映画「アナと雪の女王」の "Let It Go" を聴いて感じたこと

時間順に追って自分の感じたことを書いたメモです。
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結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

映画『アナと雪の女王』の歌 "Let It Go" がとても心にしみる。日本語もいいけれど、英語の歌詞の方が映像にシンクロしているように感じる。何度も聞いて、感じたことを少し書きたい。連ツイご容赦。

2014-04-04 17:41:11
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

著作権に配慮して、ディズニー公式のこのビデオクリップの時刻をベースに書いていきます。 https://t.co/MbZ4HyV3UG

2014-04-04 17:42:10
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

0:19- 歌は静かに、悲しげに始まります。「一つの足跡もない」というのはもちろん孤独の極み。誰も自分の周りにはいない。

2014-04-04 17:44:08
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

0:27- 孤独の王国・孤絶した王国。どうやら自分はそこの女王らしい。ここまででまったく喜びも希望もない。たった一人しかいない王国で王様だ女王様だといってどんな意味があるだろう。ほめたたえる家臣もいないから女王のようだ、とぼんやり自覚するしかないのだ。

2014-04-04 17:46:38
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

0:33- 風・嵐・ストーム…すべてそれは現実のものであると共に、彼女の(私たちの)心の中の現実でもある。空気が、雪が荒れ狂っている?いや、心の中で荒れ狂っているのは思いであり、言葉に違いない。誰かが過去に自分に言った言葉だ。

2014-04-04 17:49:12
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

その言葉そのものも、その言葉に対する自分の自然な反応もずっと押し殺し、自分の中に閉じ込めてきた。閉じ込めた思いと言葉と感情が荒れ狂っているのだ。

2014-04-04 17:50:01
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

0:48- 荒れ狂う嵐。しかし突然、個別の、具体的な言葉となって脳裏によみがえる。入れるな。漏らすな。明かすな。知らせるな。こうしろ。こうするな。「いいこにしなさい」「いつもそうでなきゃだめ」そんなこと言っちゃだめ。そんなことやっちゃだめ。命令形の嵐。

2014-04-04 17:53:00
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

1:01- でも、でも、そんなことが永遠に続けられるわけがない。そしてほんとうの現実に直面する。なんだ。がんばって隠してきたけれど、じぶんの本性がわからないように努力したけれど、結局は、結局のところは。みんなにバレてしまったじゃないか!

2014-04-04 17:54:32
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

1:05- (ここからの展開にいつも結城は涙ぐんでしまう)"Let it go!" ここでの "it" はいったい何だろう。いままでの自分の周りの状況のすべてだろうか。自分を縛ってきた、自分をなぜかコントロールしてきた「何か」だろうか。とにかくそれをそのまま「勝手にさせておけ!」

2014-04-04 17:56:52
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

"Let It go!"と歌い出してからのエルサの顔の輝き。うれしさ。ここからは嵐や雪も彼女を縛ったり閉じ込めたりするものではなくなる。エルサは自分から雪を出し、さまざまなものを生み出していく。

2014-04-04 17:59:02
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

1:24- 誰が何を自分に対して言おうとしても構うことはない。Let it go! そして歌はまた個別の言葉や思いから嵐を使って語る。どんな「嵐」も吹き荒れればいい。Let it go!

2014-04-04 18:00:49
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

1:37- ここでまた孤独が登場する。町から距離を置いた現在の自分の位置。それは孤独?いや、そうではなくて自分が重大だと思っていたこと、気に病んでいたこともほんとうに小さく見える。適切な距離をとったために「嵐」から抜けたのだ。自分を支配する恐れも私を捕まえない。

2014-04-04 18:03:34
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

さっきは自分を孤独に押し込めていたはずの同じ場所が、自分と周りとの距離を保つ安全な場所へと変わっている。自分を縛るものはない。

2014-04-04 18:04:43
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

1:51- エルサは、自由になったニュートラルな状態で満足するわけではない。今度は自分から動く番だ。いままで周りの声で自分を押し殺していた。今度は自分の声で自分に何ができるかを試してみたい。

2014-04-04 18:06:10
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

1:55- 何ができるか、だけではない。自分ができる極限が、限界がどこにあるかを試してみたい。ここまでもずっとそうだったが、歌詞と映像がシンクロし続けているのがすばらしい。心の動き・大きさ・方向がすべて歌と行動に表れている。

2014-04-04 18:07:42
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

2:03- "I'm free!" この宣言から、エルサの作り出すものが加速していく。量においても質においても。ただし、最初に彼女が自覚した通り、そこにあるのはあくまで自分一人の王国、王宮であることは確かだ。完成度は高く、こわいほどに美しい。しかし「孤独」であることは変わらない。

2014-04-04 18:10:31
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

2:10- 風も空ももう自分の敵でも縛るものでもない。彼女と一体化している。

2014-04-04 18:11:36
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

2:20- ここが英語と日本語で最も大きな違いだと思う。「ここ」に私は立つ。「ここ」に私は居る。居続ける。どうやらわたしは女王のようだ、ではなく、はっきりした意志を持って「自分の居場所はここだ」と宣言する。と同時に彼女の足下に彼女の象徴たる雪の結晶が広がる美しさ。

2014-04-04 18:13:34
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

(間奏…ただいま王宮建築中)

2014-04-04 18:14:11
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

3:01- 過去にもうもどらないという宣言。と同時に過去の自分の地位の象徴であるティアラを投げ捨てる。

2014-04-04 18:15:41
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

投げ捨ててから、なおいっそう彼女のパワーが増す。力強さを増し、新たなドレスをまとう。新しい彼女の誕生である。

2014-04-04 18:16:47
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

3:19- (親が、あるいは周囲が求めた)完全な女の子はもういない。過去の存在となったと歌い上げ、自分が新たな自分になったことを改めて宣言する。これは冒頭の "Be a good girl"と対をなしている。

2014-04-04 18:18:44
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

3:34- 嵐よ吹き荒れてみよ!と宣言すると共に王宮の全貌が映し出される。しっかりと「いまの私の居場所はここだ」と自覚した強さが、美しく大きく孤独な王宮として描かれ、歌が終わる。

2014-04-04 18:20:59
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki

以上、連ツイ失礼しました。 この曲を聴くたびに、自分の中のいろんな思いが引きずり出される気持ちがしてしょうがなかったので、書かせていただきました。万一不愉快に感じた方がいらしたらごめんなさい。以上の連ツイは結城の個人的な思いです。 https://t.co/MbZ4HyV3UG

2014-04-04 18:23:18