屋代聡氏@yashirosatoruによる”童話とは何か”解説連ツイまとめ

屋代氏のTL周辺でで展開された童話についての連ツイを纏めました。前半は童話の政治性、後半は童話の歴史学的読解について。 きっかけとなった直立演人氏@royterekによるお纏めもどうぞ。
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屋代 聡 @yashirosatoru

【屋代聡氏@yashirosatoruによる”童話とは何か”】togetter.com/li/651095 (@bu0210 さんによるおまとめ) 直立演人さん、acaciaさんの呟きに触発されて述べました。前半は童話の政治性、後半は童話の歴史学的読解について。リンク切れ有。

2014-08-11 11:24:32

4月2日 連ツイのきっかけとなった直立氏のツイートからどうぞ

直立演人 @royterek

「人種差別を扱った絵本」(BOOK CAFE)http://t.co/vOrFpPFant

2014-04-01 23:49:35
直立演人 @royterek

「私の素晴らしい3人の子供達はみな日本で生まれ、日本の公立学校に通いました。彼らの母親は生粋の日本人で、私はアフリカの血を引くカナダ国民です。私の子供達は淡褐色の肌を持っているため、しばしば他の子供達からそのことでからかわれました。」https://t.co/muxVDlyVsC

2014-04-02 00:08:20
直立演人 @royterek

「いじめっ子たちは残酷で、様々な人種差別的中傷をぶつけていました;とりわけ“ごぼうみたいに黒くてきたない”という言い方は頻繁になされていました。 しかし、私が地元の図書館で “にんじんさんがあかいわけ”を偶然見つけて借りて帰った時、子供達は非常に怒りました」

2014-04-02 00:08:54
直立演人 @royterek

「著名な児童文学作家の松谷みよ子氏によって書かれたその物語は、このように展開します: にんじんとごぼうはだいこんをお風呂に誘います。ごぼうはお風呂に飛び込みますが、お湯が熱すぎてすぐに飛び出してしまいます;ごぼうは黒いままです。にんじんは熱いお湯に長く浸かって赤くなります」

2014-04-02 00:10:06
直立演人 @royterek

「だいこんはお湯を水で冷まして、身体をすみずみまでよく洗ってぴかぴかの真っ白になります。最後にこの3人はお互いの傍らに立ってお互いの色を比べます;ごぼうは身体をきちんと洗わなかったので黒くて汚いですが、だいこんはよく洗ったので白くてきれいです」

2014-04-02 00:10:38
直立演人 @royterek

なるほど、日本の「美白」信仰(と、それに必然的に付随するであろう黒い肌への偏見)の源泉の一つは、ここにあったか。http://t.co/qbd6SnQocN 絵本ナビでも異常に評価が高い。差別意識を伴わない事実上の差別の蔓延というのが、差別との闘いでは一番厄介なのかもしれない…。

2014-04-02 00:17:50
直立演人 @royterek

「私が人権問題に関する講演の一つで福岡のPTAの会合で話していた間、…アフリカ系日本人の幼稚園男児の母親である女性は、息子さんの幼稚園の先生がクラスでこの本“にんじんさんがあかいわけ”を読んだ後、彼がなじられ、笑い物にされ“ごぼう”と呼ばれた事を泣きながら話し始めました」

2014-04-02 00:29:53
直立演人 @royterek

「幼いその子はその日家に帰ると、湯船に飛び込んで、泣きながら身体を洗って;“ぼく茶色い肌なんかいやだ、ごぼうなんかきらい、ぼくはきたない、白いだいこんみたいになりたい…” この子はどうしたら自分自身によいイメージを持てるでしょうか?」

2014-04-02 00:30:17
直立演人 @royterek

「編集者である池田陽一氏は、この本が日本民話の作者の改作だった事を電話で話しました。“松谷氏は人種差別を助長しようとしているのではありません、ただ日本の子供達に我々の豊かな文化を語り継ごうとしていただけですし…それに、日本の幼稚園に黒人の子がたくさんいるわけじゃないでしょう!”」

