チェルノブイリ原発事故による北部ウクライナ、およびゴメリ州と福島の比較 cyborg012さんのツイートまとめ

チェルノブイリ原発事故の際の北部ウクライナ、ゴメリと被曝量を比較
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cyborg001 @cyborg0012

チェルノブイリ原発事故による北部ウクライナ、およびゴメリ州の健康被害 チェルノブイリ核惨事によって被曝し、ベラルーシやウクライナ、ロシアで様々な病気が生まれた。御用学者の先生方や放射能安全派の人たちを除けば、この点に疑問を挟む人は少ないと思います。

2014-04-05 23:26:21
cyborg001 @cyborg0012

ただし、チェルノブイリに関する文献を読むと、「被曝によって健康被害が生まれる」ということ以上の恐ろしい事実を知ります。「被曝によって、一人の個人が複数の病気を抱え込む」という事実です。一つの病気なら「頑張って生きていこう!」と思うかもしれない。しかし、複数の病気に蝕まれたら・・?

2014-04-05 23:29:11
cyborg001 @cyborg0012

たとえば、広河隆一さんのルポを読むと、小児甲状腺癌と急性白血病の二つに同時に罹ってしまった少女の話がでてきます(『福島原発と人々』、岩波新書、2011年)。少女は絶望のどん底に落とされ、生きる気力を失う。そんな過酷な運命は大人でも耐えられません。子どもなら尚更です。

2014-04-05 23:31:43
cyborg001 @cyborg0012

福島原発事故から4年目を迎える日本でも、こうした「一人の人間が複数の病気を同時に抱え、苦しむ」という過酷な現実が生まれる可能性がある。「不安を煽るな!」という声もあるが、私たちの社会はこうした人々を支え、悲惨な現実に社会全体で立ち向かう準備が果たして出来ているのか?甚だ疑問です

2014-04-05 23:36:53
cyborg001 @cyborg0012

チェルノブイリ地域では「複数の疾患を同時に抱えた人々」がたくさん生まれた。たとえば、ネットで流布され、onodekita氏がよく使う有名な以下の「北部ウクライナ住民の疾病グラフ」を見てみよう。 http://t.co/OeRq9oOeHB

2014-04-05 23:42:28
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cyborg001 @cyborg0012

このグラフの出典データはIPPNW, 2001, Health Effects of Chernobyl, 25 Yeras after the Reactor Catastrophe, p. 61にある。まずは、元データを見てみよう。http://t.co/10NgRsNi89

2014-04-05 23:48:09
cyborg001 @cyborg0012

以下の文献です(下図)。『チェルノブイリ核惨事』(A. Yabrokov et al. 2010)よりも読みやすく、ページ数が少ない(p. 65)ので、是非お読みください(松崎道幸氏の邦訳も合同出版から2012年に出ています)。 http://t.co/mESgMpyddv

2014-04-05 23:54:37
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cyborg001 @cyborg0012

onodekitaさんがよく使う「北部ウクライナ住民グラフ(10万人対疾病数」の出典データを示したのが以下図である。7つの疾病を総合すると、10万人対339,544人の罹患率となる。平均1人で3つ以上の病気を抱えていることになる。 http://t.co/BmUVKHrlOY

2014-04-05 23:59:12
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cyborg001 @cyborg0012

IPPNW, 2011報告書の筆者も、北部ウクライナ住民の健康被害について、「多くの住民が複数の病気に罹っている」点に注目している(以下図は拙訳)。 http://t.co/nXbxN6sg96

2014-04-06 00:05:24
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cyborg001 @cyborg0012

よく言われることだが、北部ウクライナ住民が最も多く罹患している病気は循環器系疾患である。事故後4年を過ぎて急増し、1992年には10万人対98,363人が罹患している。ほぼ100%の住民が循環器系に何らかの障害を持っていることになる。 http://t.co/IwKNihdvpd

2014-04-06 00:09:33
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cyborg001 @cyborg0012

以下の図は、同じIPPNW, 2011のデータから各々の疾患の割合を図にしたものである。循環器系疾患は全体の28.9%を占め、筋骨格系疾患21.6%、消化器系疾患18.5%と続く。 http://t.co/hoYxM0fXV0

2014-04-06 00:13:13
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cyborg001 @cyborg0012

リクビダートル(原発作業員)、避難民、汚染地域住民、被曝した親から生まれた子供、この4集団における「健康な人の割合」を年次推移(1987-1996年)で示した出典データが以下図である。 http://t.co/j5gQDMduIS

2014-04-06 00:20:10
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cyborg001 @cyborg0012

