映画では、並んで歩きながら会話をするシーンがよくあるのだが、これを撮影するのは結構難しいものだと映画を撮ってみてわかった。先日、ウディ・アレンの『恋のロンドン狂騒曲』でさりげなく、うまいなと思うシーンがあった。
2014-03-28 23:59:18最初、カメラは横にトラックバックして、会話する二人をフォローする。植物の影の向こうに対象が見え隠れする。観客は無意識のうちにちょっと見づらいと思うはず。 http://t.co/0ug6oulDiq
2014-03-29 00:00:35二人がコーナーを曲がり、二人がはっきり見えて、観客の意識はほっと解放される。 今度は縦の構図になって手前に向かってくる。西洋の演劇理論では、このような場合、強調させたいキャラを左側に立たせるのが基本なんだが、あまり気にしなくてもいい。 http://t.co/wIuWcej2An
2014-03-29 00:01:41カメラはフォローしつつ二人との距離を縮めていく。よくあるパターンだ。うまいカメラマンは、台詞の意味をくみ取りながら距離の縮めていく気がする。会話の内容は女がフィアンセとの結婚に迷いが生じているということ。 http://t.co/hpXNE3nfhL
2014-03-29 00:02:17と、男がいったん右にフレームアウトする。ここがミソだという気がする。 http://t.co/4Erq8eTlNB
2014-03-29 00:02:44女のほうの単独ショットになる。女が語りかける。男はカメラのすぐ右横か少し後ろにいるはずだ。ここを完全に女のカメラ目線にしても面白いと思うが、それほど劇的にするべきシーンでもないという判断だろう。 http://t.co/QqyHe9OwI3
2014-03-29 00:03:10また、男がフレームインしてくる。 http://t.co/7jNZwJdIkd
2014-03-29 00:03:30さらにぐいと寄っていき、サスペンスが高まり、このシーンが終わる。観客の心に「さて、どうなる」という期待感を抱かせるショットだ。 http://t.co/I5oPYzhcL9
2014-03-29 00:04:17つまり、このような短いシーンにも三幕構成といってもいいようなドラマがあり、カメラワークもそのような三幕構成を呼吸して動いているのだ。俺はそう思う。
2014-03-29 00:06:23