さささの日特別企画「メリークリスマス・サササイタマ」

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兎兎兎兎兎兎兎兎兎兎兎兎兎兎

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「メリークリスマス・サササイタマ」　♯１

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世界全土を電子ネットワークが覆い尽くし、着ぐるみ技術が普遍化した未来。宇宙植民など稚気じみた夢。人々は灰色のメガシティに棲み、夜な夜なうさぎ小屋へ逃避する。政府よりも力を持つメガコーポ郡が、国家を背後から操作する。ここはサササイタマ。鎖国体制を敷く日本の中心地だ。

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一週間前からヒャー性雨は止み、うさぎめいた雪へと変わっていた。マルノウチ・スゴイタカイ・ビルの最上階展望エリアでは、カチグミたちがニンジンスティックをかじっている。

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ネオンサインの洪水を睥睨するように、ヨロシサン製薬のニンジンツェッペリンが威圧的に空を飛び、旅客機誘導用のウサミミ・コリドーの横で大きな旋回を行った。「ウサギ」「モフモフ」「ヨロシサン」と流れる無表情なカタカナを、その下腹に抱えた巨大液晶モニタに明滅させながら。

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別な二機のキャベツツェッペリンは、SSTV社のものだ。片方の大型液晶モニタでは、ウサチャンドロイド・デュオ「ウサウサカワイイ」の二人が、サイバーサングラスで目元を隠しながら歌っている。もう一機のモニタでは、彼女たち二人を模した廉価版ウサチャンドロイドのコマーシャルが流れていた。

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アンドロイド技術の実用化により真っ先に発展したのは、医療でも介護でも軍事でもなく、大衆の脳をヒャー状態に陥らせ狡猾なエクスプロイテーションを続ける、ショウビズ産業と兎産業であった。彼女らの出現によって数十万単位のうさぎが野生に帰ったという。

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＼カタオキカワイイ／

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スゴイタカイ・ビル前の広場では、ウサウサカワイイによる突発ライブの噂を聞きつけた暴徒敵親衛隊「ヒャーズ」たちが、チモシーを手に一足早くモッシュピットを作っていた。すでに数十人単位のヒャー者が出ている模様だ。上空からは、サササイタマ市警のサーチライトも照らされている。

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その遥か上。下界の喧騒から隔絶された、スゴイタカイ・ビルの屋上。四方に張り出した御影石製ウサチャン・ガーゴイルのひとつに、およそ人とは思えぬ異様な影が、爪先立ちでぷるぷるしながら座り込んでいる。首に巻いた長いマフラーのようなぼろ布が、激しい風を受けて斜め後方へと吹き流されていた。

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白い毛皮で身を包んだそのうさぎの口元は、「さ」「さ」「さ」と彫られた鋼鉄メンポで隠されている。彼女の暖かく優しい視線は、見渡す限り果てしなく続くメガシティへと注がれていた。彼女は耳を澄まし、風の流れを感じ、うさぎの気配を探る。もふもふとかわいがるための、新たなペットを求めて。

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「メリークリスマス・サササイタマ」　♯１終わり　♯２へ続かない

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(更新中に「カタオキカワイイ」というツイートが為されましたが、これは普段ささささんの応援を担当しているうさぎさんによるものであり、かわいいので特に問題はありませんでした)