上記4集団における「健康な人の割合」(年次推移1987-1996年)をグラフ化したのが以下図。4集団すべてに於いて年を経るにつれて健常者の割合が劇的に減少している。『ウクライナ政府報告書』にも同様のデータがあり、有名な事実であろう。 http://t.co/lQPWat8ghX

2014-04-06 00:24:27
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cyborg001 @cyborg0012

IPPNW, 2011報告書は、「事故後に生まれた被曝者の子ども」が、リクビダートなどと同様の推移で健康状態の悪化を示している事実に特に注目している(以下図は拙訳)。 http://t.co/1TKx6PymHb

2014-04-06 00:34:20
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cyborg001 @cyborg0012

こうした「一人の個人が複数の疾患や障害、精神的・身体的不具合を同時に抱える」という深刻な現象は、福島やその他地域で生まれうるのだろうか?ここで、北部ウクライナの甲状腺等価線量を見てみよう。しばしば、「福島はチェルノブイリの被曝量より遥かに少ない」と言われるが、本当はどうなのか?

2014-04-06 00:39:51
cyborg001 @cyborg0012

ウクライナの性別・年齢別の詳細な甲状腺被曝線量データはLikhtarov et al. 2005に記載されている(事故当時ソ連政府は20万人以上の子どもの甲状腺被曝を調査し、データベース化している)(北部ウクラナイのデータは以下図)。 http://t.co/zopQ1OsMqC

2014-04-06 00:45:20
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cyborg001 @cyborg0012

1-18才までの小児集団の平均甲状腺等価線量は、ジトミール州87mGy、キエフ州81mGY、チェルニヒブ州58mGyである。以下図は、ジトミール州における年齢別・ジェンダー別の初期被ばく線量を示している。 http://t.co/2sS8rqJIqJ

2014-04-06 00:49:33
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cyborg001 @cyborg0012

「チェルノブイリでは1Gy、10Gy以上の大量被ばく者がボコボコいる。福島の被曝量はチェルノブイリの1,000分の1、否10,000分の1だ」とデタラメを言うオバカさんが後を絶たないが、むろんそんなことはない。ウクライナ北部3州でも平均甲状腺被ばく線量は50-80ミリSv程度だ。

2014-04-06 00:54:15
cyborg001 @cyborg0012

2013年5月UNSCEAR報告では、福島小児の被曝量は30キロ圏外で最大66ミリSv、30キロ圏内で最大82ミリSvと評価された。「もう一つのIAEA」と呼ばれる機関の線量評価であるが、このお手盛り報告書に従っても福島の子どもの一部はウクライナ北部の児童に匹敵する被曝をしている

2014-04-06 01:00:43
cyborg001 @cyborg0012

現在、市の街プリピャチは平均毎時3.8μSv。死の街大熊町では320μSv/h(2年間で7Sv)という致死量の線量が記録されている。これ一つ見ても、福島の住民(とくに避難民)の被曝量がチェルノブイリより少ないという見解には説得力がない http://t.co/evL6gQclo8

2014-04-06 01:12:31
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cyborg001 @cyborg0012

福島やその他地域でも北部ウクライナの成人・青年層に起きた不幸な出来事は起こりうると考えるべきであり、社会全体がその事態に備える必要がある。次に、チェルノブイリの子どもの疾患に目を移そう。IPPNW, 2011ではゴメリ州児童の13の疾病について事故後10年間推移データの記載がある

2014-04-06 01:20:37
cyborg001 @cyborg0012

結論から言えば、ゴメリ州の子どもも北部ウクライナ成人・青年と同じく「一人の個人が複数の身体的・精神的疾患・障害を抱え込む」という不幸な事態が起きていた。以下図はIPPNW, 2011からの抜粋データである。 http://t.co/T6BOefOYBK

2014-04-06 01:25:54
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cyborg001 @cyborg0012

ゴメリ州児童では、データ上13の疾患の罹患率は10万人対124,440人、平均1人当たり1.24の疾患・障害を抱え込んでいる。注目すべきは、大人とは異なり、子どもでは「呼吸器系疾患」が10万人対82,688人と圧倒的である点にある。 http://t.co/M7mPlnFdIe

2014-04-06 01:32:09
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cyborg001 @cyborg0012

ゴメリ州小児データ(IPPNW, 2011, pp. 62-63)から主要疾患を抜き出し、年次推移をグラフで以下に示す。まずは悪性新生物(癌)。事故前85年は10万人対1.4人、4年後から急増、1997年では10万人対134人となる。 http://t.co/JGFJ6PK1Jj

2014-04-06 01:38:05
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cyborg001 @cyborg0012

次に、血液疾患・造血組織疾患について。事故前85年は10万人対54人、1997年には10万人対1,146人となり、およそ21倍増加した。 http://t.co/xBlfh04lkX

2014-04-06 01:43:35
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