2014年4月6日

アイヌアニメ「この砂赤い赤い」ライナーノーツ

アイヌの物語をアニメ化した「この砂赤い赤い」(アイヌ文化財団)について、文化考証を担当した丹菊逸治さんによる解説ツイート(非公式)。
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丹菊逸治 @itangiku

すでに何度かツイートしておりますが、アイヌ文化財団のアイヌアニメ『オルシペスウォプ2』が出来ました。今回も3本立てですが、丹菊が文化考証を担当したのは1本目『この砂赤い赤い』と3本目『ニタイパカイェ』。ウェブ公開はこちら。 http://t.co/YJE4JPUPOr

2014-04-06 13:15:58
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。知里幸恵『アイヌ神謡集』の第11話をアニメ化。アイヌ語音声日本語字幕版(アイヌ語も日本語も知里幸恵の文章のまま)。 https://t.co/M6IOMLRPnt

2014-04-06 13:16:59
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』は知里幸恵『アイヌ神謡集』に収録されているもの。有名な「銀のしずく降る降るまわりに」ではなく、あえて「この砂赤い赤い」を選んだ。「銀のしずく」は有名だし何度も映像化されている(中途半端にだけど)から。

2014-04-06 13:19:19
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』は半神半人(文化英雄)の少年英雄ポンオキキリムイがライバルの少年悪神ポンニッネカムイと戦う話。どっちかといえば殺伐とした話だけれど、善悪の構図がはっきりしていて分かりやすい。

2014-04-06 13:21:38
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。一般に登場するのはオキキリムイであって、ポンオキキリムイ「小さなオキキリムイ」ではない。知里幸恵によればこれは「オキキリムイの子供」である。同じく敵もニッネカムイじゃなくポンニッネカムイ「小さな悪魔」になっている。

2014-04-06 13:25:26
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。知里幸恵の訳では「悪魔の子」になっている。ここでもとりあえずそう呼ぶことにしよう。

2014-04-06 13:27:01
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。さて、まずタイトルから。この話はカムイユカラ「神謡」という歌物語ジャンル。メロディーがあるだけじゃなくて、一行ごとに「サケヘ」と呼ばれるリフレイン(繰り返し句)が入るのがこのジャンルの特徴。

2014-04-06 13:30:04
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。とはいっても、知里幸恵の原文はあくまで「書かれたもの」である。メロディーは当然分からない。 サケヘも最初のタイトルのように用いられているだけ。本文では行が区切られているので多分そこに入るのだろうが。

2014-04-06 13:33:47
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。この話のサケヘが「タノタフレフレ」。サケヘには意味が分からないものも多いけれども、このサケヘはとりあえず意味が分かる。「この砂赤い赤い」という意味。だから何?というとそこはよく分からない。

2014-04-06 13:36:55
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。この神謡のタノタフレフレ「この砂赤い赤い」というサケヘは話の内容と直接の関係は無い。もしかしたら別の話のサケヘだったものが流用されたのかもしれないし、本来は砂地で争って血の雨が降る話だったのかもしれない。

2014-04-06 13:38:11
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。ところで、「タノタフレフレ」は知里幸恵の草稿ではTanota fure fureと区切られている。岩波文庫などではTanota hurehureのようにhurehureがくっつけられている。

2014-04-06 13:50:27
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。だからといってhurehure「赤い赤い」が一語というわけではないし、読むときはhure hure「赤い、赤い」のように離して読むべきだろう。第一話の「銀のしずく降る降る」でも同じ。「ふるふる」じゃなくて「ふる、ふる」

2014-04-06 13:52:32
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。『アイヌ神謡集』は著者の知里幸恵が自分が知っているカムイユカラを自らアイヌ語と日本語で書いたもの。1923年の刊行でもちろん録音は残っていない。今回のアニメ化にあたっては無理に歌にせず、知里幸恵の文の朗読にした。

2014-04-06 13:58:53
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。アイヌ語も日本語も知里幸恵が書いたものをそのまま使用したが、おそるべきことに朗読すると時間がほぼぴったり合う。同じ長さになるように調整してあるのだ。おそるべし知里幸恵。

2014-04-06 13:59:25
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。ここからはネタバレ解説になるのでいったん自己@ツイを区切ります。まあ、有名な話だし5分弱しかないのでネタバレも何もないのだけれども。 

2014-04-06 14:08:17

丹菊逸治 @itangiku

アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。ここからはネタバレ解説になるのでいったん自己@ツイを区切りました。本編はこれ(5分弱)。 https://t.co/M6IOMLRPnt

2014-04-06 14:10:01
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。思い切りネタバレ解説。というか見た人向け解説。この話は初見では疑問を感じるだろう。まずこのポンオキキリムイはなぜ「川を遡って遊びに出かけた」のか。川沿いに行くのは普通の山行だとして「遊びに」というのはどういう意味か。

2014-04-06 14:11:43
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。見た人向けネタバレ解説。ポンオキキリムイとオキキリムイはまあ同一人物といってよい。「子供」ということになっているが、2頭身キャラみたいなもん。つまり行動パターンはオキキリムイとほぼ同じ。

2014-04-06 14:13:06
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。見た人向けネタバレ解説。オキキリムイは善神だが策略家。「ただの人」に化けて魔物を挑発して先に手を出させ、返り討ちにする。

2014-04-06 14:16:00
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。見た人向けネタバレ解説。オキキリムイのやり方は、神謡集の第2話なんかが典型。ウンコで作った人形を連れて谷地の魔物(蛇)のそばを通り、「臭いな」などとトボけて挑発して返り討ちにする。

2014-04-06 14:16:55
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。見た人向けネタバレ解説。おそらくこの話のポンオキキリムイもただの人間の子供の姿でポンニッネカムイ「悪魔の子」を挑発しに行ったのだろう。だが先手を打たれてしまった。悪魔の子が「ポンオキキリムイ!遊ぼう」と声をかけてきた。

2014-04-06 14:19:02
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。見た人向けネタバレ解説。あるいは、深読みするなら、そう見せかけてわざと隙を作って待っていたのかもしれない。だとすれば末恐ろしい子供であるが、アニメでは素直に「先手を打たれた」ということにしてある。

2014-04-06 14:19:36
丹菊逸治 @itangiku

@itangiku アイヌアニメ2。第一話『この砂赤い赤い』。見た人向けネタバレ解説。まあ「素直に先手を打たれたということにしてある」といっても、絵がそうなっているだけなので、全体を見ればオキキリムイの策略だということが分かるはず。

2014-04-06 14:22:16
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