珪素さんのシャンゼリオン感想総括
- hosidukuyo
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最終的に思ったのは、そうか、これヒーロ物じゃなかったんだなあという結論なんですが、別に「こんなヒーローなしだろ」とか「こんなにヒーローらしくないけどヒーローなんだぜ」みたいな意味合いじゃなくて、実際に振り返ってみて、楽しみ方としてのジャンルが、ヒーロー物ではなかった。
2014-03-31 02:00:21何しろシャンゼリオン、主人公サイドに目的がないんですよね。そりゃ短期的には事件を解決したり、護衛したりサバじゃなかったりというのはあるんですが。あきらさんの目的は「ダークザイド許せないぜ」とかでは全くなくて、積極的にダークザイドを滅ぼそうとしているわけでもない。
2014-03-31 02:02:13似たように主人公が探偵で1話ごとの依頼を短期目標として話を進めていくスタイルとしては仮面ライダーWがあるんですけど、あっちにはフィリップの謎とは?敵組織ミュージアムとは?Wのメモリを持つ男とは?みたいな中心軸があったのに対し、シャンゼリオンにはそういう事が全くない。
2014-03-31 02:03:47敵幹部らしきものはいるにはいるけど、黒岩さん以外は特にあきらさんと因縁があるわけでもない。あきらさんに復讐や正義といった強いモチベーションがあるわけでもない。あと、あの世界をあのまま放置したところで、明らかに人類が滅びるわけがない。
2014-03-31 02:04:41@keiso_silicon14 ダークザイドも支配や侵略っていうより寄生って感じですしね。むしろ人類が滅びるとか困る人たちだ
2014-03-31 02:05:45つまり最終話で言われたように、普通の特撮基準ならもはや平和に『なった後』と言って過言ではない世界だったわけです。稀に変態的ダークザイドが現れて変な事件は起こすけど、人間の犯罪者と比べてそこまで凶悪か?と言われればかなり自信がなくなる。寄生獣のラストに近いといえばいいでしょうか……
2014-03-31 02:07:39@hige_zaru そうですね。それに黒岩さんのあの作戦で、今まで表面に出ていなかったダークザイドがあれだけ居たということが判明したのは、逆にそれだけ『人間に溶け込めるダークザイド』が多くて、本質的にはそこまで害のある連中じゃなかった事を示してるような気がします。
2014-03-31 02:08:44こうしてシャンゼリオン『全体』のストーリーを説明すると、じゃあストーリーなんてないも等しいじゃないか、何が面白いんだ……ってなるわけですけど、でも、これがもう、めちゃめちゃ面白いんですよね……w
2014-03-31 02:09:19何故かと言うと、シャンゼリオンはヒーロー物を題材にしたギャグ作品としてとても出来が良いからです。例えばジャガーさんが笛の演奏について真剣に縦軸となる話がないように、斉木楠雄がサイキック能力を使ったバトルが進行するわけではないように、
2014-03-31 02:10:46シャンゼリオンやダークザイドの存在は「そういう舞台設定」として存在しているだけで、それを材料にして、1話1話でお約束を逆手に取ったギャグをやったり、あるいはあきらさんや速水さんといったキャラクター自体の面白さで楽しませていく。で、その回のギャグは1話で終わって、次に持ち越さない。
2014-03-31 02:12:04これは典型的な一話完結ギャグ漫画とかの構成で、こういうタイプの作品はキャラクターに愛着が湧いてくると、大筋のストーリーとかがなくてもとても面白くなる。「その回の事件で、このキャラが、どう動くか」がそういった作品の面白さなので。
2014-03-31 02:13:32で、試聴する前に世にあるシャンゼリオンの感想を読んでて、「あれ?」って思った事があるんですが、「ヒーローオタクの怪人がシャンゼリオンにヒーロー精神を叩き込む話があるよ」とか「借金をあまりに返さない主人公が裁判に引っ立てられる話があるよ」みたいな紹介はあっても
2014-03-31 02:15:40シャンゼリオンそのもの自体が、どういうストーリーかは誰も紹介できない。ストーリーがないからなのだ。でもそれでいいわけです。インパクトが強くて、印象に残る面白いギャグができれば、ギャグ作品としては勝利なので。
2014-03-31 02:16:31そんな中、唯一ゆるやかな縦軸として存在していたのが(エリさん関連の恋愛と、あきらさんとお互いに対抗心があった程度だけど)黒岩知事だったのですが、その彼も、最終回一話前で死んでしまう。
2014-03-31 02:18:12そもそも彼がやろうとしたことって全然ダークザイドの能力関係ない事なんですよね。普通に人間の悪い独裁者が出てきてもこうなるし、あそこまで強引な事をやったら、子供にも殺されるかもしれないのは同じ。以前みつくりざめさんが、ヴィンスーさんがほぼ一般怪人めいた扱いで死ぬ回で言及してましたが
2014-03-31 02:20:01「別にシャンゼリオンとこいつらには全然因縁とかないよ。あきらさんはお気楽にやってるだけだよ」みたいな割り切りが、後半凄く感じられたところだと思います。だから本来、探偵の世界のシャンゼリオンにはエンディングと呼ぶべきものもないんでしょう。
2014-03-31 02:21:29なぜならもう平和だから!幹部倒したら終わりってわけでもないし、そもそも幹部が一般怪人を統率しているようにも見えない。そもそもザンダーさんは走れメロスしてくれるような気のいいやつだし、ザファイアーさんはちょっと早く出ただけのただのヤンデレだ。むしろ倒す必要の方があまり感じられない
2014-03-31 02:22:51そんな状況での最終回は、これまで視聴者が意識せずとも実感していた「平和な日常」を強烈に印象付ける形で終わっていて、「あきらさん達のふんわかした日常がずっと続けばいいのになあ……」と思わせて終わる、すごく技巧的なエンドだったと思います。
2014-03-31 02:25:30シリーズ全体の感想としてはこんなところでしょうか。もちろん個々の話の面白さは語り尽くせないほどある!二回あった「サバじゃねえ!」と、シャンゼリオン放送中止の回と、速水さんを好きになっちゃうダークザイドの回が好きです。
2014-03-31 02:29:28@keiso_silicon14 サバは衝撃的でしたね…二回目はもう回の存在自体がギャグっていうすごい高度な代物だし
2014-03-31 02:33:10@hige_zaru 2はタイトルもそうですし、個人的にシャンゼリオン最大のダークザイドミスリードと(本当にびっくりした)、ザ・ブレイダーのあのナレーション芸の衝撃で、私の中では1回目以上に殿堂入りです!
2014-03-31 02:35:02