:22:54
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

もっとも、ぼくの一番の思惑は、最終審査の手前の第3次審査に、鏡、大森、山岸、牧の名前があることで、SF関係者の“理系文学”へのアレルギー的反発を少しでも緩和できるのではということだった。

2014-03-28 13:23:58
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

まあ、よっぽどナイーヴなひとはどうやっても“理系文学”という文言にこだわるだろうが、それは受賞作が発表されれば「ああ、こういうのが(こういうのも)“理系文学”なのか」と、だいたい解消されるだろうと。

2014-03-28 13:24:37
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

しかし、まさか、遠藤慎一「『恐怖の谷』から『恍惚の峰へ』~その政策的応用」ほどの作品が来るとは予想してませんでしたが。

2014-03-28 13:24:51
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

日本ファンタジーノベル大賞だって、蓋を開ける前はハイファンタジイや魔法小説みたいなものを対象にしているのだろうと多くのひとが思っていたはずだ。それが酒見賢一『後宮小説』受賞で、印象が大きく変わった。

2014-03-28 13:25:08
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

賞が受賞作を生む以上に、受賞作が賞をつくっていく。それが新人賞の醍醐味だろうと、ぼくは思う。

2014-03-28 13:25:22
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

大森望、山岸真の両氏に加わってもらいたかった理由が、もうひとつある。受賞者が継続的に作品を発表したいと望んだ場合、その回路を開きやすい環境づくりの一助になると考えたからだった。このふたりはぼくよりもはるかに業界に通じているし、影響力もある。

2014-03-28 13:31:42
牧眞司(shinji maki)『『けいおん!』の奇跡、山田尚子監督の世界』刊行 @ShindyMonkey

「理系/文系」という分け方が嫌いだ――というひとがいるのはわかる。ぼくも好きか嫌いかと問われれば、それほど好きじゃない。しかし、それと“理系文学”なるコンセプトで賞を運営することの是非とは、また別なことなので。

2014-03-28 13:43:10
山岸真 @ymgsm

星新一賞一般部門グランプリ作品を三次で読んだときは、着眼のほか文章面等もすごいと思いましたが、プロ作家では?とは考えず(著者情報は抜きで読んだ)むしろ同人誌や新人賞とかと無縁だった人のフィクションの才能が、この賞という機会を得て一気に結実したのかなと思いました。(続1

2014-03-28 14:14:56
山岸真 @ymgsm

続1)一般部門に2500作も来たのにグランプリと同趣向の候補作は唯一だったらしい(少なくとも三次にはほかになかった)のは、応募要項に“人工知能も応募可”という(いま見ると)おいしすぎるネタが提示済みなのを考えると、後知恵的に意外な感も。(続2

2014-03-28 14:15:41
山岸真 @ymgsm

続2)むろん、着眼、ロジックの積み上げ、細部の趣向、それらしい文章等々があってのグランプリですが。なお「普通の小説の語り口」でAI視点の(パートがある)作品は一般部門三次段階で数作ありました。(続3

2014-03-28 14:16:59
山岸真 @ymgsm

続3)一般部門の準グランプリと優秀賞は「短篇というよりはショートショート」な作品ですが、ほかの入選6作は「ショートショートというよりは短い短篇SF」が多め。グランプリは例外的作品で最終に残るのはショートショートだけ、とか誤解されないためにも入選作は全部公開してほしいです。

2014-03-28 14:20:07
foxhanger @foxhanger

こうして「星新一賞の入選作すべてを公開すべし」という世論を盛り上げていきたい。

2014-03-28 18:23:21