2014-04-02 00:32:31
直立演人 @royterek

「この本がきっかけでいじめに合った友人の子供(アフリカ系カナダ人と日本人のハーフ)がいます」「なんにでも興味を示し、影響をうけてしまう3歳から6歳の幼児期にとって子どもたちが勘違いをしてしまうのではないかと不安を覚えます」(シュウさん)http://t.co/El4Ci9pl8L

2014-04-02 00:43:32
Spica @freie_Herz

@royterek 初めまして。連ツイを拝読して、かつて本多勝一さんが著書の中でこのお話のことを取り上げ、強く批判されていたのを思い出しました。「幼い子供が最初に読む本が、このような差別的な刷り込みをすることに鈍感でよいのか?」という内容だったと思います。

2014-04-02 00:33:50
直立演人 @royterek

そうでしたか。未だに読み継がれてるみたいですね…@greenEcho64:かつて本多勝一さんが著書の中でこのお話のことを取り上げ、強く批判されていたのを思い出しました。「幼い子供が最初に読む本が、このような差別的な刷り込みをすることに鈍感でよいのか?」という内容だったと思います。

2014-04-02 00:35:49
Spica @freie_Herz

@royterek お返事ありがとうございます。『ちびくろさんぼ』のように問題視されないで来たのは、これが日本の絵本で、出てくるのが野菜だからでしょう。問題意識をすり抜けてしまう分、余計に罪が深い気もします。

2014-04-02 00:44:25
直立演人 @royterek

同じことを考えていました。この絵本が差別的だということに合点のいかない日本人は多いでしょうね。@greenEcho64:『ちびくろさんぼ』のように問題視されないで来たのは、これが日本の絵本で、出てくるのが野菜だからでしょう。問題意識をすり抜けてしまう分、余計に罪が深い気もします。

2014-04-02 00:46:54
直立演人 @royterek

仮に意図において差別的でなかったとしても、事実上の差別を助長する結果を必然的に招くという風に説明したとしても、それでも納得のいかない人もたくさんいるでしょうね。なにしろ、いまだにベストセラーとして読み継がれているわけですから。@greenEcho64

2014-04-02 00:49:26
Spica @freie_Herz

@royterek 日本ではその辺は非常に鈍感なのだと思いますし、その鈍感さは社会的に許容されてもいます。『ちびくろさんぼ』やカルピスマークが問題視されてきたことも日本人には今一つピンと来ていません。その鈍感さを自覚して、形からでも、差別に気づく、考える、止める、ということかと。

2014-04-02 01:03:00
直立演人 @royterek

この「にんじんさんがあかいわけ」という絵本については、いつ読んだかさえ覚えていないが、私も知っていた。しかし、子どもができてから近所のいくつかの図書館の絵本コーナーに頻繁に行くようになったが、一度として遭遇したことがない。人権意識の極めて高い公立図書館のことだから当然なのだろう。

2014-04-02 00:57:45
直立演人 @royterek

『アンネの日記』等のホロコースト関連本の切り裂き事件でなかなか容疑者が特定されなかったのは、公立図書館の館内に監視カメラがほとんどなかったことが大きかったようだが、これなども公立図書館の人権意識の高さ故のことだったに違いない。事件を受けて設置の動きが見られないのは不幸中の幸いだ。

2014-04-02 01:01:25
Spica @freie_Herz

そうして考えると、童話にはかなり差別的なものは多いと思う。『みにくいアヒルの子』だって、「実は美しい白鳥でした。めでたしめでたし!」なんだから。「実は王子だった」とかも多い。黒いもの、汚れたもの、美しくないもの、貧しいものは、ありのままでは一生救われない。すごく残酷だ。

2014-04-02 01:14:11
屋代 聡 @yashirosatoru

さて、童話というものは、いつからあるだろうか。

2014-04-02 01:29:31
屋代 聡 @yashirosatoru

私たちが子供の頃に読んだ「お話」は、さほど歴史があるものではない。

2014-04-02 01:33:13
屋代 聡 @yashirosatoru

そもそも童話とは子供向けに描かれたものである以上、子供たちに理解できるメッセージを前面に押し出す。そして以前、呟いたように、日本において子供にそうした「特別な配慮」がなされるようになるのは、主として明治以降なのである。

2014-04-02 01:37:20
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