ドッペルゲンガーと本人が自殺する怪談とその出典について

子母澤寛の『露宿洞雑談』の中で紹介されていた怪談とよく似た内容の話を岡本綺堂も執筆していたことから、共通する出典があるのではないかと調べてみた
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小山田浩史 @magonia00

子母澤寛の「露宿洞雑筆」を拾い読み中。「貞女お岩」という題のエッセイでは最後に四谷怪談とは全く関係のない、八代将軍吉宗の延享の頃(1744-1747)に厩橋城の中で起きた奇妙な出来事(ドッペルゲンガーの首つり自殺死体発見→本人も数日後に首つり自殺)が出てきて面白いンゴ

2014-04-03 00:19:41
ナカネくん @u_saku_n

@magonia00 岡本綺堂の怪談『百物語』を思い出しました http://t.co/CiBrGnvpF9

2014-04-03 21:51:47
小山田浩史 @magonia00

@u_saku_n 自殺する中老の名前が子母澤の方でも同じく「島川」なので、これらの話にはなにか共通の出典がありそうですね

2014-04-04 00:14:38
ナカネくん @u_saku_n

@magonia00 モトネタが同じかもしれませんねえ。子母澤寛と岡本綺堂、どちらも超ビッグネームですから、二つの関連の解説はどこかにないかしら? 僕自身「露宿洞雑筆」は読んでいないので、ぜひともチェックします。

2014-04-04 09:16:23
小山田浩史 @magonia00

先日紹介したドッペルゲンガーと本人がそれぞれ首つり自殺する怪談について、子母澤寛と岡本綺堂がそれぞれ書いていることから、なかねさん(@u_saku_n)と「共通の出典がありそう」という話になったので調べてみたら、どうやら平秩東作(へづつ・とうさく)の『怪談老の杖』が出典ぽい

2014-04-05 23:22:11
ナカネくん @u_saku_n

@magonia00 やや!『怪談老の杖』でしたか。しばしば話題に出たり参考文献に出ていたりですが、僕は読んでいませんでした。ありがとうございます!

2014-04-05 23:43:19
小山田浩史 @magonia00

平秩東作は享保11年~寛政元年(1726-1789)の戯作者。 彼の著作『怪談老の杖』の中に、岡本綺堂が書いたのとほぼ同じ形の「厩橋の百物語」という怪談があるようだ http://t.co/XhgIdbc5ep これは当時よく知られた「都市伝説」だったのだろうか?

2014-04-05 23:28:22

『怪談老の杖』巻之四より、「厩橋の百物語」

http://home.att.ne.jp/red/sronin/_koten/0665mayabashi.htm

ナカネくん @u_saku_n

@magonia00 リンク先は先ごろこの本を出された(正確には復刻版ですが)方かと思われます。http://t.co/lFqD6w99jL この本、探してみます

2014-04-06 00:07:26
小山田浩史 @magonia00

『露宿洞雑筆』の中の「権助、女中、行水」というエッセイで子母澤寛は"それからも一つこんな話を伝えた「老の杖」の中に"と書いているので、子母澤が『怪談老の杖』を読み、かつ自分のエッセイの元ネタに使っていたのは間違いないだろう

2014-04-06 00:55:11
小山田浩史 @magonia00

岡本綺堂の『百物語』で語られる話は冒頭で"今から八十年ほどの昔(中略) なんでも弘化元年とか二年とかの九月、上州の或る大名の城内に起った出来事である"とされている。 時代が「厩橋の百物語」とは変えてあるわけだ。(弘化元年=1844年) 場所も微妙にぼかしてある

2014-04-06 01:04:03
小山田浩史 @magonia00

今回の「厩橋の百物語」まわりのことは、怪談マニア以外にはどうでもいい話なんだけど、オデ一人では単に「子母澤寛が変な怪談紹介してて面白いンゴwww」で終わるところだったのが、岡本綺堂も似た話を書いていたこと、『怪談老の杖』がその共通の出典らしいこと、までわかったのでよかったよかった

2014-04-06 01:37:52